- DX推進
企業の生産性向上の鍵とは?DXによるバックオフィスの効率化が必要
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さまざまな組織で導入が進む「デジタルトランスフォーメーション(DX)」。この記事では、DXの概念から、生産性の低い業務によって発生する問題、DXがバックオフィスに必要な理由などを解説します。
※本記事は2022年8月に作成されました。掲載されている内容は作成時点の情報です。
バックオフィスの効率化が企業の生産性向上にもたらす影響とは
DXの推進は、営業などのフロントオフィス部門に限らず、経理や法務、総務といったバックオフィス部門の重要性がとても高いです。
バックオフィス業務はその性質上、契約書類の確認や請求書送付など企業活動を行う上で重要な役割を担っていますが、反面、売り上げに直接寄与することがないため、どうしてもデジタル化・DX化の投資は後回しにされがちです。しかし、バックオフィスの業務がDX化され、効率的になることで、企業全体の生産性向上につながることもあります。
なぜならば、バックオフィス業務は仕事をしていくことで必ず必要になる業務であり、それを効率化することで、フロントオフィス業務などより付加価値の高い業務に集中することができるようになる他、取引先からの信頼強化にもつながるからです。ないがしろにされがちなバックオフィス業務ですが、DX化することで企業全体にメリットをもたらします。
DXとは
経済産業省の「DX 推進ガイドライン」によると、デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズをもとに、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義されています。IT化と大きく異なる点は、局所的に業務効率化するだけでなく、業務フローやビジネスモデルそのものを変革し、競争優位性を確保することにあります。
経済産業省は、「DXレポート ~ITシステム『2025年の崖』克服とDXの本格的な展開~」で「2025年の崖」という仮説を提唱。2025年はIT中核人材の引退、レガシーシステムのサポート終了などが重なるといわれています。この時期までにDX推進がされなければ、最大で12兆円の経済損失が生じると予測しています。
2019年にSansanが実施した調査では、「DXに取り組み中」と回答した企業は58%、「将来的に取り組む予定」と回答した企業は20%と、DXに対しおおむね前向きな企業が多いことが分かっています。また、企業規模で見ると、「DXに取り組み中」と回答した割合は大企業で70%、中小企業で51%と、大手企業が20%多い結果となりました。
バックオフィス業務の生産性を下げる要因
バックオフィス業務では、契約書や請求書、名刺など、企業にとって重要なさまざまな情報が集まる場所です。しかし、DX推進は後回しになりがちで、効率的な業務を行えていない状態の企業が多いのが現状です。そのため、バックオフィスに従事する従業員に対し、大きな負荷をかけてしまっています。例えば、以下のような業務に時間を取られ、生産性が低下していないでしょうか。
例1:アナログな業務
内容の確認
契約書は重要書類であるため、デジタル管理に抵抗を持つ企業も多く、紙での管理で運用している事例も多くみられます。営業部門で商談が進み、過去の取引内容の確認が必要になった場合などに、契約書を管理している部門に問い合わせが集中してしまいます。
また、紙でファイリングされているため、探すのに多大な時間を要します。
代表電話の取り次ぎ
会社宛にかかってきた電話を取り次ぐ際に、担当者を内線表や名簿から探さなければなりません。また、知らない社員の場合、伝言を残すことも難しい場合があります。
例2:デジタル化によって発生した業務
デジタル化をすれば、生産性向上につながるかといえば必ずしもそうとは限りません。
Excelで作成したリストのクレンジング作業
紙での管理を廃止し、Excelを使って管理を行っても、例えば部署ごとにデータ管理を行っている場合、データに重複や表記揺れが発生し、適切なデータ管理・活用が難しくなります。結果として、バックオフィスのデータのクレンジング作業が膨大になってしまい、本業務を圧迫してしまうこともあります。
PDF化された請求書の確認
紙の請求書をPDF化しても、発行元企業名や金額、支払日などの記載が誤っていないかの確認作業の手間は変わらないため、担当者の負担は軽減しません。
以上のように、バックオフィス業務の生産性を下げている要因となっているのは、旧態依然としたアナログな管理体制や、中途半端なデジタル化によってもたらされた業務などが考えられます。こうした作業負荷を改善しないままに放置すると、さらに大きな弊害が発生してしまうことにつながりかねません。
非効率な業務による弊害
このような、バックオフィス部門でデジタル化されていない、あるいは、デジタル化されていても負担が大きい業務をそのまま放置すると、以下、二つの弊害が生じます。
業務負担が増える
特に規模が小さい中小・ベンチャー企業では、バックオフィス部門に必要な人員を割けず、兼任しているケースも多くみられます。アナログ業務や、非効率なデジタル業務を放置したままにすると、バックオフィス部門が本来すべき業務に時間を投下できなくなることも。従業員の離職率も上がり、慢性的に人手不足のバックオフィス部門がさらに手薄になるといった負のスパイラルに陥ってしまいます。
属人的になる
慢性的な人材不足という背景もあることから、業務が担当者任せになるケースも多くあります。万が一、担当者が退職してしまうと、構造はブラックボックス化し、いわゆる”パンドラの箱状態”になってしまいます。このような問題を放置しておけば、いずれ大きなトラブルに発展してしまうでしょう。また、この状態が長く続くと、業務改善を行うハードルがどんどん高くなっていくことが予想されます。
生産性向上を実現するためにはITツールの導入が鍵
上記のような事態を防ぐためにも、業務をデジタル化し、DXを進めていくことが鍵となります。DXという言葉だけ聞くと難しそうですが、まずは、日常業務の生産性を向上させるためのITツールシステムの導入からはじめましょう。
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ライター
営業DX Handbook 編集部