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CPAとは?計算方法と目標の設定方法・7つの改善ステップを解説
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CPA(顧客獲得単価)は、広告運用における費用対効果を測定する重要な指標です。本記事では、CPAの基本的な意味や計算方法、関連指標との違いや目標値の設定方法などを解説します。また、CPAを改善するための具体的な7つのステップも紹介するので、広告の費用対効果を最大化したい方はぜひ参考にしてください。
マーケティングでの活用メリットをご紹介
CPA(顧客獲得単価)とはリテール営業とは

CPA(Cost Per AcquisitionまたはCost Per Action)は、広告運用の費用対効果を測るための指標です。
1件の成果(コンバージョン)を獲得するためにかかった広告費用を示し、広告戦略の評価や改善に役立ちます。
一般的な成果地点としては、商品購入や資料請求、会員登録などが挙げられます。企業やキャンペーンによって成果の定義は異なりますが、CPAが低いほど効率的に成果を上げられていると判断できます。
CPAを適切に管理することで、無駄な広告費を削減し、より多くの成果を生み出す運用が可能になります。
CPAの重要性
CPA(顧客獲得単価)は、広告戦略の費用対効果を評価する重要な指標です。
「広告費をどのくらい効率的に活用できているか」を測る基準となり、広告運用の最適化に欠かせません。
特に、限られた予算内で成果を最大化するためにはCPAの管理が不可欠です。CPAを適切に分析すれば、広告の内容やターゲティングの精度を高め、無駄なコストを削減できます。
さらに、ROAS(広告費用対効果)やLTV(顧客生涯価値)と組み合わせることで、短期的な成果ではなく、長期的な収益性も評価できます。
また、業界や媒体ごとのCPA相場を分析すれば、自社の運用効率が適正かどうかを客観的に判断できます。
CPAの計算方法
CPAの計算はシンプルで、以下の式で求められます。
CPA = 広告費用 ÷ コンバージョン数
例えば、広告費が50万円で100件の成果(コンバージョン)を獲得した場合、CPAは5,000円となります。
CPAを計算する際は、成果の定義を明確にすることが大切です。
主な成果地点には、以下のようなものがあります。
- 商品・サービスの購入
- 資料請求
- お問い合わせ獲得
- イベントの参加登録
- オンライン商談獲得
成果地点を明確にしておくことで、CPAの精度を高めることができます。
また、CPAが想定より高い場合は、広告費用の配分やターゲティング、クリエイティブなどを見直す必要があります。CPAを定期的に確認し、必要な改善策を実行すれば、より効果的な広告運用が可能になります。
CPAとCPO・CPR・CPCとの違い
広告を運用する際には、CPA以外にも、CPO・CPR・CPCなどの指標がよく使われます。
それぞれ測定対象や目的が異なるため、適切に使い分けることが重要です。
CPO

CPO(Cost Per Order)は日本語では「注文獲得単価」を意味し、1件の注文を獲得するためにかかった費用を示す指標です。
CPO = 広告費用 ÷ 注文数
で求められます。
例えば、広告費用が50万円で100件の注文を獲得した場合、CPOは5,000円となります。
CPOは購入行動に特化した指標であり、資料請求や会員登録など幅広い成果を含むCPAとは異なります。特にEC事業では、CPOを分析することで、購入につながる広告の効果を把握しやすくなります。
CPR

CPR(Cost Per Response)は、1件のレスポンス(見込み顧客の反応)を獲得するためにかかった費用を表す指標です。
CPR = 広告費用 ÷ レスポンス数
で求められます。
レスポンスには、資料請求、問い合わせ、無料サンプルの申し込みなどが含まれ、見込み顧客の獲得状況を把握するのに役立ちます。CPAは最終的な成果(コンバージョン)に焦点を当てるのに対し、CPRはその前段階の顧客の関心度を測る指標として活用されます。そのため、リード獲得型の広告運用で活用されるケースが多いです。
CPC

CPC(Cost Per Click)は日本語では「クリック単価」という意味で、1クリックあたりにかかった広告費用を示す指標です。
CPC = 広告費用 ÷ クリック数
で求められます。
例えば、広告費用が50万円で1万回クリックされた場合のCPCは50円です。
CPCは広告への関心度を示す指標ですが、クリック後の成果は含まれません。そのため、CPAとは異なり、ユーザーが広告をクリックするまでのコストを最適化する際に活用されます。
CPCを抑えることで、より多くのユーザーをサイトに誘導しやすくなります。
限られた予算で最大限のユーザーを集客できる可能性があるため、CPCの最適化が重要です。
CPAの目標値を設定する流れ
広告費用を最適に活用するためには、限界CPAと目標CPAを明確に設定して、運用の指標とする必要があります。
ここでは、CPAの目標値を設定する流れについて解説します。
限界CPAを決める
限界CPAとは、1件の成果を得るためにかけられる最大の広告費を指します。
この上限値を超えると赤字になってしまうため、広告の損益分岐点を判断するうえで欠かせません。
限界CPAは、以下の計算式で求められます。
限界CPA = 売上単価 - 原価 - その他経費
例えば、売上単価が10,000円、原価が6,000円、その他の経費が1,000円かかる場合、限界CPAは3,000円です。
この値を超えてしまうと利益を確保できなくなります。
限界CPAを把握しておくと、赤字を防ぎつつ適切な広告運用が実現可能です。
無計画に広告費を投じるのではなく、あらかじめ損益分岐点を確認して、適正な予算配分を行うようにしましょう。
目標CPAを設定する
目標CPAは、成果1件あたりにかける理想的な広告費です。限界CPAを基準に、確保したい利益額を差し引くことで算出できます。
以下の計算式で求められます。
目標CPA = 限界CPA - 確保したい利益額
例えば、限界CPAが3,000円で、1件の成果ごとに1,500円の利益を確保したい場合、目標CPAは1,500円となります。
限界CPAを基準に無理のない範囲で目標CPAを設定し、広告の費用対効果を最大化する取り組みが重要です。適切な目標を持つと広告戦略の精度が向上し、より安定した成果を生み出せるようになります。
広告のCPAを改善する7つのステップ

広告運用の費用対効果を高めるためには、CPAの改善が欠かせません。
ここでは、CPAを改善する具体的な7つのステップを紹介します。
1.現状分析と目標設定
CPAを最適化するための第一歩は現状分析と目標設定です。
現在の広告費やコンバージョン率を確認し、過去のデータを分析していくと改善点が明確にできます。
例えば、特定の広告が期待した成果を上げていない場合、クリエイティブやターゲティングの見直しが必要かもしれません。現状を把握したうえで、達成可能な目標CPAを設定し、具体的な数値目標に基づいて改善を進めることが大切です。
2.ターゲティングの見直し
ターゲット層が適切でないと、無駄な広告費が発生し、CPAが高騰する原因になります。
現在のターゲット設定が最適かどうかを検証し、必要に応じて調整を行いましょう。
購買意欲の低い層への広告配信を削除し、LTV(顧客生涯価値)が高い層に広告を集中させることで、より効率的にコンバージョンを獲得できます。
地域や年齢、趣味嗜好などの細かいターゲティング条件を分析・対策すれば、CPAの改善が期待できるでしょう。
3.広告費の最適化
広告費が無駄にかかっていないかを定期的に分析し、最適な費用配分を行う対策も大切です。
クリック課金型広告(CPC)を運用している場合は、入札単価の調整によって費用対効果を向上できます。
成果が出にくい広告を一時停止し、効果が高い施策に予算を集中させるなどすれば、CPAの改善につながるでしょう。広告全体の費用を最適化して、予算内の成果を最大化できるよう調整します。
4.LPの改善
広告がクリックされても、LPのコンバージョン率(CVR)が低ければ、CPAは高止まりしてしまいます。
CVRを向上させるために、LPの内容やデザインを見直す必要があるでしょう。
例えば、ヒートマップを活用してユーザーの行動を分析すれば、改善点を洗い出すのに効果的です。ファーストビューに重要な情報を分かりやすく配置したり、申し込みフォームを簡略化したりすることで、離脱率を減らしつつCVRの向上が期待できます。
5.広告クリエイティブの最適化
広告のデザインやテキストがターゲットにマッチしていないと、クリック率(CTR)が低下して、結果的にCPAが高くなってしまいます。
この問題を回避するには広告の内容を定期的に見直し、より効果的なクリエイティブを採用する対策が大切です。
異なるデザインや訴求文をA/Bテストで比較し、効果が高いものに最適化していくのもよいでしょう。クリック率を改善するために、特典やキャンペーン情報を盛り込むのも有効です。
ユーザーの反応を見ながら細かく改善できれば、広告の効果も自然に向上するでしょう。
6.広告媒体の選定・改善
広告を配信する媒体によって、CPAの数値は大きく変わります。
現在、複数の媒体で運用している場合は、それぞれの媒体のパフォーマンスを比較して、最も効果の高いものに予算を多く配分するのがおすすめです。
Google広告やYahoo!広告、SNS広告など、ターゲット層に適した媒体を選ぶことで、より効率的な広告運用が可能になります。複数の媒体を比較し、それぞれのCPAを測定すれば、費用対効果の高い媒体に重点的に投資できます。
ターゲットや目的、トレンドなどによって最適な媒体は変わるので、データをもとに客観的に判断するようにしましょう。
7.継続的なモニタリングと改善
CPAを安定的に低減させるには、継続的なモニタリングと改善が必要です。
広告の運用状況を定期的にチェックして、データをもとに施策を最適化していきましょう。
例えば、Google Analyticsや広告配信ツールを活用して広告効果を測定すれば、改善すべきポイントが明確にできます。「エンゲージメント率が悪い→タイトル変更」や「CVRが低い→ボタンの色とマイクロコピーを変更」などの改善点を抽出できるでしょう。
月次や四半期ごとに効果測定を行って、PDCAサイクルを回しながら運用を改善していくことで、CPAを抑えられるようになります。
CPA目標を正しく評価・活用するためのポイント

CPA(顧客獲得単価)は広告運用における重要な指標ですが、単純に数値を追うだけでは適切な判断ができません。
効果的に活用するためには、以下2つのポイントを押さえておきましょう。
1.短期的な成果のみで判断しすぎない
CPAは広告費の費用対効果を測るうえで欠かせない指標ですが、これだけを基準に意思決定を行うのはリスクがあります。
特に、高単価の商品を扱う場合や新規顧客の獲得フェーズでは、ある程度CPAが高くても許容されるケースがあります。
例えば、単価の高いBtoB向けサービスでは、1件の成約につながるまでに時間がかかる傾向があります。そのため、短期的なCPAだけを見て広告を停止すると、将来的な売上機会を失ってしまう可能性があります。
また、認知度向上を目的とした広告では、CPAよりもリーチ数やエンゲージメント率といった指標を優先する方が望ましいケースもあります。
広告の目的によって評価軸を変えながら、長期的な視点で広告運用を行う意識が重要です。
2.他の指標も合わせて分析する
CPAだけで広告の全体的な効果を把握するのは難しいため、他の指標と組み合わせて分析することが重要です。
例えば、ROAS(広告費用対効果)を活用すれば、売り上げとの関係を把握できます。
また、LTV(顧客生涯価値)と比較すれば、長期的な収益性を評価できるでしょう。
仮にCPAが一時的に高くてもLTVが十分に高ければ、長期的に見て広告の費用対効果は良好だと判断できます。
このように複数の指標を組み合わせることで、広告施策の具体的な改善ポイントが明確になります。
まとめ
CPA(顧客獲得単価)は、広告運用における費用対効果を測定する重要な指標です。
適切な目標値を設定して継続的に改善を行うことで、広告戦略の効率を最大化できます。
特に、ターゲティングの精度向上や、広告クリエイティブやLPの最適化はCPAの改善に効果的です。ただし、単にCPAを下げることのみを目的にするのはよくありません。LTVやROASなどの指標と組み合わせて分析する意識も忘れないようにしましょう。
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ライター
営業DX Handbook 編集部