反社チェックサービスを提供する4社が各サービスの魅力をご紹介 ~ 専門家・反社チェックサービス提供企業が語る、今取り組むべき リスクマネジメントと実践手法 ~

イベントレポート

2021年6月17日、反社リスクマネジメントについてのセミナーがオンラインで開催されました。

リモートワークの浸透により、従来の対面前提のワークスタイルに変化が起きています。

対面ではなくオンラインでのコミュニケーションが増えたことで、取引先企業や取引相手についての情報を組織的にチェックする機会が不足し、気づかないうちに反社会的勢力と関わってしまう危険性が増大しています。こうした「見えないリスク」に対し、ガバナンスの強化やリスクマネジメントの再徹底を行うことで向き合う企業が増えつつあります。

Sansanがこれまでに開催したガバナンスをテーマにしたセミナーでも、
「リモート環境下におけるガバナンスリスクとは、どのようなものか?」
「見えないリスクに対処しないと、どのようなことが起きると想定されるか?」
「リモート環境下において、どのように対処していけばいいのか?」
などの質問が寄せられています。

そこでこの様な質問や悩みに答えるため、日本コンプライアンス推進協会や反社チェックサービスを展開する各社を招き、セミナーを開催しました。

リモート環境下におけるリスクマネジメントのあり方や反社チェックサービスによる具体的な実践手法の紹介、参加者からの質問に各社がリアルタイムで回答するセッションなど、実際に役立つコンテンツを提供。

今企業が取り組むべき反社リスクマネジメントと実践
− 一般社団法人日本コンプライアンス推進協会 専務理事 塚脇吉典氏

実効性のある対策を実現するために必要なものとは?

塚脇氏は「反社会的勢力(反社)の排除はコンプライアンス・CSR対策そのものであり、企業の事業継続計画(BCP)において非常に重要です。コロナ禍によるテレワークの実施など職場環境が変化している中、組織的なチェックの必要性が高まっています」と話します。
実効性のある反社対策を実現するには、「何を、どうするか?」という個々の対応だけでなく、「いま何が、なぜ必要なのか?」という事実確認を通じて、人・組織(職場)に「守るという意識」を醸成していくことが必要だと指摘します。

反社との関わりは、行政処分、上場廃止、融資停止などの結果をもたらし、会社の存続さえ揺るがしかねません。ただ、反社を見極めるのは大変難しいため、様々な反社チェックの方法を組み合わせて自社に最適な判断をすることが大切だとアドバイスします。
反社チェックには「自社で調査する」「専門調査機関に依頼する」「行政機関に照会(相談)する」などの方法があります。反社チェックを行った結果、反社と判明した場合は、速やかに弁護士・警察に相談しましょう。
反社チェックにおける重要ポイントは、情報の収集部分はツールに任せ、判断が難しい部分は人間がチェックし、定期的にツールの調査結果を人間が精査することです。

塚脇氏はまた、お客様、会社、従業員とその家族など「守るべき大切なもの」を思い浮かべ、反社との関わりがそれらにもたらすダメージを考えることが大事だと話します。
「迷ったときは自分一人だけで悩むのではなく、すぐに上司や役員に懸念情報を報告し、相談しましょう。企業は反社リスクマネジメントをコンプライアンス事案と位置づけ、組織で積極的に取り組むことが、会社と従業員を守る上で重要です。人・組織・職場の意識変革に加え、最適のツールやソリューションを組み合わせることで、有効な反社リスクマネジメントを実現していただきたいと思います」と締めくくりました。

「反社チェックヒートマップ」は与信と反社チェックを5秒で判断
−リスクモンスター株式会社 営業本部 法人サービス営業第一部
部長 佐々木正人氏

リスクモンスターの「反社チェックヒートマップ」は、企業検索と同時に「反社チェック」「コンプライアンスチェック」「与信判断指標」をトータルに情報提供するサービスです。企業名を入れて検索するだけで与信指標と推奨与信額をチェック。「反社チェックヒートマップ」のボタンをクリックすれば、独自に収集したコンプライアンス関連情報から自動検索し、反社会的勢力関連のコンプライアンスリスクを最大から最小まで5段階で表示します。
反社ワード記事の確認や訴訟問題、行政処分など詳細情報の把握、裁判記録閲覧サービス(別料金)の利用も可能なため、反社チェックを一気通貫に進めることができ、業務効率が大幅に向上します。

「RISK EYES」で反社会的勢力チェックを簡単・スピーディーに
− ソーシャルワイヤー株式会社 クリッピング事業部 RISK EYES運営事務局
副部長 宮澤裕子氏

「RISK EYES」は新聞記事、Web記事、ブログ・掲示板投稿、制裁リストから、取引先に関して反社会的勢力の疑い、犯罪への関与、不祥事などをスクリーニングするサービスです。
一般的な反社チェックでは、複数のツールでの検索が必要で、無関係な情報が大量に出てくる、詳細検索・絞り込みが難しい、大量の検索の1件ずつの実行や証拠・履歴の保存に多大な手間(=人件費)がかかるなどの課題がありました。
「RISK EYES」は反社チェック専用ツールとして開発されたため、こうした課題を解決し、チェック概念を維持しながら手間・コストの大幅削減、精度の向上を実現しています。

「RoboRoboコンプライアンスチェック」でチェック業務が驚くほど楽になる
− オープンアソシエイツ株式会社 RaaS(Robot as a Service)事業部
ディレクター 大和田将平氏

コンプライアンスチェックの担当者100名に聞いた業務課題は「調査対象が多く、1件ずつ検索を行うのは負担が大きい」「疑わしい記事を捜すための目視チェックが大変」「証跡の保存が面倒」というものでした。
「RoboRoboコンプライアンスチェック」なら、一括登録・一括検索が可能で、AIが疑わしさを3段階で自動判定。また、証跡を1クリックで保存できるため、作業負担が大幅に軽減され、チェックにまつわる費用の増加も抑制できます。
調査結果や取引判断を一元管理できるので社内共有や定期的なチェックの手間も軽減。効果的なコンプライアンスチェックを驚くほど楽に、リーズナブルな価格で実現できます。

「反社チェックオプション」は、名刺をスキャンするだけで、取引リスクを早期検知
− Sansan株式会社 Sansan Unit Sansan Plusグループ 酒井 悠作

クラウド名刺管理サービス「Sansan」の「反社チェックオプション」は名刺をスキャンするだけで取引リスクを早期検知し、営業部門・営業支援部門に業務負担がかからないリスクマネジメントを実現します。名刺のデータ化をトリガーに「企業」と「企業代表者」のデータを網羅するRefinitivとKYCCのデータベースを検索。ヒットした場合、コンプライアンス担当者に通知されます。
早期のリスク検知によって、契約直前での商談停止や受注日延期などを減少させるとともに、業務負担の軽減、組織のガバナンス強化に大きく貢献。Sansanの正確で最新のデータ基盤により、早い段階で組織的に判断の確実性を高めることができます。

質疑応答

参加者から寄せられた質問に、登壇者が回答しました。

Q1 : 各社のサービスの強みを教えてください。

佐々木 リスクモンスターの「反社チェックヒートマップ」の一番の強みは法人のデータベースを持っているため、与信のチェックと反社のチェックを同時にできることです。また、「反社警戒」という特定の人物データベースを持っていることも特長です。そしてヒットした情報がヒートマップ形式で表示されることで、リスクの大小を一目で確認することができます。

宮澤 ソーシャルワイヤーの「RISK EYES」は新聞記事検索、Web検索の両方ができる点が強みです。新聞記事検索では過去30年分の記事を確認できますが、情報量が膨大になるためチェックが大変です。RISK EYESでは、反社チェックに無関係な記事を省いた専用のデータベースを構築しています。

大和田 オープンアソシエイツの「RoboRoboコンプライアンスチェック」はインターネット検索がメインで、一括登録でまとめて検索することができ、証跡の保存もワンクリックで完了します。チェック業務を自動化する機能を圧倒的な低料金でご利用いただくことで、明確に工数と費用の削減が実現できることが最大の強みです。

酒井 「Sansan」の「反社チェックオプション」はユーザーが名刺をスキャンするだけで、リスク情報が通知されます。ユーザー自身で検索する必要がなく、早期でのリスク検知が可能な点が強みです。

Q2 : 株主に対する反社チェックも重要ですが、法人株主ではなく、エンジェル投資家、中でも不特定多数の個人株主を対象とした反社チェックの問題点と有効なチェックの具体例を教えてください。

佐々木 新聞・雑誌記事、Google検索の一番の問題点は、複数の同姓同名の人物が出てくるということです。しかしそこに出てきたのは事実なので、踏み込んで株主をチェックしたいという場合には、弊社が提携している個人調査を行う会社に依頼することで、本人かどうかの最終的判断を行うことをおすすめしています。

宮澤 同姓同名のケースはどうしても出てきてしまいますが、弊社が2021年夏に実装する反社会的勢力のデータベースを活用することである程度解決できると考えております。また、個人投資家の情報はできるだけ入手していただき、その方の経歴がわかるなら、在籍されていた会社やその子会社を検索するなど、可能な限り調べていただくというのが対策の一つだと思います。

大和田 記事検索では同一人物かどうかの問題は出てきますし、新聞の場合は何か事件が起きたときにしか出ないので、個人を検索する際には情報の網羅性に欠けるかと思います。同姓同名の問題は排除しきれませんが、弊社の「RoboRoboコンプライアンスチェック」なら3段階の注目度判定を自動で行うので、担当者の方に見ていただくボリュームを減らし、工数を削減できるというメリットがあります。そしてさらに個人の情報を調べたいのであれば、インターネット・新聞検索は一次チェックとして、その後に専門の調査会社などに依頼するのがいいのではないでしょうか。

Q3 : 既にSansanを導入していますが、これまでにスキャンしてデータ化した名刺データに関しても、反社チェックは可能でしょうか?

酒井 もちろん反社チェックが可能です。ただし実物の名刺がスキャンされ、すでにデータ化されているとことが前提で費用算出を行い、チェックさせていただくという流れになります。

Q4 : 他の組織と連携して反社チェックを行っておられないのでしょうか? たとえば警察との連携はいかがでしょうか?

佐々木 警察との連携を公に謳うことは各社ともできないと思います。リスクモンスターには反社と特定されている1万数千人の人物データベースがあり、そこと突合することで判断できることが強みです。最近懸念されている「半グレ」は、反社とはまた別のものですので、現在データを蓄積中です。

宮澤 警察との連携は、銀行や証券会社しかできないと思いますので、行っておりません。RISK EYESでは過去5年分の新聞の紙面を調査員が目視調査した結果をデータベースに独自で構築するという形で進めています。

大和田 オープンアソシエイツではインターネット検索をメインとしていますが、新聞記事検索については富士通子会社であるG-Search様と連携しております。現在、海外データベースとの連携を準備中です。

酒井 Sansanが連携しているアライアンスのパートナーは過去15年分まで遡ってチェックを行っています。暴力追放運動推進センターなどは過去5年分のチェックをするということですので、その約3倍の期間をカバーしていることになります。

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