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名刺管理の目的や課題とは?アナログ・デジタルでの管理方法を紹介
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名刺から得られる顧客情報は、企業の営業活動において重要な意味を持ちます。全社で名刺情報を共有、管理できれば、顧客情報をスピーディーに確認でき、適切なアプローチが可能となります。名刺管理を適切に行うことで初めて、企業の「資産」となるといえるでしょう。
この記事では、名刺管理の目的や管理が不十分である場合のリスク、名刺管理における課題を解説します。また、デジタルやアナログでの管理方法もご紹介するので、名刺管理にお悩みの方はぜひご活用ください。
名刺管理の目的
名刺管理における最大の目的は、名刺から得られる顧客情報を営業活動に活用することです。
例えば、顧客情報を基にイベントや展示会などを知らせるメール配信や電話でのアプローチができるようになります。名刺から得られる顧客情報から、商品やサービスを利用する可能性が高い顧客を選別して優先してアプローチすることも可能です。
名刺を管理しておけば社内全体で顧客情報や進ちょく状況を共有しやすくなるため、ほかの営業担当者との重複したアプローチを避けられます。また、同一の顧客にアプローチした実績がある場合に当時の担当から情報共有を得たり、担当者の移動や変更があった場合に人脈や顧客との関係性が途絶えることを回避できるなど、営業活動の効率化を図ることも名刺管理の目的といえるでしょう。
名刺管理が不十分であることのリスク
企業が名刺管理を十分に行えていないために生じるリスクは、主に次の3つです。
- 必要な顧客情報をすぐに見つけられない
- 社内に情報が共有されない
- 情報漏えいの危険が高まる
必要な顧客情報をすぐに見つけられない
名刺管理が不十分な状態では、営業活動に必要な顧客情報をすぐに見つけられません。例えば、ファイルや机などアナログで管理している場合、名刺の数が増えるほど必要な情報を見つけるまでに時間がかかってしまうでしょう。
また、枚数が増えると個人では管理しきれなくなり、自分がどの企業の名刺を持っているのか、すでに担当者の名刺を持っているのかがわからず、結果的に名刺が増えてしまうリスクもあります。
エクセルや名刺管理ツールを導入して顧客情報をデータ化すれば、検索機能によってスピーディーに必要な情報を確認できるでしょう。
社内に情報が共有されない
名刺管理が行われていない場合には、社内での情報共有が進まないリスクが生じます。
紙ベースで名刺を個人管理していると、ほかの営業担当者に情報共有がされず、見込み顧客へ適切なアプローチができなくなってしまいます。その結果、成約につながるチャンスを逃してしまう可能性もあるでしょう。
名刺管理を適切に行うためには、ファイルや机の引き出しなどで管理するだけでなく、掲載情報をデータ化して社内で共有できる仕組み作りが必要です。社内での情報共有が進めば顧客に最適なタイミングでアプローチできるため、営業活動の成果も現れやすくなるでしょう。
情報漏えいの危険が高まる
情報漏えいの危険が高まることは企業にとって大きなリスクとなりえます。
営業担当者が個人で名刺管理を行っている場合、特に注意したいのがデスクの上に名刺を置いたままにしてしまうなどの油断です。名刺交換後にかばんにしまったままにするケースでは、社内での情報共有が遅れたり名刺を紛失したりする可能性もあるでしょう。
近年、個人情報の保護が叫ばれ、企業のセキュリティー体制が重要視されています。管理の甘さから情報漏えいが生じてしまった場合、企業は顧客からの信頼を失うだけでなく経営にも大きな影響を及ぼしかねません。名刺に掲載されている氏名や電話番号は、保護すべき重要な個人情報であることを意識したうえでの適切な管理が求められます。
名刺管理における課題
他者と接する機会の多いビジネスパーソンほど、名刺をもらう機会は多くなりがちです。名刺の枚数が多くなるほど、名刺管理の手間がかかってしまいます。相手からもらった名刺の整理をあと回しにすると枚数はさらに増え、より管理が困難になるでしょう。
多忙な業務に追われる日常において、名刺管理に十分な時間を費やせないケースは少なくありません。名刺管理ができていない結果、名刺から得られる顧客情報を有効に活用できないなど、二次的な損失も生じます。効率的な営業活動が求められる現場においては、より適切な名刺管理を行う必要があるといえるでしょう。
名刺管理の方法
名刺管理の方法には、デジタルにより個人情報をデータ化する方法と、名刺ホルダーや管理ボックスなどアナログによる方法があります。
ここからは、デジタルとアナログの具体的な名刺管理方法をご紹介します。
デジタルでの方法
名刺管理をデジタルで行う方法は、主に次の3種類です。
- エクセルへのデータ入力
- デジタルツールによるデータ化
- 名刺管理ソフトの活用
エクセルへのデータ入力
一般的で取り組みやすいのがエクセルへのデータ入力です。多くの企業ではエクセルやスプレッドシートを日常業務で利用しているため、導入しやすい方法です。
エクセルに名刺にかかれた会社名や役職、氏名や連絡先を入力し、データベースを作成します。エクセルでは検索機能やエクスポート機能が搭載されているので、入力した情報を迅速に探し出し共有することが可能です。
また、エクセルはカスタマイズ性に優れているため、自分が把握しやすいように整理できる点もポイントです。
デジタルツールによるデータ化
デジタルツールを用いても名刺情報のデータ化が行えます。
例えば、次のようなデジタルツールが代表的です。
- OneNote:Microsoft社の提供するデジタルツールで、名刺などの連絡先情報やメモなどあらゆる情報をデジタル化して記録できる
- Evernote:文書や音声、動画などをクリップでき、さまざまな媒体からアクセスできるデジタルツールです。スマートフォンカメラやスキャナーを使い、OCRによりデータ化できるので管理をスムーズに行えます。
- Google Keep:Googleの提供するデジタルツールで、メモの作成、編集、管理を行えます。
名刺情報をデータ化できれば社内の情報共有も円滑に進むでしょう。ただし、デジタルツールは名刺管理の専門ツールではありません。個人情報を適切に取り扱うためにも、ツールの運用ルールや管理体制を十分に検討しましょう。
名刺管理ソフトの活用
名刺管理ソフトは、名刺を読み込ませることで情報を自動的に一元管理できるツールです。
名刺管理ソフトをアプリと連動させれば外出先からも情報を確認できます。社内での情報管理も円滑に行えるでしょう。名刺管理ソフトは管理専用のツールです。読み込み機能や情報のアップデートなどさまざまな周辺機能を活用すれば登録作業を効率化でき、営業活動に役立てられるでしょう。
アナログでの方法
従来のようにアナログで名刺管理を行う方法は、次の3種類です。
- 名刺ホルダーでの管理
- 名刺ボックスでの管理
- アシスタントへの管理依頼
名刺ホルダーでの管理
名刺ホルダーを使えば名刺を差し込むだけで簡易的な整理を素早く行えます。名刺ホルダーには回転式やファイル式、バインダー式などさまざまな種類があるので、自分が使いやすい形式を選ぶと良いでしょう。
名刺ホルダーによる名刺管理は容易に行える反面、物理的に扱いづらい側面もあります。名刺の枚数が多くなってきた場合には、ホルダーの収納数だけでは管理しきれなくなるケースもあるので留意しましょう。
名刺ボックスでの管理
名刺ボックスを利用すると、大量の名刺をひとまとめに管理できます。インデックスによる仕切りを設けられるので、五十音順や企業、業種別、時系列別などカテゴリに分けた管理が可能です。ルールに従い管理しておけば、必要なタイミングで迅速に名刺を取り出せます。
ただし、名刺の枚数が増えた場合にカテゴリ分けを細かくしすぎると整理の負担が大きくなります。保存にはスペースが必要で、持ち運びが不便な点にも留意しましょう。
アシスタントへの管理依頼
役職者や特定の役割を担う人には秘書やサポートメンバー、アシスタントが付くので、名刺管理を任せることも可能です。自分で名刺を管理しないため、名刺管理に時間を割くことなく業務に集中できます。
ただし、会社として名刺管理を行う体制が整っていない場合には、ほかの担当者への情報共有がされないなどの課題が残ります。
名刺管理ソフト活用のメリット
ここまでご紹介したように名刺管理にはさまざまな方法がありますが、適切に管理するためには、名刺管理ソフトの活用がおすすめです。
ここからは、名刺管理ソフトを導入するメリットと各種ソフトの比較ポイントを解説します。
名刺管理ソフトを導入するメリット
名刺管理ソフトを導入すれば次のメリットが期待できます。
- 名刺の管理や整理を効率的に行え、部門や拠点を横断して全社で顧客情報を一元管理できる
- 検索機能を活用できるので、必要な情報に素早くアクセスできる
- 最新かつ正確な顧客情報をデータ化できる
- 名刺管理ソフトによっては、営業活動に活用できる情報(名刺情報以外の企業情報や担当者情報)を付与してくれる
- オフィスの場所を取らない
- 外出先からでも簡単に顧客情報にアクセスできる
名刺管理ソフトの導入により、名刺の読み込みによるデータ登録や検索を迅速に行えるため管理を効率化できます。余った時間を顧客対応に費やせば、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。
名刺管理ソフトの比較ポイント
名刺管理ソフトを比較する際は、次のポイントを意識しましょう。
- 情報の登録はスムーズに行えるか
- スキャンによるデータ化の精度は高いか
- 社内での情報共有を円滑に行えるか
- 複数端末・メディアに対応可能か
- 妥当な料金設定か
- 社内ツールに連携可能か
ほとんどの名刺管理ソフトにはOCR機能が備わっており、スキャナーやスマートフォンアプリからスキャンされたデータは自動でテキスト化され登録されます。精度が低い場合には修正が必要になるので気をつけましょう。取り込む際の操作性など登録のしやすさも比較しておくと良いでしょう。また、SFAなど導入済みのツールがある場合は、連携可能かどうかもあわせて確認しておきましょう。
まとめ
名刺管理を適切に実施できれば、営業活動に良い影響をもたらします。新たに名刺管理をするなら効率的に登録・整理ができる名刺管理ソフトの導入がおすすめです。
Sansanは、専用のスキャナーとスマートフォンアプリで簡単に名刺をスキャンでき、99.9%の精度で素早く正確にデータ化します。全社員の名刺をデータ化すれば、幅広くアプローチ先を掘り起こせます。また、顧客の人事異動情報や企業の最新ニュースが配信されるので、適切なタイミングでアプローチすることも可能です。
さらに、100万件を超える企業情報や20万件の役職者情報など、企業に関するさまざまな情報をあらかじめ搭載しており、メールの署名やWebフォームの入力内容など名刺以外の接点情報も一元管理できます。これらの情報を組み合わせて活用すればこれまでにない営業活動が展開できるでしょう。
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ライター
営業DX Handbook 編集部