日本でMaaSという言葉が頻繁に語られるようになりかなりの年月が過ぎております。その割に、日本社会で実現されているMaaSなるものは、海外に比べて圧倒的に小規模かつ局地的な活動から抜け出ていないのが現実ではないでしょうか。日本社会は他国に比べ高度な技術水準を保持しているにも関わらず、既に先行する海外に比べ周回遅れの状態にあります。何故そのようなことが起きているのか?その原因は何なのか?元経済産業省キャリア官僚で自ら起業をされ日本のMaaS業界に一石を投じられた伊藤氏とエストニア進出を果たしたDataGateway社代表取締役の向縄氏が様々な海外事例と国内事例を比較し、日本社会のMaaS推進を阻む正体を鋭く抉り取る、エストニア共和国大使館公認のセッションです。
株式会社rimOnO
代表取締役社長
伊藤 慎介 氏
京都大学大学院工学研究科電気工学専攻を卒業後、1999年4月に通商産業省(現経済産業省)に入省。2005年~2007年に自動車課において次世代自動車用電池の開発目標策定と技術開発プロジェクト立ち上げ、電気自動車の普及戦略立案、燃費基準の策定・改訂などを担当、その後、2007年からは情報経済課においてスマートハウス、スマートグリッド、スマートコミュニティの戦略立案・関連プロジェクトの企画・実施などを担当。2010年戦略輸出室/クールジャパン室、2011年航空機武器宇宙産業課、2013年(株)産業革新機構への出向を経て、2014年7月に経済産業省を退官。同年9月に工業デザイナーと共に超小型電気自動車のベンチャー企業、株式会社rimOnOを設立。2016年5月に布製ボディの超小型電気自動車”rimOnO Prototype 01”を発表。現在は、MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)の推進などモビリティ分野のイノベーション活動に従事。2018年9月にKPMGモビリティ研究所アドバイザーに就任し、2019年10月には東京電力ホールディングスEV戦略特任顧問に就任。
DataGateway株式会社
代表取締役
向縄 嘉律哉 氏
長岡技術科学大学院卒業後、2010年にキヤノン株式会社に入社し、特許を扱う知的財産法務本部に勤務長岡技術科学大学院卒業後、2010年にキヤノン株式会社に入社し、特許を扱う知的財産法務本部に勤務。発明の支援から会社全体の特許戦略、研修の作成まで幅広く経験した。同社退職後、2017年11月に株式会社bitgritを創業。
知的財産権の知識をベースに、AI、ブロックチェーン、データ管理について新しい仕組みを提案している。bitgrit創業時に自ら30カ国以上に赴いて現地のスタートアップと交流し、つながりを持つ。bitgrit社内には世界中からエンジニアを広く採用し、日本、インド、エストニアに拠点を展開。海外進出に対する地政学的要素、法的、税制面など多方面での知見を得て、事業拡張に活用している。アジア全体に進出した経験から海外とのつながりも強い。特にインドを中心としたアジア地域においては10000人を超えるデータサイエンティストコミュニティを構築し、エンジニアの努力が報われる、新しい働き方を広めている。DataGatewayにおいては企業のデータ活用を次のステージに進めるべく、データ管理・活用のサービスを行うと共に、クラスタコンピューティングによる次世代インフラストラクチャを開発している。