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クローズドクエスチョンとは?オープンクエスチョンとの違いや使用例、メリットを解説
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営業や商談で顧客との会話を進めていく際に重要なのが「質問力」です。質問の仕方は、大きく「クローズドクエスチョン」と「オープンクエスチョン」に分けられます。
本記事では、クローズドクエスチョンの概要や活用するメリット・デメリット、オープンクエスチョンとの違い、使用する際のポイントについて解説します。
クローズドクエスチョンとは

まずは、クローズドクエスチョンの概要と、あわせて用いられることの多い「オープンクエスチョン」との違いを確認していきましょう。
クローズドクエスチョンは回答が限定された質問のこと
クローズドクエスチョンとは、「イエス」または「ノー」、もしくは提示した選択肢の中から答えてもらう質問のことです。
回答範囲が制限されるため、相手の意思や状況を明確にしたい場合に便利な質問形式です。回答の種類が限定されることで統計をとりやすく、アンケートや調査などでも用いられます。
ただし、クローズドクエスチョンを多用すると、相手を尋問しているような印象を与えてしまうため注意が必要です。また、得られる意見が制限される可能性もあるため、その点にも留意する必要があります。
オープンクエスチョンとの違い・使い分け
クローズドクエスチョンとオープンクエスチョンの違いは、回答範囲が限定されているかどうかです。
オープンクエスチョンは回答に制限を設けず、相手に自由に考えて答えてもらう形式の質問であり、相手の考えや状況を詳細に把握したい場合に有用です。対して、クローズドクエスチョンは回答範囲が限定されているため、相手に求める回答や行動が明確になっている場合に適した質問形式といえます。
クローズドクエスチョンとオープンクエスチョンは、状況に応じて使い分けることが重要です。例えば、営業活動の場合、相手の抱えるニーズや企業の状況などをヒアリングしたいときには、一般的にオープンクエスチョンが用いられます。
一方で、商談の最終段階であるクロージングの際や、スケジュール調整など質問者が会話を主導したい場合にはクローズドクエスチョンが適しています。また、クローズドクエスチョンは相手が回答を考える負担が少ないため、初対面の場や商談時の最初の会話などにも用いられます。
クローズドクエスチョンの活用例
クローズドクエスチョンは、「イエス・ノー」など限定された選択肢から回答してもらうため、相手の回答を制限できます。そのため、商談中に意思を確認したい場合や、クロージングの場合に活用すると効果的です。
具体的な活用例は、次の通りです。
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クローズドクエスチョンで相手の興味・関心を引き出したあと、会話を深めるにはオープンクエスチョンを活用できます。商談中に相手のニーズをより深く掘り下げたい場合や、詳細な情報を収集したい場合に役立ちます。
以下は、オープンクエスチョンの活用例です。
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クローズドクエスチョンのメリット
クローズドクエスチョンを活用することで、次のようなメリットを享受できます。
- すぐに回答を得られる
- 質問者が優位に会話を進められる
- コミュニケーションを取りやすい
- 回答者の意思決定のきっかけとなる
一つずつ解説します。
すぐに回答を得られる
クローズドクエスチョンでは、「イエス・ノー」など限られた選択肢からすぐに回答が得られるため、コミュニケーションが迅速に進むというメリットがあります。適切な質問を用意しておくことで、短時間で多くの情報を収集することが可能です。
質問に回答する側にとっても、与えられた選択肢から選ぶだけで済むため、ストレスなく意思表示ができます。
質問者が優位に会話を進められる
クローズドクエスチョンでは質問者が回答の選択肢を限定できるため、会話を質問者が優位に進められます。
先述の活用例のように、商談時のヒアリングやクロージングにクローズドクエスチョンを活用することで、質問者が会話を計画的に展開できます。
コミュニケーションをとりやすい
回答が限定されているクローズドクエスチョンのメリットとして、コミュニケーションがスムーズに進む点もあげられます。
例えば、お互いのことをよく知らない場合や緊張している場合、会話が途切れてしまうことがあります。しかし、クローズドクエスチョンを用いることで、相手も簡単に回答できるため、会話がスムーズに続き、コミュニケーションを円滑に進めやすくなります。
回答者の意思決定のきっかけとなる
クローズドクエスチョンに答えることで、回答者は自分の考えを整理する機会を得ることにもなります。例えば、営業担当者が「この機能は業務に生かせそうですか?」と質問することで、業務での具体的な活用方法を考えるきっかけとなるでしょう。
回答者が質問に答える過程で、自分の意見や考えがより明確になります。その結果、クローズドクエスチョンが最終的な決断のきっかけとなることもあります。
クローズドクエスチョンのデメリット
クローズドクエスチョンにはメリットがある一方で、デメリットといえる側面もあります。デメリットを理解しておくことで、適切に活用できるようになるでしょう。
ここでは、クローズドクエスチョンのデメリットと対策について解説します。
得られる情報量が少ないことがある
クローズドクエスチョンでは限られた選択肢からの回答しか得られないため、情報が十分に収集できない場合があります。
そのため、繰り返し質問することや、事前に多くの質問を用意するなどの対策が必要です。オープンクエスチョンも組み合わせ、回答の幅を広げながら情報を得ることも重要となるでしょう。
一方的に質問されているという印象を与える
クローズドクエスチョンでは得られる情報量が少なく、何度も質問を繰り返す必要があります。相手が連続して多くの質問を受けると、「自分の意見を聞かれずに、一方的に話をされている」という印象を与えかねません。
相手が多くの質問を投げかけられることに不快感を抱くと、信頼関係の構築が難しくなる可能性もあります。営業や商談の場面では、クローズドクエスチョンをいくつか続けたあとに一息入れることや、雑談を挟むなどの工夫が必要です。
クローズドクエスチョンを使用するときのポイント

クローズドクエスチョンを使用する際には、次のポイントを押さえることで効果を高められます。
- 会話のテンポを意識する
- あらかじめ質問を用意しておく
- オープンクエスチョンも組み合わせる
それぞれのポイントを詳しく解説します。
会話のテンポを意識する
クローズドクエスチョンを使用する際には、会話のテンポを意識することが重要です。質問の目的は、相手のことをよく理解し、円滑なコミュニケーションを図ることです。クローズドクエスチョンを多用し会話が硬くなったり、相手を萎縮させて回答を引き出せなくなったりしては逆効果となってしまいます。
質問すること自体を目的とせず、会話の流れを考慮しながら質問することを意識すると良いでしょう。
あらかじめ質問を用意しておく
事前に質問を用意しておくことも、クローズドクエスチョンを効果的に活用するためのポイントです。
クローズドクエスチョンでは質問者が会話を主導しやすく、特にビジネスシーンで戦略的に会話を進めたい場合に役立ちます。相手の意思確認や、クロージングにつながるような質問を事前に準備しておくことで、会話の流れを自分の方向に誘導し、成果につなげることができます。
クローズドクエスチョンでは回答の選択肢が限定されるため、それぞれの選択肢に対する次の会話や質問を事前に考えておくことで、会話をスムーズに展開しやすくなるでしょう。
オープンクエスチョンも組み合わせる
会話の流れを考慮し、クローズドクエスチョンだけでなく、オープンクエスチョンも組み合わせて使用することもポイントの一つです。
クローズドクエスチョンのみを使い続けると、相手に対して「自分の話を聞いてくれない」「一方的に質問攻めにされる」といった感情を抱かせ、心理的な負担を与えてしまうことがあります。また、同じ質問を繰り返すと、相手が誘導尋問を受けているような不快感を覚える可能性もあるでしょう。
クローズドクエスチョンで会話のきっかけをつかみ、その後はオープンクエスチョンで詳細を掘り下げる、といったように、二つの質問形式を組み合わせて会話を進めることで、顧客との商談を効果的に進め、成果につながりやすくなります。
まとめ
クローズドクエスチョンは、回答を「イエス・ノー」などに限定した質問形式であり、活用することで、迅速な回答を得ることや決断を促すことが可能になります。ただし、収集できる情報量が少ないことや、一方的に質問されているような印象を相手に与えかねない点には注意が必要です。
クローズドクエスチョンを使用する際には、会話のテンポを意識しながら、オープンクエスチョンとバランスよく組み合わせることや、事前に質問を用意することが重要です。これにより、クローズドクエスチョンを商談時に有効活用でき、成果を高めることにつながるでしょう。
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ライター
営業DX Handbook 編集部