- マーケティングノウハウ
売り上げが伸び悩んでいる今こそ、見直すべきリード管理方法
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※本記事は2021年2月に作成されました。掲載されている内容は作成時点の情報です。
新型コロナウイルスの影響で多くの企業の業績が落ち込む中、リード情報をはじめとした顧客データの適切な管理が重要性を増しています。本記事では、売り上げにつながるリード管理方法について解説していきます。
新型コロナの影響から回復するために必要な、受注確度が高いリードのパス
2020年は誰もが新型コロナウイルスに翻弄された年でした。経済が落ち込み、多くの企業の業績が悪化、今後の先行きも見えない状況が続きました。
しかし、情勢がどうあれ、経済活動を止めるわけにはいきません。ウイルスの予防対策と経済活動を両立させるため、多くの企業が対面での商談を極力取りやめて、オンライン商談に移行しました。一方で、商談をする機会のあるビジネスパーソンを対象にした調査では、オンライン商談は「対面よりも商談の質が下がる」(50.2%)、「対面よりも受注率が下がる」(17.1%)という結果が出ています。(※)
この調査からは、オンライン商談の難しさが浮き彫りになってしまいました。業績を回復する=商談を成功させるためには、コロナ禍であっても、極力、受注確度が高いリード(見込み顧客)をマーケティングから営業へパスしなければなりません。そのためには、どのようなマーケティング活動が必要なのでしょうか。
リードとは?
購入確度が高いリードの獲得方法を説明する前に、まずはリードについておさらいをしておきましょう。マーケティングや営業活動で登場する「リード(Lead)」とは、自社の製品・サービスを購買する可能性がある見込み顧客のことを指します。例を挙げると、サイト閲覧、ホワイトペーパーのダウンロード、セミナー参加、展示会来場、メルマガ登録、問い合わせ、インサイドセールスからの架電、営業担当者が訪問・商談などをした顧客が「リード」と呼ばれます。
また、失注した顧客も、広義の意味ではリードと言うことができます。失注した顧客であっても、半年後に自社製品の導入を再度検討したり、数年後に競合他社から自社に乗り換えたりするかもしれないからです。
リードの分類
マーケティング部門が生み出したリードは「MQL(Marketing Qualified Lead)」、営業部門由来のリードは「SQL(Sales Qualified Lead)」と呼ばれ、区別されることが多いです。先ほどの例でいえば、マーケティング部門が生み出したリードは以下の通りとなります。
- サイト閲覧
- ホワイトペーパーのダウンロード
- セミナー参加・展示会来場
- メルマガ登録
- 問い合わせなど
一方、営業部門のリード例は以下の通りとなります。
- インサイドセールスが架電
- 営業担当者が訪問・商談など
このように、部門によってリードの定義は異なります。
一般的に営業部門のリードの方が購買意欲が高くなる傾向があります。マーケティング部門のリードはコールドな状態をホットに引き上げる必要がある、あるいはホットな見込み顧客を振り分けてから営業部門に引き渡すからです。マーケティング部門のリードはコールドリードもいればホットリードもいますが、営業部門のリードは電話や訪問活動を行うべきホットリードが多くなります。
また、ファンの心理状況でリードを分類する「ファネル(ろうと)」という考え方もあります。分類は「Awareness(商品・サービスの認知)」、「Familiarity(商品・サービスに親しみを感じる)」、「Consideration(商品・サービスの購入を検討)」、「Purchase(商品やサービスを購入)」、「Loyalty(商品・サービスのファン)」の5種類です。
コロナ禍でも業績が良い企業は、最適なリード管理を実施
マーケティングで獲得したリードを受注確度が高い状態で営業へ渡すことが、業績回復への道の一つです。しかし、「新規リードを獲得しているものの、全然受注に繋がらない」「営業部に渡すリードが良くないのかもしれない」「営業はどんなリードが欲しいのか分からない」といったマーケティング担当者の声もよく耳にします。
リードを取っていても成果に繋がらない理由は、リードの管理が上手くいっていないという可能性が高いです。Sansanの調査では、コロナ禍のオンラインシフトで顧客データを蓄積・管理・活用できなくなったビジネスパーソンが26.6%いることが判明しました。また、顧客データに対する意識が高いビジネスパーソンが在籍する企業は、コロナ禍でも業績が良いという回答の割合が高かったことも浮き彫りになっています。(※)
つまり見込み顧客データの活用ができているかどうかが、業績に直結する恐れがあるのです。
リード管理とは
リード情報を入手・更新・分析し社内で情報を管理することです。リード管理では、氏名や会社・役職・部署名といった個人情報も重要ですが、どこでリード情報を入手したか、リードがオンライン・オフライン上でどう行動したか、といった購買・受注までのプロセスも“リード情報”として管理されます。
見込み顧客をホットリードに引き上げるには、三つのリード管理プロセスが重要
“見込み顧客データの活用”とは、リード管理を適切に行うことです。では、“リード管理を適切に行う”とは具体的に何をしたらいいのでしょうか。
それにはリード管理をするに当たり、見込み顧客をホットリードに引き上げる三つのプロセスを理解しなければなりません。次項では三つのプロセス「リードジェネレーション」、「リードナーチャリング」、「リードクオリフィケーション」について解説します。
リード管理における三つのプロセス
マーケティングでは、リードをホットリードに引き上げるプロセスを「リードジェネレーション」「リードナーチャリング」「リードクオリフィケーション」の三つに分けることが多いです。それぞれの違いは以下の通りです。
・リードジェネレーション
リード情報を獲得することです。具体的にはメールマガジンの登録、セミナーやイベントへの参加者登録、アンケート、ホワイトペーパーのダウンロードなどで、個人情報を入力・取得していきます。
・リードナーチャリング
リードの購買意欲を上げる情報を提供することです。例としては、有益な情報をメルマガ配信する、セミナーで参加者が自社製品に興味を持つような課題意識を育成する、イベントの中で自社製品を宣伝する、有益なホワイトペーパーを作成する、ターゲット向けのオウンドメディアを運営するなどが挙げられます。
・リードクオリフィケーション
見込み顧客の中から商談につながるホットリードを選別することです。選別材料は資料ダウンロード、セミナー来場、アンケートの回答、メールのURLクリックなどのリードの行動・情報が使われます。営業部門にはマーケティング部門によるリードクオリフィケーションが行われたホットリードの情報が渡されます。
リードクオリフィケーションでは、マーケティングオートメーション(MAツール)でスコアリングをすれば自動でツールがホットリードを抽出してくれます。
リードを取れども成果につながらない原因は、各フェーズにおけるリード管理方法
上記のプロセスにおいて、まずはリード管理を適切に行うことが最も重要である。成果につながらない原因は、上記のフェーズにおけるリード管理が適切でない可能性が高いです。例えば、以下のような管理をしていないか確認してみましょう。
・良くないリード管理例:リードジェネレーション領域
マーケティング部門はクラウド上のドキュメントでリード情報を共有しているが、営業はエクセルを使っている。各チームや組織ごとにフォーマットや管理方法がばらばらで統一されていない。
・良くないリード管理例:リードナーチャリング領域
リードの社名が変わっても更新されていない、リードだと思っていた担当者がいつの間にか退職していたなど、古い顧客情報を使っている。マーケティング部門だけ、あるいは営業部門だけ、インサイドセールスだけが持っている情報があり、部門間で顧客情報を参照できない。
・良くないリード管理例:リードクオリフィケーション領域
マーケティング部門と営業部門、あるいは上司と部下同士で目線が合っていない、あるいは目線を合わせられるだけのデータが無い。
上記に加えて、セールス部門は、受け取ったリードに対して最適な提案ができる情報を集められているでしょうか。
リード管理で売り上げを伸ばす方法とは
ニューノーマル時代に売り上げを伸ばすためには、リード管理の見直しから始める必要があります。三つのフェーズ別にリード管理の方法を解説していきます。
・リードジェネレーション
資料ダウンロード、メルマガ登録、展示会、セミナー、名刺交換など、異なるチャネルから獲得したリード情報でも、マーケティングツールなどを使って一元管理できるようにします。
・リードナーチャリング
リードに合ったコンテンツの提供をしていくことで、購買意欲を高めていきます。一人ひとりの購入確度に合わせたコンテンツを提供するには、リードの情報を最新状態に保たなければなりません。社名変更、担当者の退職や部署移動などがあった場合は、すぐに更新します。
・リードクオリフィケーション
ホットリードを見極めるには、リードの属性や行動を正確に把握することが重要です。MAツールを使って優先度を判断する情報をリードに付与した後でも、セミナーや展示会で接点を持ったりインサイドセールスからの電話をかけたりするなど、定期的に情報が正確かどうかを確認するべきです。情報が間違っていたら部署を超えてすぐに修正できる仕組みも必要です。
まとめると、リード管理のプロセスでは以下の3つが重要と言えるでしょう。
・情報の正確性・最新性
・全社の接点情報の一元化
・修正できる仕組み
3つの重要なポイントを満たしながら、さまざまなマーケティングチャネルからの情報を一元管理するには、顧客情報に長けたITツールを導入することが効率的で望ましいです。特に、営業DXサービス「Sansan」は名刺やメールといった接点から得られる情報を正確にデータ化し、全社で共有できる顧客データベースを構築します。
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ライター
営業DX Handbook 編集部