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CRMを活用したメールマーケティングとは?メリットや配信フローを解説

CRMを活用したメールマーケティングとは?メリットや配信フローを解説

CRMに集約される顧客情報をメール配信に活用すれば、効果的なメールマーケティングが可能です。CRMでは顧客情報の管理にとどまらず、データを分析したうえでセグメント分けした配信ができるからです。

この記事では、CRMとメール配信システムとの違いや、CRMをメールマーケティングに活用するメリット、運用フローについて解説します。CRMを活用したメールマーケティングを実施する際のポイントもご紹介していますので、導入の参考にご活用ください。

メールマーケティングを含めたBtoB領域における有効なマーケティング施策は、次の記事で詳しく解説しています。

CRMを活用したメールマーケティングとは

CRM(顧客関係管理)とは、顧客との良好な関係構築のために、顧客情報を管理・分析するマーケティング手法やツールのことです。

CRMには顧客情報が一元管理され、集積されます。例えば、業種や業務内容、売り上げ、社員数、担当者名、役職などの情報です。これらの情報を活用することで顧客一人ひとりにあった最適な施策が可能となります。メール配信においても、効果的・効率的なメール配信が可能になるため、近年、CRMを活用したメールマーケティングが注目されています。

メール配信に特化したツールとして「メール配信システム」があります。メール配信に限れば、メール配信システムの方が機能が充実しているといえるでしょう。一方で、CRMは顧客管理が主体であり、これに付随する形でメール配信機能が備わっています。顧客管理からメール送信までをカバーし、顧客データに基づいたメールマーケティング戦略を実行できるのがCRMの強みです。

CRMをメールマーケティングに活用するメリット

CRMをメールマーケティングに活用する主なメリットは、次の3つです。

  • 顧客情報を基にセグメント配信ができる
  • 適切なタイミングでメールが配信できる
  • メール配信の一元管理ができる

顧客情報を基にセグメント配信ができる

CRMを活用すれば、顧客情報に基づいたセグメント配信が可能になります。CRMには顧客情報の分析機能が搭載されており、集約された顧客情報に基づいて興味、関心を把握できます。

これらの情報を基に、条件に応じたセグメントも設定可能です。例えば、年齢や性別ごとの属性に分けてニーズにあうレコメンド商品や知りたい情報を配信できるので、顧客満足度が向上しやすくなります。また、顧客がメール配信の内容に関心を持つようになれば、メール開封率や問い合わせ率、商談化率、さらにはリピート率の向上も期待できるでしょう。

適切なタイミングでメールが配信できる

CRMによっては、顧客のアクションをトリガーとしてメールを自動送信する「シナリオメール」の機能を持つものもあり、顧客にとって適切なタイミングでメールが配信できます。例えば、資料請求や問い合わせなどのアクションをとったタイミングでフォローメールを送るなど、顧客の温度感が高い状態にあわせたアプローチが可能となります

また、メールマーケティングには「ステップメール」も有効です。ステップメールでは、あらかじめ複数のメールを設定しておき、指定した順序・タイミングで顧客に配信できるので、顧客の購買意欲醸成のほか、休眠化の防止にも役立ちます

メール配信の一元管理ができる

CRMではメール配信の一元化も可能です。そもそもCRMは顧客に関わる情報を集約させる顧客関係管理システムであり、メールの配信情報も含まれます。例えば、配信履歴を記録するだけでなくタスク管理や通知設定もできるので、メールの返信漏れの予防にも役立ちます。

また、CRMでは、顧客情報に基づくやり取りの履歴を共有できるため、ほかの営業担当者などへの引き継ぎも容易に行える点もメリットです。メール配信の一元管理により、社内の効率化だけでなく、顧客対応をスムーズに行えるため、結果的に顧客満足度の向上にもつながるでしょう。

CRMを活用してメール配信・運用を行うフロー

CRMを活用してメール配信や運用は、次の手順で進めます。

  1. 顧客情報の収集と登録を行う
  2. 顧客情報を分析してニーズを把握する
  3. CRMを用いてメール配信をシステム化する
  4. メール配信の効果を検証して対策を立てる

1. 顧客情報の収集と登録を行う

まず、メール配信のデータベースを作成するために顧客情報の収集と登録を行います。

これらの情報はメール配信先として利用するため、営業担当者などが保有する名刺などから十分な量を収集し、リスト数を確保しましょう。会社名や氏名、部署などの個人情報に限らず、購入商品やサービス、数量、日付、時間帯などの購入履歴や年齢層も収集、登録してください。

効果的なメール配信のためには、どのような情報が必要となるかを逆算し、分析に役立つ情報を広く集めることが大切です。

2. 顧客情報を分析してニーズを把握する

続いて、収集した顧客情報を分析し、ニーズを把握します。前段階で収集した顧客情報が十分にあれば、より精度の高い分析が可能となり、顧客一人ひとりのニーズにあったメールを配信できます。

分析結果を基に、顧客がいつ、どのようなタイミングでどのようなサービスや商品を求めているのかを明らかにします。さらに、どのような内容のメール配信であれば効果的で、どのようなアクションが期待できるのか、どういった結果を期待できるかを検討しましょう。

3. CRMを用いてメール配信をシステム化する

メール配信の対象や内容、ゴールが決まれば、CRMでメール配信をシステム化します。手動での管理は工数がかかり非効率ですが、CRMの自動送信機能を利用すれば顧客の状態に応じて最適なタイミングでメール配信が行えます

シナリオメールとステップメールはメールマーケティングを実施する際に効果的な自動送信機能です。設定方法や活用例をおさえておきましょう。

シナリオメール

シナリオメールは、顧客が特定のアクションをとったときにメールを自動配信する仕組みです。例えば、次のような設定をすることで顧客にさらなるアクションを促し、購買行動へとつなげます。

  • 資料請求の1時間後に、セミナーや説明会、展示会の案内メールを配信する
  • セミナー参加の翌日に、次のイベント案内やサービスのトライアル情報を配信する
  • サービス申し込みの数日後に、サービスの活用方法や次回以降の割引クーポンを配信する

シナリオメールを活用すれば、最適なタイミングでアプローチできるだけでなく、業務の効率化も期待できるでしょう。

ステップメール

ステップメールは、顧客が特定のアクションをとったときに、あらかじめ設定しておいた複数のメールを指定の順番で送信する仕組みです。

例えば、次のような設定をして、顧客の購買意欲を醸成します。

  • 資料請求後すぐに、サンクスメールを配信する
  • 資料到着日に、サービスや商品の詳細案内、トライアル情報を配信する
  • 資料到着の1週間後に、サービスや商品の割引クーポンを配信する

ステップメールでは、顧客のアクションに応じたシナリオ設定も可能です。例えば、上記設定に商品が実際に購入されたときに、さらにサンクスメールを送り商品購入に関するアンケートを送付しユーザー情報を集められます。一方、購入されなかった場合には、今後の購入予定をアンケートでヒアリングすることで今後のマーケティングに活用できます。

4. メール配信の効果を検証して対策を立てる

メール配信後は効果検証をして、より効果的なメールマーケティングを行うための対策を立てましょう。メール配信のシステム化は一度設定するだけでは不十分であり、検証・改善によってメールマーケティングの精度が高まるからです。

メールの開封率や問い合わせ率の向上など、メールの配信後に期待していた行動を得られたのか、後日の商談につながったのか、などを定期的に検証してデータを蓄積し、今後のメールマーケティングに生かしましょう。

CRMを活用したメールマーケティングのポイント

CRMを活用して効果的なメールマーケティングを行うには、次のポイントを意識することが重要です。

  • 顧客ごとのニーズに応えるメール内容を作成する
  • 売り込みより価値提供を意識する
  • メールの配信先を十分に確保し、リスト情報を最新の状態に保つ

顧客ごとのニーズに応えるメール内容を作成する

メールマーケティングを成功させるには、CRMに蓄積されたデータから顧客ごとのニーズを割り出し、最適な内容を配信することが大切です。顧客一人ひとりにあわせたOne to Oneな配信を心がけましょう。そのためには、ニーズにあう内容のメールを作成するだけでなく、配信するタイミングも重要です。顧客が関心をもつようなメール配信ができれば、開封率や問い合わせ率の向上につながるでしょう。

売り込みより価値提供を意識する

メールマーケティングでは、顧客に寄り添った施策が求められます。商品やサービスを一方的に売り込むだけでは顧客は関心をなくしてしまうでしょう。一方、顧客のニーズに寄り添い、満足のいく価値提供ができれば、顧客の購買意欲は醸成されます

一般的なメールマーケティングで効果的とされているのが、情報提供8割、売り込み2割程度の比率です。CRMから得られるデータを分析し、顧客が求めていると想定される情報を提供できれば、良好な関係構築が期待できます。十分な関係性を保ったうえで売り込みを行えば、成約へとつながるでしょう。

メールの配信先を十分に確保し、リスト情報を最新の状態に保つ

CRMの分析機能を最大限に活用するには、分析元となるリスト数が十分に確保されていることが好ましいです。リストが不十分だと配信数も不足するため、メールマーケティングの精度が落ちてしまいます。全社的に顧客情報を収集して、CRMに登録できるよう準備を整えましょう。

また、顧客情報の鮮度が低い場合にも注意が必要です。例えば、会社名や部署の変更にともないメールアドレスが変わっていた場合にはメールが届かなくなってしまいます。常にリストを最新の状態に保つよう心がけてください。

リストのメンテナンスは工数がかかるためあと回しにしがちですが、管理が行えていないとCRMの効果は半減してしまいます。メールの到達率を上げ、メールマーケティングを成功させるためにも、リストのメンテナンスは必ず行いましょう

まとめ

CRMのメール配信機能をメールマーケティングに活用すれば、顧客情報を一元管理して効果的な施策を行えます。メール配信は顧客一人ひとりにあわせた内容とタイミングの見極めが重要です。全社的に顧客情報を収集するなど十分なリストを確保し、最新の状態を維持しましょう。

メールマーケティングを成功させるには、商品やサービスの売り込みではなく顧客が求めている価値を提供することも大切です。価値提供により信頼関係が構築されていれば、売り込みの成功率も上がり、成約へとつながるでしょう。

Sansanでは、名刺データや標準搭載された企業データを活用したメール配信が可能です。搭載される企業情報は100万件以上にのぼり、業種や従業員規模などの情報が付与されます。名刺情報やこれらの情報をもとに顧客の興味や関心、属性に応じたセグメント分けをすれば、効果的なターゲティングが可能となるでしょう。

また、メール配信のほかにも、メールの到達率や開封率、クリック率などの分析機能も備わっているので、One to Oneなメール配信を効果的に行えます。CRMを活用したメールマーケティングをお考えの方はぜひお問い合わせください。

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営業DX Handbook 編集部

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