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デジタルトランスフォーメーションで実現する経営改善

デジタルトランスフォーメーションで実現する経営改善

業績が悪化している企業にこそ推進してもらいたいデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)。本記事ではDXの意味や、明日から始められるDXの取り組みなどを解説していきます。

※本記事は2022年8月に作成されました。掲載されている内容は作成時点の情報です。

デジタルトランスフォーメーションとは

DXとは、“ITを世の中に浸透させることで、人々の生活をあらゆる側面でより良い方向に変化させる”概念のことです。似た言葉に“デジタルシフト”があるものの、DXとは定義が異なります。デジタルシフトとは、業務やサービスレベルでのデジタル化・IT化を指す言葉であり、DXよりも狭い意味で使われます。

英語で記すと“Digital Transformation”のためDTと略されることもありますが、一般的にはDXと表記されることが多いです。D「X」と表記するのは、TransをXに置き換えたことに由来します。XとはCrossを意味したアルファベットであり、CrossとTransはほぼ同義として用いられることからDXという呼び方になったのです。

日本では2018年、経済産業省(以下、経産省)が旗振り役となり、企業のDX推進を図るためのガイドラインを発表しました。経産省は以下のようにDXを定義しています。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」

【引用】DXレポート2(中間取りまとめ)経済産業省

つまり、DX推進のゴールとして企業が目指すべきことは、データとデジタル技術を用いて製品やサービスなどのデジタル化・IT化を進めるだけではなく、企業文化や風土までをも変化させていき、安定した収益を得られる仕組みを作ることです。

デジタルトランスフォーメーションが2025年までに求められる理由

現在、多くの企業でデジタルトランスフォーメーションが推進されています。その理由は“2025年の崖”に備えるためです。

経産省では2025年までに、DX化せずレガシーシステム(老朽化・複雑化・ブラックボックス化した既存システム)を継続的に使用していけば、業務効率や競争力の低下は避けられず、年間最大12兆円の経済損失が生じる恐れがあるとしています。

その要因は、古いシステムやサービスのサポート終了に伴うリスクの増加や、ITナレッジをもった優秀なDX人材の退職などが挙げられます。レガシーシステムとはDXを妨げる古い技術や仕組みで構築されたシステムであり、生産性が低下したり市場の変化に対応しきれなかったりする点が懸念されているのです。

また、レガシーシステムは古いプログラミング言語によって作られていることが多く、旧来の言語が分かるエンジニアの多くが、2025年までに定年を迎えてしまう。そうなれば既存システムについて深く理解している人材が減少し、トラブルが起きたときにも対処できなくなります。

こうした事態を避けるためにも、DX推進は必要不可欠なのです。

しかし、国からの通達によってDX推進に取り組めている企業の多くは大企業です。予算や人員に限りがある中小企業の多くは、まだまだ取り組めていないのが現状です。

目先の課題にこそデジタルトランスフォーメーションを

先にも述べたとおり、DXという言葉を知ってはいるものの、取り組んでいない・取り組めていないことを実感している人も多いのではないでしょうか。DXを何となく意識していても、今、目の前に立ちはだかる経営課題である“業績低下”と向き合うことを優先している企業も少なくありません。

例えば、まずは売り上げの回復に努めなければいけないため、営業部門では新規顧客の開拓、既存顧客への販売促進などを行い、マーケティング部門では新規リードの獲得やDMやメールを活用した既存顧客の育成を優先して行うことが多いです。

また、コスト削減に取り組むケースも多く、具体的には、人力で行い、多くの労働時間を割いていた通常業務を自動化して効率化したり、業務の分業によって社員の生産性向上を図ったりします。

このような中小企業が向き合っている問題を解決する鍵となるのが、実はDXの推進なのです。

DXは、中小企業の経営課題を解決する一手となる

DXに取り組むことで業務効率化や社員の生産性向上を実現し、コスト削減へとつながります。また、正確なデータに基づいた営業戦略の立案ができるようになり、売上回復につながる可能性が高くなります。

例として挙げられるのが、顧客データを一元化することによる営業力の向上です。これまで社内の各営業担当者が握っていた膨大な顧客データは、DXの推進によって一元化することができます。整理された詳細なデータを活用すれば、見込み客が必要としている提案内容の仮説が立てやすくなる上に、マーケティングなど部門をまたいだデータの共有が可能になり、正確な営業戦略の立案もできるようになります。従来よりも正確なデータを根拠にすることで提案力や戦略の精度が上がり、商談の成約率も高くなるのです。

この“正確なデータに基づく営業戦略の立案”は、人間の手だけでデータ処理をしていてはなかなか難しいです。例えば、営業担当者がそれぞれに集めてきた名刺で考えてみましょう。それらの名刺は人の手では管理しきれないほど膨大な量となっているはずです。

ファイリングなどで管理したとしても、取引先の担当者が変わってしまえばその名刺はただの紙となってしまいます。ビジネスにおいて、日々変化するデータは常に最新で正確に管理されていなければ、効果的な営業戦略は見いだせないでしょう。

DXに取り組み、業務を効率化したり社員の生産性が向上したりすれば、コストを削減できるだけでなく、データに基づく営業戦略の立案も可能になる。そしてこれは、売上向上にも大きな効果をもたらします。中小企業が抱えている経営課題は、意外にもDXを進めることで一歩ずつ解決に近づくのです。

明日から始められるデジタルトランスフォーメーション

企業においてDX推進を図る場合、一見、取り組むにはコストがかかったり、専門的なノウハウ、優秀なDX人材が必要に思えたりしますが、実はそこまで難しいことではありません。

ただし、経営層はDXについて理解しておく必要があります。企業は基本的にトップダウンによって業務を円滑に遂行していきます。命令を出さなければならない経営層がDXについて深い知識を持ち合わせていなければ、指示も曖昧となり社員の混乱を招いてしまうでしょう。

また、自社の課題が何なのか、明確な問題点をあぶり出しておく必要もあります。自社が抱えている課題を解決するためにシステムを導入するのだから、問題の本質を理解しておかなければなりません。もしも営業戦略や業績低下などに悩んでいる場合には、DX推進で改善に取り組んでみてはいかがでしょうか。

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営業DX Handbook 編集部

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営業DX Handbook 編集部

Sansanが運営する「営業DX Handbook」の編集部です。DX推進や営業戦略、マーケティングノウハウなど、営業・マーケティング課題の解決に導く情報をお届けします。