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新規顧客開拓とは?効果的なアプローチの手法や成功のポイントを解説
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営業活動は、自社がこれまでに取引をしたことがない顧客に対して行う新規顧客開拓と、既存顧客への営業に大きく分かれます。
従来、新規顧客開拓は、テレアポや飛び込み営業といった手法が主流でした。しかし、消費者の購買行動が多様化し、思うように成果が上がっていないとお悩みの営業担当の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、新規顧客開拓の効果的なアプローチ方法や成功のポイントを解説します。近年、広がりを見せているインバウンド型(プル型)のアプローチ方法についても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
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新規顧客開拓とは
新規顧客開拓とは、自社がこれまでに取引をしたことがない顧客に対して行う営業活動を意味します。相手が自社を認知していない状況から認知を獲得し、アプローチする流れです。認知はされているものの、過去に取引をしたことがないケースもあります。
既存顧客への営業とは異なり、信頼関係を築くところから始めるため、営業活動のなかでも難しい領域といえます。
新規顧客開拓の必要性
「1:5の法則」にもあるように、新規顧客への販売コストは既存顧客の5倍ともいわれています。新規顧客開拓は、既存顧客へのアプローチに比べてコストがかかり、難易度も高い方法です。
既存顧客に対してフォローを行い、アップセル、クロスセルしていくことも大事ですが、それと同時に新規顧客を開拓し、顧客全体の数を増やしていかなければ、事業は発展しません。
近年、顧客の情報収集や購買行動が多様化しているため、これまで接点がなかったターゲット層にアプローチすることで、新たな販路を獲得できる可能性もあります。
新規顧客開拓のアプローチ方法
新規顧客開拓のアプローチ方法は、大きく分けて「インバウンド」の手法と「アウトバウンド」の手法の2種類があります。それぞれのやり方を詳しく見ていきましょう。
インバウンド型の代表的な手法
「インバウンド型」とは、自社の商品・サービスに関する情報を発信し、顧客からの問い合わせや関心に基づいて対応する手法のことです。「プル型」とも呼ばれます。
インバウンド型の新規顧客開拓の手法には、次のようなものがあります。
セミナー・ウェビナー
セミナーやウェビナーの開催は、認知拡大に効果的です。ウェビナーならWeb上で開催できるため、会場費用がかからずコストを抑えて実施できます。
有料で開催する方法と無料で開催する方法がありますが、無料で開催したほうが参加者を幅広く募ることができるでしょう。一方で有料の場合、より関心度の高い参加者が集まりやすい、ウェビナー開催自体が収益源となる、といったメリットがあります。
展示会
展示会は、自社で扱う製品を展示し、情報交換などを行う場です。興味を持ったブースがあれば担当者に声をかけて話を聞いたり、名刺交換をしたりします。
その場でビジネスにつなげることも大切ですが、幅広く人脈を広げることで、いざ自社の商品やサービスが必要になったタイミングで問い合わせに至ることもあります。
また、展示会で知り合った人の紹介によってリードが増える可能性もあるでしょう。
プレスリリース配信
プレスリリースは、新規事業やサービスの発足時に行う情報発信を指します。プレスリリースを配信することで関係者の目に留まり、自社の商品やサービスに興味を持ってもらうきっかけとなります。
オウンドメディア運用
オウンドメディアとは、企業が運営する情報発信を目的としたWebサイトのことです。オウンドメディアでコンテンツを発信・更新することで、潜在顧客と自社の接点を作ります。
情報発信と同時に、営業資料のダウンロードやメールマガジンへの登録などを促すことで、リード獲得につなげます。
Web広告
Web広告も、新規顧客開拓の手法として有効です。広告の種類が分かれているため、目的に応じて使い分けましょう。
- リスティング広告:検索エンジンの検索結果画面に表示される広告
- ディスプレイ広告:Webサイトの広告枠に表示される広告
- SNS広告:SNS上に表示される広告
- 動画広告:文字ベースではなく動画で表示される広告
アウトバウンド型の代表的な手法
「アウトバウンド型」とは、企業側が積極的に顧客へアプローチする手法のことです。「プッシュ型」とも呼ばれます。
ここでは、アウトバウンド型の代表的な手法を紹介します。
訪問営業
従来、主流となっていた営業方法で、いわゆる「訪問営業(飛び込み営業)」です。訪問する企業をリストアップし、用意したトークスクリプトに沿って営業を行います。
一般的な方法ではありますが、移動時間がかかるうえに、話を聞いてもらえる保証はありません。工数に対して成果が見込みづらいことが、訪問営業の大きなデメリットといえます。
テレアポ
テレアポは、見込みがある企業をリストアップし、電話で営業する方法です。訪問営業と比較して時間を短縮できる点がメリットで、近年は営業代行やコールセンターへ委託するケースも増えています。
しかし、即座に断られたり、一方的に電話を切られてしまったりと、必ずしも効率の良い方法とはいえません。
メール営業
メール営業は、企業のWebサイトに設定されている問い合わせフォームや、SNSのダイレクトメッセージなどから直接メールを送ってアプローチする方法です。
訪問や電話よりも、さらに時間を短縮できるのがメリットで、複数の企業に対して一斉に営業をかけることが可能です。しかし、メールが開封されないことも多く、反響が予測しづらいのがデメリットになります。
新規顧客開拓を行う際のプロセス
ここでは、新規顧客開拓を行う際のプロセスを、インバウンド型とアウトバウンド型に分けて解説します。ファーストコンタクト以降の流れも確認しておきましょう。
インバウンド型のプロセス
インバウンド型の新規顧客開拓は、次の手順で進めます。
- 目的の明確化・ターゲット選定
- 手法の選択・情報発信
まずは目的やターゲットを明確にしましょう。そのうえで、最適な手法を選択することが重要です。
インバウンド型の場合、アウトバウンド型とは異なり、自社から直接的なアプローチは行いません。オウンドメディアやSNS、動画プラットフォームなどを利用して幅広く情報発信を行い、見込み客からの問い合わせを待ちます。
アウトバウンド型のプロセス
アウトバウンド型の新規顧客開拓は、次の手順で進めます。
- 目的の明確化・ターゲット選定
- 顧客のリストアップ
- アプローチ
まずは、目的を明確化し、商品・サービスを売り込みたいターゲット層を決めます。このプロセスはインバウンド型と同様で、ターゲット層によって適切な手法が変わってきます。
目的とターゲット層が決まったら、顧客をリストアップしましょう。そこからスコアリングなどを通して、実際に営業をかける顧客を選定するのがポイントです。
リストアップした顧客に対して、提案資料を基に、電話やメールなど各手法を用いてアプローチします。
ファーストコンタクト以降の流れ
ファーストコンタクト後、次のフェーズに移るまでの流れを見ていきましょう。
- 課題をヒアリング
- 提案
- フォロー
まずは、ユーザーの抱える悩みをヒアリングします。その際に、ヒアリングシートを活用することで、漏れがなくなり精度が高まります。担当者によって質のバラつきが起こることも防げるでしょう。
具体的な課題が見えてきたら、その課題を解決するための方法を提案します。ただし、BtoBの場合は受注金額が大きく、決裁者が他に存在するケースが多いため、即決になることは少ない点に注意が必要です。
相手と信頼関係を構築しながら、必要に応じて定期的なフォローアップを行うことで、受注につながりやすくなります。
新規顧客開拓を成功させるポイント
ここでは、新規顧客開拓を成功させるポイントを解説します。ポイントを押さえながら改善を続けることで自社に合った手法が確立でき、安定的な新規顧客の獲得が見込めるでしょう。
ターゲットを明確にしてリストを作成する
新規顧客開拓には、アプローチの対象となるターゲット層が必要です。自社や競合他社の状況、市場分析などを基にターゲットを明確にしたうえで、ペルソナを設計しましょう。
既存顧客の分析も、ターゲット設定のヒントになります。自社の商品やサービスを利用している顧客が、どういった経緯で購入に至ったのかを読み解くことで、ターゲット層のニーズが見えてきます。
ターゲット層を明確にしたら営業リストを作成します。営業リストは、ターゲットとなる営業先を一覧でまとめたものです。詳細はこちらの記事を参考にしてください。
また、Sansanのシステムでも、営業リストの作成が可能です。100万件を超えるデータベースからの企業リストアップや、条件ごとに受注しやすい企業を絞り込む機能なども搭載しているので、新規顧客開拓の営業リスト作成でぜひご活用ください。
企業の事前調査を徹底的に行う
ヒアリングをする際には、顧客となる企業がどのような悩みを抱えているのかを理解しておく必要があります。
的外れな提案をしてしまうと、時間が無駄になるだけでなく、信頼を失うことにもなりかねません。的確な提案を行うために、事前調査は徹底的に行いましょう。
また、経営方針や設立年など、公式サイトを見ればすぐにわかるような情報は、しっかりと覚えたうえで商談に臨むことも大切です。
インバウンド・アウトバウンドを組み合わせる
インバウンド型とアウトバウンド型の手法は、それぞれにメリットがあるため、どちらか片方ではなく両方を効果的に取り入れるのもポイントです。
インバウンド型の手法は、幅広いターゲットへのアプローチが可能になる一方で、顧客からのアクションを期待する「待ちの営業」になります。そのため、どちらかというと中長期的な施策といえます。
短期的な成果を求める場合はアウトバウンド型の手法を取り入れ、平行してインバウンド型の手法にも取り組むことで、どちらのメリットも活かすことが可能です。
インテントデータを活用する
インテント(intent = 意図)データとは、Webサイト上でユーザーがとった行動を基に分析した、自社の商品やサービスへの購買意欲を表すデータのことです。行動分析のデータとして、マーケティング活動の精度を向上させるために使用します。
インテントデータには、自社で取得したデータと、ベンダーが各サイトから収集したデータがあり、他社の情報も活用しながら新規顧客開拓が行えるのがメリットです。
すでに自社の商品やサービスへ興味・関心を持っている可能性が高いユーザーへアプローチすることになるため、企業と顧客の双方にとってストレスが低減できる手法といえます。
定期的に再アプローチを行う
BtoBの商談において、初回のアプローチの際にすぐに断られてしまい、商談に至らないことは珍しくありません。しかし、「アプローチしたタイミングでは需要がなかっただけ」という可能性も考えられます。
成約や商談につなげるためには、自社の商品・サービスを知ってもらうことから始めて、購買段階まで育成していく必要があります。
相手の状況に合ったアプローチを定期的に行うことで、商談の機会を設けてもらえることもあるでしょう。一度断られたからといって、可能性がゼロになったわけではないと覚えておくだけでも、営業のチャンスが広がります。
ツールを活用する
営業の効率化には、SFA(営業支援システム)やMA(マーケティングオートメーション)などのツールの活用も有効です。
属人化しがちな営業活動に関する情報を、SFAで管理することで、マネジメントの効率化や、部署内のメンバー間による適切なフォローなどにつながります。また、MAを組み合わせれば、メールの送信やキャンペーンの告知といった業務の自動化が可能になります。
Sansanは、受注確度の高い営業リストの作成から、顧客へのアプローチまでを一貫して行える「新規顧客開拓ソリューション」を提供しています。
事業の継続的な成長をサポートするためのツールとして、ぜひ導入をご検討ください。
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まとめ
昨今は、インターネットの普及により、消費者が自ら必要な情報を取得できるようになりました。消費者の購買行動が大きく変化したため、テレアポや飛び込み営業をやみくもに続けていても、思うような成果を出すのは難しい状況になったといえるでしょう。
パフォーマンスを最大化するためには、最新のデジタル技術を活かした手法も取り入れていくことが大切です。
Sansanは、名刺管理にとどまらない、営業のDXソリューションを提供しています。受注確度の高い営業リストの作成から顧客へのアプローチまでを、一気通貫で実現可能です。
新規顧客開拓や営業活動の効率化にお悩みの方は、まずSansanでどのようなことができるのかチェックしてみてください。
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ライター
営業DX Handbook 編集部