Sansan

イベントレポート

Sansan Innovation LIVE
【Sansan ✕ KYCコンサルティング ✕ 公認会計士】
オンライン化の加速で激変するリスクマネジメントの在り方とは

イベントレポート

2021年2月8日、リスクマネジメントをテーマにしたオンラインセミナー「Sansan Innovation LIVE」が開催されました。コロナ禍を引き金に、リモートワーク、オンライン商談へのシフトが加速する中、サイバー犯罪に対するセキュリティやリスクマネジメントなど新たな問題が露見してきました。

今回はリスクマネジメントの専門家をお招きし、オンライン環境下におけるコンプライアンス分野の新たな潮流や、リスク判断をする際の具体的な判断基準、作業を自動化するソリューションなどを紹介します。
オンライン化で変化する!リスクマネジメントの潮流
公認会計士・公認不正検査士 株式会社SSC 取締役 株式会社グリーンクロス 監査等委員 首藤 英樹氏
テレワークの常態化で新たな犯罪リスクが顕在化している

昨今のコロナ禍により時間と空間のパラダイムシフトが発生し、オンラインによるテレワークが常態化。サイバー犯罪やデータセキュリティへの対応がより一層重要になります。首藤氏は「コロナ禍という未曾有の危機につけこもうとする反社会的勢力の動きが活発化し、合法的な経済領域にまで活動範囲を広げています。平時よりも反社会的勢力への関与リスクが高まっているという意識を持つことが大切です」と強調しました。

一方で、多くの企業が厳しい経営環境下にあり、コンプライアンス遵守よりも収益目標達成が優先される傾向にあると指摘。しかし、いったんコンプライアンス違反が発生すれば、企業価値が大きく毀損されてしまいます。リスク・スクリーニングの意識と仕組みづくりを行うことは、企業価値の維持・向上のために不可欠であると語ります。
解決策として首藤氏は、自社の事業・業界の特性を踏まえてリスクを効率的・効果的に洗い出す「リスク・スクリーニング・フレーム」の活用を提言。さらにリスク管理体制についても、重要リスクを明確化し、属人的な判断ではなく統一的な測定基準によってリスク値を明確化することの重要性を語りました。
最後に首藤氏は「リスクを有効かつスピーディーに識別するリソースの整備こそが、収益目標達成とコンプライアンス遵守という2つの目標を達成する鍵となります」と締めくくりました。
コンサル会社のノウハウ大公開!間違いのないリスク判断基準
KYCコンサルティング株式会社 代表取締役 飛内 尚正氏
スピード感をもってオンラインビジネスの「闇」に対抗する

飛内氏はまず、コンプライアンスに関する国内と海外の潮流を解説。企業のコンプライアンスチェックのポイントを3点挙げ、コンプライアンスチェックを行うことは健全性を志向する企業のマストフローであると語りました。

1.政府・自治体からの要請への対応(法律違反、行政指導)
2.企業防衛(取引停止、良からぬ風評、ブランド価値の低下などを防止)
3.投資者保護(市場からの低評価と株価低迷の防止)

次に、新型コロナウイルスで加速するオンラインビジネスのリスクを指摘。非対面のビジネスへとシフトする中で、水面下に潜ったリスクパーソン、リスクカンパニーがより不鮮明になるとともに、現在の混乱した経済状態や過渡期こそが反社会的勢力にとっての好機であると警鐘を鳴らします。

さらに、オンラインツールの急速な普及、不慣れな環境や増加する商談などによってスキが生じやすくなり、ビジネスプロセスの不透明化やナレッジ共有の難しさが生じていると話します。
「デジタルトランスフォーメーション(DX)やリモートワークなど就業環境の激変によるビジネスの加速はオンラインビジネスの『光』ですが、それをサポートする体制やツールが追いついていない状況は『影』と言えるでしょう」

この「影」の部分に対応するには、スピード感のあるリスク判断とツールの活用が必要となります。これまで、特定のチームや担当者が専業で行っており属人化していたリスクマネジメントやコンプライアンスチェックを組織で行うものに変え、何かあった時、組織として対応できる仕組みづくりが求められます。その際に必要なことは、判断する体制を定めることが重要だと話します。
飛内氏は「ポイントはビジネスのスピード感を止めないこと。また、現在の社会変化を好機ととらえ、この問題について先行している企業の事例を参考にして自社流に組み立てることが有効です」と語りました。
名刺をスキャンするだけで、反社チェックを自動化 
Sansanを用いた反社チェックの具体的実践例
Sansan株式会社 Sansan事業部 Sansan Plus推進部 ISVアライアンスグループ シニアマネージャー 西村 仁
コンプライアンス体制強化、反社チェック業務の効率化が実現

最後にSansan株式会社の西村が登壇し、「反社チェックオプション powered by Refinitiv」(以下、反社チェックオプション)について説明しました。

Sansanの「反社チェックオプション」は、名刺をスキャンするだけで、取引リスクのある企業を自動スクリーニング。取り込まれた名刺データをトリガーに世界中の反社会的勢力等の情報を日々監視するRefinitivのデータベースを検索することで、反社会的勢力との関わりを検知し、企業のコンプライアンス強化を実現します。
「反社チェックオプションは現在約700社にご利用いただいており、組織のコンプライアンス体制強化、早期のリスク検知による営業チャンスの最大化、反社チェック業務の効率化などに貢献しています」

「反社チェックオプション」を利用する企業のコンプライアンスの担当者には、反社チェックの結果が通知され、要評価となった取引先のリスト表示、要評価の理由を確認することができます。最終的に担当者は「取引不可」か「取引可能」かの判断を下し、その理由を記載。取引不可になった場合は社内のユーザーに通知され、反社チェック結果(評価)情報は評価済みリストとして蓄積されます。

さらに、「評価済み一覧」に記載された企業情報をエキスポートしてCSVファイルなどで共有できる機能、反社チェックした名刺の情報を定期的にモニタリングする機能、法人格だけでなく代表者個人のスクリーニングを行う追加機能も備えています。
「反社チェックオプションで最も評価いただいているのは、Sansanの正確かつ最新のデータ基盤を活用することで、実際にその会社と接点のある社内の人物にヒアリングできる点です。そうすることで判断の確実性をより高めることができます。従来のコンプライアンスチェックのフローに組み込み、ぜひ組織のコンプライアンス体制強化にご活用ください」と西村は締めくくりました。
質疑応答
Q. コロナ禍でのリスクマネジメントの課題は組織マネジメントだと考えます。これからのマネジメントはどうあるべきとお考えでしょうか?

A.(首藤氏)ニューノーマルの時代のマネジメントは、従業員の「自主性」や「自発性」ではなく、管理者の積極的かつ細やかなマネジメントが必要と考えます。

私が関与している会社でも、テレワークによって従業員の生活習慣の乱れが見られるケースがありました。人間は大きな自由に耐えられないことを認識しなければ、生産性はさらに下がり、最悪の場合は自己崩壊を助長する恐れがあります。

また、人間は組織社会性の生き物であり「孤独」を一番恐れていることも認識しなければ、甘言に乗ってしまい、個人や企業が危機的な状況に陥ってしまう恐れもあります。

具体的には、個人と集団での面談・ミーティングを開催し、現状や予定を頻繁に共有すること。その際、管理者側はナラティブの思考をもって部下と徹底的に向き合うことが求められます。「言挙げ」しないのをよしとする日本文化は素晴らしいのですが、多様な働き方に応えていくためには意識的に「言挙げ」をするマネジメントが求められていると思います。


Q. 反社チェックオプションについて、メールの署名情報や検索情報などを使ってチェックすることはできますか?

A.(西村)本サービスはSansanでの名刺スキャンをキックに、取引リスクをスクリーニングするものです。オンラインの場合はオンライン名刺を頂き、スクリーニングを行います。オンライン環境下では相手方を信用する情報が極端に少ない為、本サービスのご利用有無に関わらず、最低でもオンライン名刺は入手頂きたいです。


Q. 反社チェックオプションを契約した場合、(チェックに該当した)企業をリストとして見ることはできますか?

A.(西村)はい。Sansanでスキャン頂いた名刺の中で取引リスクが確認された場合、その企業リストとリスクの詳細情報をご確認頂けます。


Q. 反社チェックオプションが「反社会的組織」を判断する基準を教えてください。

A.(西村)「暴力団」「総会屋」「ヤクザ」などのキーワードと共に報道・公表された企業や、「マネーロンダリング」「インサイダー取引」等の高リスク犯罪に該当する企業は、取引リスクの可能性があると通知します。


Q. 反社チェックオプションについて、反市場勢力や他の法令違反の企業は検知されますか?

A.(西村)本サービスでは「経済犯罪」「組織犯罪」「企業犯罪」「サイバー犯罪」等も検知し、リスクの詳細情報を通知。ご担当者さまに取引可否をご判断頂きます。


Q. 反社チェックオプションの基準について、所得税申告漏れの指摘などは一部上場企業でもリスクがありますが、これらの企業は検知されますか?

A.(西村)はい。脱税等の企業犯罪もリスク検知致し、詳細情報をご確認頂いた上で、取引可否をご判断頂きます。


Q. 反社チェックオプションについて、貿易管理上リスクがある企業を対象とする予定はありますか?

A.(西村)現時点で「密輸」「武器密売」「通貨偽造」「人身売買」「移民の密航」「海賊行為」「テロへの資金供与」なども検知します。


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