イケてる名刺制作・名刺デザイン

デザイナーの真の能力を引き出す!発注側のためのデザイン指示マニュアル

皆さん、こんにちは!
梅雨明けの7月が誕生日。名刺のネタ帳管理人のケンです

早速ですが、最近流行の「クラウドソーシング」、利用されたことありますか?

クラウドソーシングとは、「ランサーズ」や「クラウドワークス」をはじめとしたサービスを用いて、お仕事を個人に発注する仕組みです。
この仕組みを使えば、フットワーク良く制作が可能なことから、多くの企業が利用し始めています。
また、地方に住んでいるデザイナーにとっても、首都圏などから仕事を受注できるメリットがあり、登録するデザイナーも急増中。

現在、このクラウドソーシングを使って、名刺のデザインを依頼したり、Webサイトやパンフレットのデザインを依頼する企業が増えています。

デザイナー視点からすると、クラウドソーシングの場合、最初に案件の指示が固まっているため作業が進めやすいのですが、中には思わぬトラブルが起こる可能性も。
例えば、作業が進むにつれ、下記のような指示が出るケースです。

「格好良くてドーンとしたインパクトがほしいんだよね!」
「こんなの1日でできるでしょ!?」

こういう指示が出る場合は、たいていが「デザインを外注したことがない企業」からの指示です。

そんな時、どう立ち回るかで、今後のお仕事のポジションが決まるといっても過言ではありません。
例えば、ただ「無理です!」と怒るのではなく、「難しい理由」をきちんと伝えてあげれば、発注側からの依頼も改善される場合があります。

というわけで、今回は、デザイナーと発注側の双方が幸せになれるように、「発注側のためのデザイン指示マニュアル」をつくってみました!
デザイナー視点から「こんな指示はトラブルにつながりやすい」というものをまとめてあります。

このマニュアルがあれば、名刺、Webサイト、パンフレットなど、様々なデザインを発注する際、デザイナーの能力を最大限に引き出すことができると思います。
デザイナーさんも発注側とのトラブルを回避するためにもチェックしてくださいね。

それでは紹介します!

こんな指示は避けよう!
デザイナーと発注側、双方を幸せにするための、デザイン指示マニュアル

1、「抽象的」な指示はダメ!

爆発

「格好良くてドーンとしたインパクトがほしいんだよね!」
「シュッとしたデザインで!」

発注側のボキャブラリー不足が原因なのか、擬音で依頼されるパターン。
実はこれ結構多いのです。

「擬音」で依頼されると、発注側がどんなイメージのデザインを依頼しているのか分かりません。
「ドーン」という表現一つとってみても、インパクトを出したいのか?重厚感を出したいのか?はっきりしません。

デザイナーは神様でも超能力者でもありません。
他社のデザインを参考資料として提示するなど、デザイナーがイメージしやすいように、できるだけ具体的なイメージを出してあげてください。

デザイナーから発注側へのお願い

  1. 擬音で依頼せず、できるだけ具体的なイメージで指示してください。
  2. 難しければ、競合他社のWebサイトなどを見て、イメージに近いものを教えてください。

2、「前言撤回」する指示には注意!

叱る女性

「デザインはお任せします!」
-作成後-
「イメージと違うので直して下さい!」

デザインを任されたので好きに作ったところ「イメージが違う」ということでボツになるパターンです。

このトラブルの原因はたった一つ。
デザイナーが「発注側の真意を汲み取れていない」ことが原因です。

発注側は「デザインはお任せします!」と言いつつ、実は「(僕の求めているデザインは君なら分かるよね、だから)デザインはお任せします!」という感覚で依頼しているということです。
デザイナー側がその「裏に隠された気持ち」に気付かないと、大体失敗します。

デザイナー側が発注側の気に入るデザインを一発で仕上げられれば越したことはないのですが、双方の完成形のイメージが違う場合は上記のようなトラブルが起こりがち。

このトラブルを防ぐには、依頼を受けるデザイナー側が、相手でどういうデザインを求めているのかを事前に察知しておく必要があります。
つまり、デザイナー側のヒアリング(相手から要望を聞き出す)能力が大切。

発注側からすると「時間がないから、適当に作ってよ」と言いたい場合もあるかもしれませんが、そう言われたデザイナー側も困るのです。

デザイナー側にヒアリングしてもらう時間をとれないようであれば、せめて「何を抑えておけばOKか」という情報を伝えておくと良いでしょう。

デザイナーから発注側へのお願い

  1. どんなに急ぎの場合でも、「何を抑えておけばOK」かの指標は与えてください。
    (嫌いな表現、デザインなどでもOKです)
  2. できれば、事前にイメージを共有するための機会を用意してもらえると嬉しいです。
    (直接会っての打ち合わせ、それが難しい場合は画面共有ができる「ビデオ会議」など)

3、「デザインで使う素材」を丸投げする指示には注意!

「デザインの素材は今のWebサイトから拾って!」
「デザインの素材はパンフレットから拾って!」

Webサイトのリニューアル案件などで多いのですが、「デザインの素材は今のWebサイトから拾って!」という指示。
これは気をつけなければいけません。

なぜなら、素材によっては権利関係の問題があるからです(モデルの契約期間のトラブルなど)。
その他、(これは滅多にありませんが)使用許諾に違反していることに気付かずに素材を使っているケースもありますので、デザイナーは、発注側から言われるままにデザイン素材を使うのではなく、使う前に権利関係などを聞くようにします。

もし、あなたが「デザインの素材はパンフレットからスキャンして」伝えた場合、当然ながら、素材の画質が荒れてしまいます。
パンフレットの元となるデジタルデータを渡すことができないかどうか、確認するようにしましょう。

デザイナーから発注側へのお願い

  1. パンフレットを他社に依頼した場合は、写真の著作権が自社にあるかどうかきちんと確認しておきましょう。
    著作権がない写真をパンフレットから拾って使ってしまった場合は、著作権違反となってしまいますのでお気を付けください。
    (※但し、デザイナーは制作物を納品する際に著作権を譲渡することが一般的)
  2. 自社で作った場合は元データ(PSDなど)を大切に。他社に依頼した場合は、今後の利用も考えてデータまたは写真の買い取りをしておきましょう。

4、リソース計算がめちゃくちゃな指示はダメ!

Little child play with book and glasses

「明日までに作って!」
「こんなの簡単にできるでしょ!?」

なぜか時々、デザイナーを魔法使いのように思っている発注側がいます。
そんな発注側がついつい出してしまうのがこの指示。

デザイナーが行う作業って、実際はとっても細かいものなんです。
余白を揃えたり、文字間を調整したり、画像を補正したり、切り抜きをしたり・・・と、細部の作りこみや調整に時間がかかります。
例えば、印刷物だと、出力して色味のチェックも行う必要があります。

最近の画像編集ソフトがどれだけ優秀でも、最低限のクオリティを守るために、諸々の確認作業に時間がかかってしまうのです。

デザイナーから発注側へのお願い

  1. 「その作業にはどれくらいかかるか?」ということをデザイナーに事前に聞いた上で、納期を相談するようにしましょう。

5、欲張りな指示には注意!

サプライズ

「あ、この写真も掲載したい!、あ、こっちの写真も掲載したい!」

後から掲載する情報がどんどん増えることで、元のデザインの原型が無くなるパターン。

日々情報が更新される昨今、情報を決め打ちできない事情も分かりますが、情報が増えても対応可能かどうかは別問題。
なぜなら、デザイナーはその時用意された素材で、ベストなデザインを構築しようとするからです。
ベストなバランスに仕上げたものの上に素材を追加していくとデザインのバランスが崩れます。そして、バランス調整には時間がかかるのです。

デザイナーから発注側へのお願い

  1. 素材が追加される可能性がある場合は事前に伝えていただき、要相談。
    (できれば最初にFIXされていると嬉しいです)

6、「叩き台」という表現を使う場合には注意!

「叩き台のデザイン作って!」
-作成後-
「こんなの叩き台ってレベルじゃない!見せられない!」

「叩き台」という言葉の定義が曖昧なことで起こるトラブルです。
発注側の担当者が「社内稟議」を通す際に起きやすいトラブルでもあります。

叩き台とは通常「ラフデザイン」のこと。
どれくらいのレベルのラフデザインを「叩き台」と呼ぶか、事前に意思疎通しておいた方が良いでしょう。

デザイナーから発注側へのお願い

  1. 「叩き台」という表現を使う場合は、ラフデザインの「許容範囲」を具体的に伝えるようにしましょう。

7、社内で意思疎通できていない指示には注意!

「すいません!僕はこれで良いと思ったんですが、社長にダメ出しされました・・・」

発注側の担当の指示で進めていたのに、社長権限でNGを受けるケース。
つまり、社内で意思疎通ができていないことから発生するトラブルです。

例えば、担当者からの指示で「淡いパステル調で可愛いらしく」と言われたので、そのデザインに仕上げたところ、そのデザインを見た社長から「うちのイメージじゃない!もっとクールで高級感を出したい」とひっくり返されたり・・・。

デザイナーから発注側へのお願い

  1. デザインは人の好みが分かれやすいもの。デザインの方向性に関しては、社内での意思疎通をお願いします。
    (意思疎通のために「叩き台(ラフデザイン)」が必要であれば、その叩き台を先に作るためのリソースを計算しましょう)

「相手が求めていることを引き出すスキル」はやっぱり大切

いかがだったでしょうか?

上記の他にも、名刺などを印刷する際に「紙の指定」がなく、実際に仕上がった名刺を見て、発色が違う!というトラブルもあります。
例えば、黄身がかった用紙(再生紙など)を選んだ場合、使っている色が薄い色だと黄色が乗ってしまい、くすんだ感じになってしまうため、事前に「どういう紙を使うか」の共有ができていると良いでしょう。

人によっては、上記のマニュアルを見て、「ディレクションもデザイナーの仕事でしょ?」と言われる場合もあるかもしれません。
確かに、もし自分がディレクターと名乗っていなくても、「相手が求めていることを引き出してあげるスキル」、すなわち「聞く力」は重要です。

打ち合わせ中の社長

不慣れな発注側からすると、自分の考えているイメージを説明するのに苦労しているケースもあるからです。
なので、そのイメージを言語化するお手伝いをしてあげられると、双方幸せになれるでしょう。

また、相手のイメージを具現化するために、多くの事例を知っておくことも大事でしょう。
例えば、名刺デザイン一つとってしても、様々な名刺デザインに触れておくことが大切です。

仕事で受け取った名刺を名刺管理ソフトなどでまとめておけば、いざというときに安心です。
特に、外出先でiPadやスマートフォンで名刺データを見られるような名刺管理サービスも増えていますので、最近のツールもうまく活用して、素敵なデザイナーライフを送って下さいね。