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CDPとは?意味や導入メリットは?DMPとの違いも解説
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※本記事は2022年11月に作成されました。掲載されている内容は作成時点の情報です。
昨今のマーケティングでは、さまざまな顧客データの扱いが肝となります。顧客のデータをいかに慎重かつ丁寧に扱うかで、顧客理解度や顧客体験の向上度など、成果が大きく変わってきます。そのため顧客データを扱うためのさまざまなツールが提供されていますが、その中でもCDPは顧客データを扱うのに適しており、データを統合し分析することで、顧客に対する理解をより深めニーズを叶えることに繋がります。本記事ではCDPの概要について解説します。
CDPとは?
これまでも顧客情報を管理するツールはありましたが、従来との違いはその「統合性」です。CDPとは「Customer Data Platform」の略で、日本語では「顧客データ基盤」と訳され、その名の通りプラットフォームで情報管理をするため、統合に強みを持っています。
例えば顧客のデータには、氏名、年齢、性別などの基本的な属性情報だけでなく、サイト訪問時の行動履歴、購入履歴、顧客ロイヤリティ、使用しているデバイス、問い合わせの履歴、店舗への来訪の履歴など、さまざまな情報が含まれます。
従来の顧客管理ツールはあくまでも情報管理に特化したものだったので、同一顧客でも、異なるデバイスや異なる部署が持っている情報は別々に管理されることが多くありました。一方で、CDPはオンライン、オフライン、既存顧客、見込み客などあらゆる顧客のあらゆるデータを統合して一元管理します。異なる部署間で収集したデータも統合し活用できることから、企業におけるマーケティング活動全般で活用することが可能であり、従来の顧客管理ツールよりも広い範囲を扱えます。また、自社で収集した情報のみならず、外部から購入したり、提供されたりしたデータをも統合的に管理できるのが強みです。
CDPが注目されている背景
昨今のマーケティング活動においては、現代にはデータが溢れていて、そのデータを活用することで、顧客への理解度向上や顧客のニーズ実現、さらには自社の売上向上などさまざまな恩恵が得られることから、データ管理が非常に重要視されています。さまざまなツールを駆使してデータを集め、それを活用できるかどうかで成果が決まります。しかし、IT技術の発達や新型コロナウイルス蔓延によるビジネススタイルの変化などによって顧客に関係するデータは複雑化し、量も肥大化しました。
例えば、
● キャッシュレスの普及
● サブスクリプションの普及
● ECの普及
● 顧客接点の多様化
により、顧客の消費行動はここ数年で大きく変化しました。
このような多様化にともなって、生じるデータも複雑化・肥大化しています。従来からCRM(Customer Relationship Management、顧客関係管理)、MA(Marketing Automation、マーケティング活動自動化)、SFA(Sales Force Automation、営業管理システム)、DMP(Data Management Platform、データマネジメントプラットフォーム)などのマーケティングツールはありましたが、これらはそれぞれが局所的なデータにのみ対応したツールであり、各々のデータは分断され、一元化されたものではありませんでした。
そこで、各マーケティングツールのさらに一段上に、それらのデータを統合するツールが必要になりました。そこで登場したのがCDPです。
CDPとDMPの違い
CDPとよく似たツールにDMPがあります。どちらのツールも顧客データを収集し、分析や管理を行えるツールですが、この二つのツールはまったく異なる目的を持ちます。
DMPとは「Data Management Platform」の略で、インターネット上から集めた膨大なビッグデータを処理するためのツールです。これは顧客それぞれに合わせたOneToOneマーケティング施策を打つために用いられ、マーケティング担当者がより効率的に、広告のターゲティングすることが目的に使われます。
DMPは2種類あり、オープンDMPとプライベートDMPが存在します。オープンDMPは第三者企業からデータを提供してもらい、プラットフォーム上で、さまざまな企業サイトが収集した他のデータと一緒に蓄積していき、他企業にも共有する仕組みです。プライベートDMPは自社だけで管理するDMPで自社サイトを利用した顧客の購買履歴や行動履歴を一元的に管理します。
CDPは自社のみの顧客データを扱う点でオープンDMPとは異なります。プライベートDMPはその点ではCDPと共通しているが、あくまでも属性単位の情報しか蓄積せず、個人情報は管理しません。CDPは個人を識別できる情報まで蓄積します。
CDPの特徴
パッケージソフトで提供される
CDPはパッケージ化されているため、自社に合わせてカスタマイズできず完成された製品を導入する仕組みです。したがって、導入したいときにすばやく導入できます。また、システムエンジニアリングの知識がない人でも、使いやすいのも利点です。
顧客データをまとめて管理
CDPの強みの一つに、あらゆるデータを永続的に一元管理できる点があります。いくら顧客データが有用といってもその顧客が誰なのかが一意に定まらなければ管理できません。ですが、CDPでは、今日ウェブサイトを訪れた顧客と、昨日ウェブサイトを訪れる顧客が同じ人物であるか否かを識別できるだけでなく、アプリを利用した顧客と店舗に来訪した顧客が同じ人物であるかどうかも識別も可能です。このように、異なる接点を持った顧客を同一人物であるかどうかをまとめて管理できます。
他ツールとの連携
他のツールとの連携がしやすいという特徴もあります。例えば自社ですでにCRMやMA、SFAなどを使っている場合、それらの機能をCDPで活かしたい場合もあるでしょう。そうした際、CDPで蓄積・検証したデータを、各施策に特化した別のツールに連携させるのはデータ接続・連携機能を備えているのが通常であるため容易です。例えば、CDPと広告配信プラットフォームを連携させ、CDPの分析結果に基づいた広告配信を行うなどの施策を検討できるようになります。
CDPの導入メリット
これまで、CDPの定義やDMPとの違いについて解説しましたが、続いてCDP導入のメリットを紹介します。顧客データの収集・統合・連携する機能を備えているから実現可能なメリットです。
顧客行動の可視化
ウェブサイトとアプリでそれぞれ顧客データの収集を行っていたとしても、収集している情報の項目が異なっていたり、統合するために手間がかかったりと分析がしにくい問題があります。オンラインと実店舗などの間でも同じ問題が生じます。その点、CDPではそれらを一つのデータとしてとらえられます。
例えば顧客がウェブサイトを訪問して商品を吟味してから店舗を訪問して商品を買う行動をしたとき、プラットフォームを横断した分析ができなければ「ウェブサイトを訪問したが買わなかった顧客」「店舗にいきなり来て商品を買っていった客」とそれぞれ不正確な情報が蓄積されます。
そこでウェブサイト、アプリ、店舗など異なる顧客接点のデータをCDPでまとめて、一元管理することで情報の正確さを高め、顧客の行動の全体像を可視化します。
リアルタイムな施策の実施が可能
CDPの中には、リアルタイムな施策を行えるようになる製品もあります。リアルタイムな施策とは、例えばある顧客がウェブサイトを訪れたとき、ウェブサイトがCDPの分析データを参照し、瞬時にその顧客に合った広告を表示させるといった機能のことです。他にも顧客が店舗に来訪したタイミングでその顧客に合ったクーポンを配信するといった施策も考えられます。
このようにタイムリーなマーケティング施策を実施すれば、顧客エンゲージメントの向上も期待できます。
CDP導入後の流れ
CDPを導入後、実際に施策にうつるまえに諸準備が必要になります。
データの収集
CDPは、自社のウェブサイトにおける顧客ごとの行動履歴や購買履歴を追跡することができます。行動履歴や購買履歴といっても大雑把な情報ではなく、どのページからサイトに入ってきて、どのようにページを移動し、どのページから商品を買ったか、ページごとに何分間滞在したか、どのリンクをクリックしたかなど詳細なデータがすべて蓄積されます。
匿名を含む氏名、住所、年齢、電話番号、性別、生年月日など顧客の個人情報データだけでなく、サイトと連携したアプリ上のデータも一緒に蓄積します。アプリのデータとはアプリの会員登録の有無、ログイン日時、ログイン回数、利用した機能などのことです。
データの統合
データを収集し蓄積したら、今度はそれを統合します。上記のように異なる媒体から収集した顧客データの名寄せをし、一つのデータベースにまとめます。
名寄せするには各媒体で共通のキーがなければなりません。そのために共通の顧客IDを付けたり、ログイン制にしてメールアドレスで管理したりするなどの方法があります。この名寄せがうまくいかないと、重複した顧客データが存在したり、誤った情報が蓄積されたりして、データの質が落ちます。
重複データが発生してしまう理由は、顧客の入力ミスなどが原因です。例えば同一の会社に勤める複数の顧客が勤務先を「株式会社○○」と入力したり「(株)○○」と入力したり、単に「○○」と入力したりすると、別々の会社として記録されてしまう場合があります。CDPではこのような情報の入力ミスや表記の揺れを検出して統合できます。
データの分析
データが蓄積され、統合して一元化できたら、そのデータを使って分析を行います。つまりどのような属性の顧客がどのようなキャンペーンに反応があったか、どのようなページを好んで見ているか、どのような商品を購入したか、それを可視化します。可視化されたデータは次回のキャンペーンやサイトの導線の改善に利用できます。
ますます高まる顧客データの重要性
CDPを導入することで、これまで漠然と蓄積してきた顧客データを活用しやすくなり、顧客エンゲージメントの向上を図ることもできるようになります。データの活用をこれまで以上に進め顧客満足度を高めたい企業、部署間でのデータ連携をよりスムーズに進めたい企業などは、CDPの導入をお勧めします。個々の消費者に適切な提案をするOneToOneマーケティングが主流となった現在、きめ細やかな顧客データの管理は、マーケティングの成果に大きく影響します。顧客データの活用に関してさらなる情報を希望する場合は以下の資料もご覧ください。
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ライター
営業DX Handbook 編集部