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テレアポを成功させるコツを徹底解説|商談につなげるためのポイントもご紹介
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営業活動に欠かせないテレアポですが、多くの営業担当者が苦手意識を持ち、効果的な実施に悩んでいるのではないでしょうか。
テレアポは単なる電話営業ではなく、戦略的なコミュニケーション手法です。適切な準備と技術を身につければ、その効果は劇的に向上します。
本記事では、テレアポの各要素を詳しく解説し、成功率を高めるための具体的なコツを紹介します。これらの知識とスキルを活用することで、あなたのテレアポは確実に進化するでしょう。
テレアポの目的とは

テレアポ(テレホンアポインター)は、ビジネスの世界で重要な役割を果たす営業手法です。その主な目的は、電話を通じて見込み客との接点を作り、商談の機会を獲得することにあります。しかし、テレアポの目標は単純にコール数を増やすことだけではありません。
テレアポで追う目標は、大きく分けて以下の3つがあります。
まず1つ目は、質の高いリードの獲得です。これは単なる数合わせではなく、本当に商品やサービスに興味を持ち、購買の可能性が高い見込み客を見つけ出すことを意味します。
2つ目は、商談機会の創出です。電話での短い会話を通じて、対面やオンラインでの詳細な商談につなげましょう。
そして3つ目は、ブランドや製品の認知度向上です。たとえ即座に商談にはつながらなくても、企業や製品の存在を知ってもらうことで、将来的な商機につながる可能性があります。
さらに、テレアポは単発の行動ではなく、継続的なプロセスとして捉えることが大切です。初回の電話で即座に結果が出ないことも多いため、適切なフォローアップを行い、長期的な関係構築を目指すことが成功への鍵となるでしょう。
インサイドセールスとの違いとは
テレアポとインサイドセールスは、どちらも電話を主な手段として用いる営業手法ですが、その定義や目的には大きな違いがあります。
まず、テレアポは主に新規顧客の開拓や初期接触を目的とした電話営業と定義されます。その主な目標は、アポイントの獲得や商談機会の創出です。
一方、インサイドセールスは、電話やデジタルツールを使用し、主にBtoB市場でフィールドセールスへの引き渡しを行う営業手法です。その目的は多岐にわたり、リードの質の向上、商談の促進、場合によってはクロージングの実施、顧客満足度の向上、さらにアップセルやクロスセルの機会創出などが含まれます。
このように、テレアポとインサイドセールスは、似て非なる営業手法といえます。両者の特性を理解し、適切に使い分けることで、効果的な営業戦略を構築することができるのです。
テレアポの手順

テレアポは、単に電話をかけて商談の約束を取るだけの単純な作業ではありません。効果的なテレアポを実施するためには、綿密な準備から始まり、通電、商談、そしてフォローアップまでの一連のプロセスを理解し、実践することが重要です。以下に、テレアポの基本的な手順を詳しく解説していきましょう。
事前準備
テレアポの成功は、十分な事前準備にかかっています。まず重要なのは、質の高いリストの作成です。ターゲットとなる企業や個人の情報を正確に収集し、整理することが不可欠です。このリストには、企業名、担当者名、役職、連絡先情報だけでなく、可能な限り企業の事業内容や最近のニュースなども含めると良いでしょう。
次に、効果的なトークスクリプトの作成が必要です。これは単なる台本ではなく、さまざまな状況に対応できる柔軟な指針になります。トークスクリプトには、自己紹介、商品やサービスの簡潔な説明、想定される質問への回答、そして商談へ誘導するための文言などを含めましょう。ただし、機械的に読み上げるのではなく、自然な会話の中で活用できるよう、十分に練習することが大切です。
通電
通電は、テレアポの中で最も基本的かつ重要な段階です。しかし、この段階で多くの困難に直面することがあります。特にBtoC(企業対個人)の場合、不在であることが多く、何度も電話をかけ直す必要があるかもしれません。
BtoB(企業対企業)の場合は、担当者に直接つながることが難しくなります。多くの場合、受付や秘書を通じて連絡を取る必要があり、ここでの対応が後の成功を左右すると言えるでしょう。
受付突破
BtoBのテレアポでは、多くの場合、最初に受付や秘書が電話に出ます。この段階で適切に対応できなければ、担当者につながる機会を失ってしまいます。
受付突破には、はっきりとした声で、自社名と名前を名乗り、用件を簡潔に伝えることが重要です。「営業の電話です」と正直に伝えつつ、「お客さまにとって有益な情報をお持ちしました」など、相手の興味を引く表現を使うのも効果的でしょう。
また、受付担当者も重要な情報源となり得ます。適切な担当者の名前や、連絡可能な時間帯などの情報を聞き出せれば、次回のアプローチに生かすことができます。
受付突破の方法は、事前にしっかりと計画し、チームで共有することが大切です。さまざまなシナリオを想定し、それぞれに対する対応策を準備しておくことで、成功率を高めることができるのです。
第一印象
テレアポにおいて、第一印象は極めて重要です。最初の数秒で相手の印象が決まってしまうと言っても過言ではありません。そのため、明るく、自信に満ちた声で話すことが大切です。
まず、自己紹介をしっかりと行います。会社名、自身の名前、そして役職を明確に伝えましょう。これにより、相手に安心感を与え、怪しい電話だと思われるリスクを減らすことができます。
また、相手の時間を尊重していることを示すことも重要です。「お時間よろしいでしょうか」という一言を添えることで、礼儀正しさをアピールできます。
第一印象で最も避けるべきは、セールスマンらしさを前面に出すことです。押し付けがましい態度や、すぐに商品の説明を始めるようなアプローチは、相手の警戒心を高めてしまいます。代わりに、専門家としての立場から、相手の課題解決に貢献できる可能性を示唆するような姿勢が効果的です。
用件説明
相手との信頼関係を築いた後、電話の目的を明確に説明する段階に入ります。ここでのポイントは、簡潔さと明確さです。長々と説明すると、相手の興味を失う可能性が高くなります。
まず、電話の目的を一言で伝えます。例えば、「新しいサービスのご紹介のお電話です」や「無料サンプルのご提供についてお話ししたいと思います」などです。この際、相手にとってのメリットを強調することが重要です。「御社の業務効率化に貢献できる可能性があると考え、お電話させていただきました」というような表現が効果的でしょう。
もし、展示会などで獲得したリストを使用している場合は、その経緯を必ず含めます。「先日の○○展示会でお会いした際に、こちらの件についてご興味をお持ちいただいたと伺っております」といった具合です。これにより、突然の電話ではないことを示し、相手の記憶を呼び起こすことができます。
質問
効果的なテレアポには、適切な質問が欠かせません。質問には主に二つの目的があります。一つは相手のニーズを引き出すこと、もう一つは会話を円滑に進めることです。
ニーズを引き出す質問としては、以下のようなものが考えられます。
- 「現在、○○に関してどのような課題をお抱えでしょうか?」
- 「△△の分野で、特に改善したいと思われている点はありますか?」
- 「同業他社と比較して、御社の強みはどのような点だとお考えですか?」
これらの質問により、相手の状況や課題を具体的に把握し、自社のサービスがどのように役立つかを示す機会が得られます。
一方、会話を円滑に進めるためには、
- 「ここまでで、何かご質問はございますか?」
- 「今のお話の中で、特に興味を持たれた点はありますか?」
といった質問で、相手の理解度を確認し、疑問点を解消する機会を提供します。また、相手が会話に参加している感覚を与え、一方的な説明にならないようにする効果もあります。
ただし、質問攻めにならないよう注意が必要です。相手が尋問されているような印象を受けると、不快感を抱く可能性があります。質問と説明のバランスを取り、自然な会話の流れを作ることが重要です。
商材説明
商材説明は、テレアポの中核を成す重要な段階です。ここでのポイントは、相手のニーズに合わせた簡潔で魅力的な説明を行うことです。
まず、これまでの会話で得た情報を基に、相手が最も興味を持ちそうな特徴や利点から説明を始めます。例えば、「先ほどお伺いした○○の課題に対して、弊社の商品は△△という特徴があり、効果的に解決できる可能性があります」といった具合です。
ここで重要なのは、すべての機能や特徴を羅列するのではなく、相手にとって最も関連性の高い情報に焦点を当てることです。電話では長時間の説明が難しいため、核心を突いた簡潔な説明が求められます。
また、商材説明の最後には、必ず相手の反応を確認しましょう。「いかがでしょうか?何か気になる点はございますか?」といった質問を投げかけることで、相手の理解度や興味の程度を把握し、次のステップへの準備ができます。
クロージング・アポ獲得
テレアポの最終段階であるクロージングは、これまでの会話の成果を具体的な次のステップにつなげる重要な過程です。ここでの目標は、対面での商談やオンラインミーティングなど、より詳細な商談の機会を獲得することです。
クロージングのアプローチは、会話の流れや相手の反応に応じて柔軟に変える必要があります。例えば、相手が好意的な反応を示している場合は、直接的なアプローチが効果的でしょう。「それでは、詳しいご説明をさせていただくお時間をいただけますでしょうか?」といった具合です。
一方、相手がまだ迷っているような場合は、段階的なアプローチが適しています。「まずは資料をお送りさせていただき、その後改めてお電話でご説明させていただくのはいかがでしょうか?」というように、相手の負担を軽減しつつ、次のステップへの道筋をつけましょう。
また、日程調整のメール送付を提案する際は、「ご都合の良い日時をいくつか挙げていただき、そちらに合わせて調整させていただきます」と相手の都合を優先する姿勢を示すことが大切です。
いずれの場合も、相手の反応を注意深く観察し、押し付けにならないよう気をつけましょう。もし相手が明確な拒否の意思を示した場合は、無理に押し通さず、「では、また改めてご連絡させていただいてもよろしいでしょうか?」と今後の連絡の可能性を残すことが重要です。
テレアポの通電率を成功させるための3つのコツ

テレアポの成功は、単に電話をかけることだけではなく、さまざまな要素が絡み合って達成されます。特に、リスト作成やスクリプト作成の段階で、以下の3つのコツに注意を払うことで、通電率と成功率を大幅に向上させることができるでしょう。
しかし、その前に大前提として重要なのは、情報の蓄積と共有です。テレアポの経験から得られた情報や知見を、チーム全体で共有できるシステムを構築することが極めて重要です。例えば、各顧客との接触履歴、反応、興味を示した点などを記録し、誰もが閲覧できるようにすることで、次回のアプローチがより効果的になります。
それでは、具体的なポイントを見ていきましょう。
訴求する要素をセグメント別に用意する
効果的なテレアポを行うためには、ターゲットを適切にセグメント化し、それぞれのセグメントに合わせた訴求ポイントを準備することが重要です。これにより、より的確なアプローチが可能となり、成功率を高めることができます。
セグメンテーションの基準としては、以下のようなものが考えられます。
・業種:製造業、サービス業、小売業など
・企業規模:大企業、中小企業、スタートアップなど
・地域:都市部、地方、海外進出企業など
・企業の成長段階:創業期、成長期、成熟期など
これらの基準を組み合わせることで、より精緻なセグメンテーションが可能になります。
次に、各セグメントに対する訴求ポイントを準備します。例えば、
・製造業向け:生産性向上、品質管理の効率化、コスト削減など
・スタートアップ向け:急成長への対応、柔軟なスケーラビリティ、初期投資の抑制など
・地方企業向け:人材不足の解消、遠隔地とのコミュニケーション改善など
これらの訴求ポイントは、自社製品やサービスの特徴と、各セグメントが抱える典型的な課題やニーズを結びつけたものになります。
ただし、これらのセグメントと訴求ポイントは固定的なものではありません。市場の変化や新たな情報に基づいて、常に更新し、最適化していく必要があります。定期的に効果を検証し、必要に応じて修正を加えることで、より効果的なテレアポが可能になるでしょう。
分岐のあるトークスクリプトを準備する
効果的なテレアポを実施するためには、柔軟性のあるトークスクリプトが不可欠です。単一の固定されたスクリプトではなく、相手の反応や状況に応じて適切に対応できる、分岐を含んだスクリプトを準備することが重要です。
想定される会話の分岐点としては、以下のようなものが考えられます。
・初期反応:興味あり / 中立 / 拒否的
・時間の有無:話を聞ける / 忙しい
・決定権の有無:決定権者 / 担当者 / その他
・現在の課題:具体的な問題あり / 漠然とした不満あり / 特に問題なし
・競合製品の使用:使用中 / 検討中 / 未使用
これらの分岐点に対して、それぞれ適切な応答を準備しましょう。
また、起点となる質問を準備することも重要です。例えば、
- 「現在、○○の分野で何か課題をお抱えではないでしょうか?」
- 「同業他社と比較して、御社の強みはどのような点だとお考えですか?」
- 「今後3年間で、御社が達成したい目標は何でしょうか?」
これらの質問を起点に、相手の回答に応じて適切な分岐を選択し、会話を展開していきます。
ただし、スクリプトに頼りすぎないことも重要です。あくまでもガイドラインとして使用し、相手との自然なコミュニケーションを心がけましょう。また、定期的にスクリプトの効果を検証し、必要に応じて改善を加えることで、より効果的なテレアポが可能になります。
顧客によって時間帯・曜日を変える
テレアポの成功率を高めるためには、適切なタイミングで電話をかけることが極めて重要です。しかし、最適な時間帯や曜日は、業種や企業によって大きく異なります。そのため、顧客ごとに最適な通電時間を見極め、それに応じてアプローチを行うことが効果的です。
業種別の最適な通電時間帯の例:
・製造業:午前中(9:00-11:00)が好ましい傾向があります。多くの場合、午後は生産ラインの管理などで忙しくなるためです。
・小売業:開店前の準備時間(例:8:00-9:30)や、客足が落ち着く午後(14:00-16:00)が適していることが多いです。
・IT企業:午前中よりも午後(14:00-17:00)の方が通じやすい傾向があります。朝はミーティングが多く設定されていることが理由の一つです。
・金融業:取引所の開閉時間を避け、午前10:30-11:30や午後3:00-4:00などが効果的な場合が多いです。
曜日による通電成功率の違いも考慮すべき重要な要素です。
・月曜日:週初めは忙しいため、避けた方が良い場合が多いです。
・火曜日・水曜日:比較的落ち着いており、通電成功率が高い傾向があります。
・木曜日:多くの企業で週報の締め切りなどがあり、やや忙しくなる傾向があります。
・金曜日:週末モードに入っている人も多く、重要な決定を促すには適していない場合があります。
また、月末や四半期末は多くの企業で繁忙期となるため、可能であれば避けるべきでしょう。特に経理部門や営業部門は、この時期は極めて忙しくなります。これらの一般的な傾向を踏まえつつ、個々の顧客に最適な時間帯を見つけましょう。
ただし、これらの時間帯はあくまで目安であり、個々の企業や担当者によって最適な時間は異なります。常に柔軟性を持ち、相手の都合を最優先に考えることが大切です。また、一度成功した時間帯でも、相手の状況変化により適切でなくなる可能性もあるため、定期的に最適な時間帯を見直すことが重要です。
BtoBのテレアポを成功させるコツ
ここまで、BtoB、BtoC共通のコツを紹介していきましたが、実はBtoBにはそれ以外のコツも存在するのです。ここではBtoBのテレアポ限定で使えるコツを2点紹介していきます。
リスト作成で部署直通の電話番号を用意する
テレアポにおいて、適切な相手に確実につながることは成功の第一歩です。しかし、一般的な代表番号を使用すると、目的の担当者にたどり着くまでに時間がかかったり、途中で断られたりするリスクが高まります。
そこで重要になるのが、部署直通の電話番号を用意することです。直通番号を使用することで、以下のメリットが得られます。
・通電率の向上:必要な部署に直接つながるため、通電の確率が高まります。
・時間の節約:代表番号から各部署に取り次いでもらう時間が省けます。
・適切な担当者へのアクセス:営業や購買など、目的に合った部署の担当者と直接話すことができます。
また、直通番号の入手には工夫が必要です。以下のような方法が効果的でしょう。
- 企業のウェブサイトで公開されている場合もあるので、まずはそこをチェックする
- 展示会やセミナーなどのイベントで、名刺交換の際に直通番号を確認する
- すでに取り引きのある企業の場合、担当者に直接確認する
- 代表番号に電話をかけ、目的の部署の直通番号を教えてもらう
しかし、直通番号はBtoCのように、不通率が高い傾向にあります。そのため、しっかり担当者につながるリストを作成する必要があるでしょう。
リスト作成の精度を上げるには、上記の情報を常に更新し、データベース化することが重要です。また、法人向けの電話帳サービスなども活用し、より多くの直通番号を入手することも検討しましょう。
同じ企業でも複数電話番号に架電する
効果的なテレアポを実施するためには、同じ企業に対して複数の電話番号に架電することが有効な戦略となります。これにより、目的の担当者にたどり着く確率を高め、成功率を向上させることが可能です。
複数回架電することの主なメリットは以下の通りです。
・通電確率の向上:一つの番号が不通でも、他の番号でつながる可能性が高まります。
・適切な担当者へのアクセス:異なる部署や役職の人と話すことで、最適な窓口を見つけやすくなります。
・多角的なアプローチ:異なる部署からの情報を得ることで、企業の全体像を把握しやすくなります。
・時間の節約:一度の架電で目的が達成できなかった場合、別の番号にすぐにアプローチできます。
複数の電話番号を入手する方法としては、以下のようなアプローチが考えられます。
・企業のウェブサイト:多くの企業が、部署別の連絡先を公開しています。
・名刺交換:展示会やセミナーなどで得た名刺から、直通番号を収集します。
・ソーシャルメディア:LinkedInなどのプロフェッショナル向けSNSで、企業の従業員情報を確認します。
・企業情報データベース:有料のビジネス情報サービスを利用し、詳細な企業情報を入手します。
・代表番号への問い合わせ:代表番号に電話し、目的の部署の直通番号を教えてもらいます。
多くの番号に架電することで、自社の製品やサービスに関心を持つ可能性のあるさまざまな部門にアプローチできます。例えば、ITサービスを提案する場合、情報システム部門だけでなく、経営企画部門や人事部門にもメリットを訴求できる可能性があるのです。
複数の電話番号への架電は、テレアポの成功率を高める有効な手段ですが、相手企業への配慮を忘れずに、適切かつ効率的に実施することが重要です。また、この方法で得られた情報や成果を正確に記録し、チーム内で共有することで、将来的なアプローチの改善にも生かすことができるでしょう。
テレアポによるアポイント獲得率を上げるためのポイント

テレアポは単に電話をかけるだけでなく、戦略的なアプローチが求められる重要な営業活動です。アポイント獲得率を向上させるためには、さまざまな要素を考慮し、効果的なコミュニケーションを図る必要があります。以下に、アポイント獲得率を上げるための重要なポイントをいくつか挙げていきましょう。
要点は50文字以内で簡潔に伝える
テレアポにおいて、相手の注意を引き、興味を持ってもらうための最初の数秒は極めて重要です。そのため、自社や製品・サービスの要点を50文字以内で簡潔に伝えることが効果的になります。
50文字は話してみると約5〜7秒程度の時間です。これは、相手が「聞いてみようか」と思うか、「興味がない」と判断するかの分かれ目となる重要な時間です。多くの場合、この程度の時間であれば、たとえ忙しい相手でも聞いてくれる可能性が高くなります。
50文字に収める情報の選び方は以下のポイントを押さえると良いでしょう。
- 相手にとっての最大の利点
- 自社の独自性や強み
- 具体的な数字や成果
ただし、50文字に詰め込みすぎると早口になり、逆効果になる可能性があります。ゆっくりと、明瞭に話すことを心がけましょう。また、相手の反応を見ながら、必要に応じて追加の説明を加えていく柔軟性も重要です。
架電経緯や事前接点があれば伝える
テレアポの成功率を高めるための重要なポイントの一つが、架電の経緯や事前の接点を相手に伝えることです。これにより、突然の電話による警戒心を和らげ、より円滑なコミュニケーションを図ることができます。
例えば、展示会で得たリストなど、名刺を交換した経緯が相手に伝えられるのであれば、最初にそれを伝えることが効果的です。「先日の○○展示会でお名刺を頂戴しました△△と申します」といった具合に始めれば、相手も記憶を呼び起こしやすくなるでしょう。
この方法には、以下のようなメリットがあります。
・警戒心の解消:突然の営業電話ではなく、何らかの接点があったことを示すことで、相手の警戒心を和らげることができます。
・信頼性の向上:過去の接点を正確に伝えることで、自社の信頼性や誠実さをアピールできます。
・会話のきっかけ作り:過去の接点に関する話題から自然に会話を展開させやすくなります。
・記憶の喚起:相手が展示会などでの対話を思い出すきっかけとなり、より具体的な話に進みやすくなります。
これらの効果により、「まずは話だけでも聞いてみるか」という相手の心理を引き出しやすくなります。
ただし、HPやリスト作成サイトからの抽出の場合でも、架電経緯の説明は可能です。例えば、「御社のウェブサイトを拝見し、○○という課題をお持ちではないかと考え、お電話させていただきました」といった説明が考えられます。この場合、以下のポイントに注意しましょう。
- 具体的な情報源を示す(「御社のウェブサイト」「サイトの入力内容」など)
- 相手企業の特徴や架電先顧客のアンケート結果などに言及する
- 電話をするに至った理由を明確に伝える
このように架電経緯を説明することで、単なる無差別な営業電話ではなく、相手企業に対する関心と理解を持って連絡していることを示すことができます。これにより、相手の興味を引き、より深い会話につながる可能性が高まります。
断られる理由を自分から作らない
テレアポにおいて、相手に断られる理由を自ら提供してしまうことは、避けるべき重大なミスです。多くの場合、テレアポを受ける側は忙しく、断る理由を探している可能性が高いため、営業担当者が不用意な言葉を使うことで、相手に簡単な断りの口実を与えてしまうことがあります。
断られる理由を自分から作ってしまう人の言い回しの例
- 「お忙しいところ申し訳ありませんが...」
- 「少しお時間よろしいでしょうか?」
- 「突然の電話で恐縮ですが...」
- 「他社様ですでにご契約されているかもしれませんが...」
これらの表現は、相手に「忙しい」「時間がない」「今は適切なタイミングではない」「他社と契約している」といった断りの理由を与えかねません。
代わりに、以下のようなアプローチを心がけましょう。
・自信を持った態度で:「御社の○○という課題解決に貢献できる提案があり、お電話させていただきました。」「○○様のお役に立てると思い、ご連絡させていただきました。」
・価値提供を前面に:「御社の業績向上に直結する情報をお持ちしました。」「○○様の××料金をお安くできるご提案です。」
・具体的な目的を示す:「新しい技術導入による生産性向上について、5分程度お話しさせていただきたいのですが。」「××の新サービスについて、2~3分ほどよろしいでしょうか。」
・相手の興味を引く質問から:「御社では現在、○○についてどのような取り組みをされていますか?」「ちなみに、××の新サービスについてニュースなどでご覧になりましたか?」
このようなアプローチにより、相手の関心を引き、会話を続ける動機を与えることができます。重要なのは、自社の製品やサービスがもたらす価値を明確に、そして自信を持って伝えることです。
SPIN話法を活用し課題を引き出す
SPIN話法は、効果的な質問技法として広く知られています。この手法を使うことで、顧客の潜在的なニーズや課題を明確にすることができるでしょう。
SPIN話法の基本構造は以下の4つの段階から成り立っています。
・Situation(状況):現在の状況を把握する質問
・Problem(問題):潜在的な問題や課題を探る質問
・Implication(影響):問題がもたらす影響を考えさせる質問
・Need-payoff(解決策の価値):解決策がもたらす利益を認識させる質問
それぞれの段階で、適切な質問を投げかけることが重要です。例えば、
・(状況)「御社では現在どのような業務管理システムをお使いですか?」
・(問題)「そのシステムで何か課題を感じていらっしゃいますか?」
・(影響)「その課題によって、どのような影響が出ていますか?」
・(解決策の価値)「もしその課題が解決されたら、どのようなメリットがありそうですか?」
といった具合です。
この手法を使うことで、顧客の真のニーズを引き出し、より効果的な提案につなげることができるでしょう。
相手任せにせずしっかりとクロージングする
テレアポの最後に重要なのが、クロージングです。ここでは相手任せにせず、積極的に次のステップを提案することが大切です。相手任せにしてしまうと、せっかくのチャンスを逃してしまう可能性が高くなります。
クロージングの際は、明確で具体的な提案をすることが重要です。例えば、「では、来週の水曜日の午後3時にお時間はいかがでしょうか?」というように、具体的な日時を提示しましょう。このような言い方をすることで、相手も決断しやすくなります。
また、言葉遣いも重要です。「〜していただけますでしょうか?」という曖昧な言い方ではなく、「〜させていただきます」と言い切ることで、自信を持って提案していることが伝わります。
今回はテレアポ内でのクロージングですが、商談については下記記事で詳しく解説していますので、ご参照ください。
顧客の課題に合致した部分だけを訴求する
効果的なテレアポでは、顧客のニーズに合わせた説明が不可欠です。すべての製品特徴を説明するのではなく、顧客の課題解決に直結する部分に焦点を当てることが重要でしょう。
例えば、人材リソースが十分な企業に対して、リソース不足の解消を訴求しても意味がありません。同様に、コスト削減に興味のない顧客に対して価格面での優位性を強調しても効果は薄いでしょう。
代わりに、SPIN話法で把握した顧客のニーズに合わせて、製品やサービスの特定の側面を強調することが効果的です。簡潔で魅力的な訴求ポイントに絞ることで、顧客の興味を引き出すことができるはずです。
BANTC情報のヒアリングを行う
BANTC情報とは、Budget(予算)、Authority(決裁権)、Need(ニーズ)、Timing(タイミング)、Competition(競合)の頭文字を取ったものです。これらの情報を適切に収集することで、商談の質を高めることができます。
特に、インサイドセールスからフィールドセールスへのトスアップの際に、この情報は非常に重要となります。フィールドセールスにとっては、事前にこれらの情報があることで、より効果的な商談準備が可能となるからです。
例えば、予算規模や決裁プロセス、具体的なニーズ、導入検討のタイミング、比較検討している他社製品などの情報があれば、フィールドセールスは的確な提案や交渉戦略を立てることができるでしょう。
テレアポで生かせる切り返し

テレアポ中にはさまざまな断りの言葉に遭遇します。ここでは、よくある断りに対する効果的な切り返し方を紹介します。
「忙しい」と言われたとき
相手が忙しいと言った場合、「何分なら話せるでしょうか?」と尋ねることで、短時間でも会話の機会を作ることができます。あるいは、「ご都合の良い時間帯はありますか?」と聞いて、後日のアポイントを取ることも有効です。
「他社の商品を使っている」と言われたとき
この場合、「今すぐの切り替えをお願いするわけではありません。将来的な選択肢としてご検討いただければと思います」と伝えることで、プレッシャーを軽減できます。また、「多くの企業様が複数社を比較検討されています」と付け加えることで、情報収集の重要性を示唆できるでしょう。
「まずは資料を送付してほしい」と言われたとき
資料送付の要望には応じつつ、「お送りする資料の内容を絞り込みたいので、いくつか質問させていただいてもよろしいでしょうか?」と切り返すことで、BANTC情報や課題感などを聞き出す機会を作ることができます。
さらに、「資料だけでなく、実際にお話しする中で最適なサービスをご紹介できればと思います」と伝えることで、商談機会を創出する確率を高めることも可能です。
まとめ
効果的なテレアポには、事前の適切なリスト作成や効果的な話法、顧客ニーズに合わせた訴求、BANTC情報の収集など、さまざまなスキルが必要です。また、相手の反応に応じた柔軟な対応も重要です。
これらのテクニックを駆使することで、テレアポの成功率を高め、質の高い商談機会を創出することができるでしょう。さらに、適切なターゲティングを行うことで、通電率やアポイント率の向上も期待できます。
また、名刺管理ツールを活用することでさらにテレアポの成功率は高まります。
Sansanは名刺や企業情報、営業履歴を一元管理して全社で共有できるようにすることで、
売上拡大とコスト削減を同時に実現する営業DXサービスです。Sansanを活用することでコンタクト情報の共有やリスト作成が容易になり、営業活動全体の生産性向上につながります。
特にテレアポについては、CRMやSFAに集約、格納された顧客情報をSansan Data Hubで統合管理することが有効です。
- 名刺データをCRM・SFA・MAと連携し、最新で正確な顧客データ基盤を構築
- 高度な名寄せ技術で外部システム上の顧客データを正規化し、企業コードや100種類以上の属性情報を付与
これにより、効率的にテレアポを行うことができるようになるため、より効果的な営業活動が実現します。実際の架電時の取り組みを工夫するのはもちろんですが、営業成績を上げるためにツールの導入・活用もぜひご検討ください。

3分でわかる Sansan Data Hub
データ統合からマーケティングを加速させる「Sansan Data Hub」について簡単にご説明した資料です。

ライター
営業DX Handbook 編集部