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展示会での営業を成功させるには?準備から展示会後の対応まで解説

展示会での営業を成功させるには?準備から展示会後の対応まで解説

展示会への出展は、成約の可能性が高い見込み顧客に多く会うことができる絶好の機会です。
また、既存の顧客とも商談しやすいことから、アップセルやクロスセルの機会につながるケースも少なくありません。

しかし、そのためには展示会当日にどのような営業をおこなうかが重要となります。

本記事では、展示会営業を成功させるために必要な準備から、開催後のフォローアップのポイントまで解説します。

展示会営業の目的

展示会営業は、企業の営業戦略において重要な位置を占めています。その効果や目的について、詳しく見ていきましょう。展示会営業の目的は大きく分けて以下の4点に集約されます。

  • 新規顧客やリードの効率的な獲得
  • 業界内における認知度向上やブランディング
  • 既存顧客との関係強化の機会創出
  • 新規プロダクトやサービスの効果的な宣伝

新規顧客やリードの効率的な獲得

展示会は、新規顧客やリードを獲得する絶好の機会です。多くの潜在顧客が一堂に会するため、短期間で多数の商談機会を創出できる可能性があります。

例えば、大規模な業界展示会では、1日あたり数百から数千の来場者が見込まれるでしょう。これは通常の営業活動では得られない規模の接触機会となります。

業界内における認知度向上やブランディング

長年続く大規模展示会には、業界のキーパーソンやメディア関係者が来場する可能性も高くなります。そのため、自社ブランドの露出を高め、業界内での存在感を示す絶好の機会となります。

例えば、新製品のローンチや革新的なサービスの発表を展示会で行うことで、業界全体にサービスや会社の認知を広げられるケースもあるでしょう。

既存顧客との関係強化の機会創出

展示会は既存顧客との関係を深める場としても活用できます。直接あいさつを交わし、最近の状況をヒアリングする機会となるのです。

また、他部署や関連部門の紹介を受けることで、クロスセルにつながるケースも少なくありません。例えば、IT製品を提供している企業が、既存顧客の経理部門に新しい会計ソフトウェアを紹介するような場面が考えられます。

新規プロダクトやサービスの効果的な宣伝

実機デモを通じて、製品の価値を直接訴求できるのが展示会の強みです。来場者に実際に触れてもらうことで、カタログやウェブサイトだけでは伝えきれない製品の魅力を体感してもらえます。さらに、展示会関連メディアに取り上げられる可能性も高く、広範囲にわたる宣伝効果が期待できるでしょう。

展示会営業のメリット

展示会営業には、通常の営業活動にはない独自のメリットがあります。以下でそれらを詳しく見ていきましょう。

展示会営業のメリットは以下の4点に集約されます。

  • 経営者やキーパーソンと名刺を交換できる
  • プロダクト・サービスに対して生の反応を見ることができる
  • 見込み顧客にヒアリングを行うことができる
  • プレスリリースやコンテンツマーケティングと合わせて話題性を創出できる

経営者やキーパーソンと名刺を交換できる

展示会では、普段はアプローチが難しい経営者や意思決定権を持つキーパーソンと直接コンタクトを取れる可能性が高まります。これは将来的なビジネスチャンスの創出につながる重要な機会です。

例えば、大手企業の購買担当役員や経営企画の責任者と名刺交換することで、後日の商談に結びつけられるかもしれません。展示会では、名刺交換のハードルが通常の営業活動に比べて低いため、役職者や意思決定者と名刺を交換できる可能性も高いといえます。

プロダクト・サービスに対して生の反応を見ることができる

展示会では、自社の製品やサービスに対する来場者の生の反応を直接見ることが可能です。これは市場ニーズを把握し、製品改善のヒントを得る貴重な機会となります。例えば、デモ中の製品に対する質問や要望を集計することで、新サービスの開発方針を決定する材料になるでしょう。

また、実際の会話からユーザーのインサイト、ニーズをつかむことで、その後のマーケティング活動や広報戦略に生かすこともできます。

見込み顧客にヒアリングを行うことができる

展示会の場で、潜在顧客の詳細なニーズや課題を直接聞き取ることができます。これにより、カスタマイズ提案のための貴重な情報を収集できます。

例えば、マーケティングの展示会で、来場した営業担当者から営業プロセス別の課題をヒアリングすることで、それに基づいたソリューション提案につなげられるでしょう。

プレスリリースやコンテンツマーケティングと合わせて話題性を創出できる

展示会出展は、プレスリリースやコンテンツマーケティングと連動させることで、より大きな話題性を生み出せます

コンテンツマーケティングとは、有益な情報を提供することで見込み客の関心を引き、最終的に商品やサービスの購入につなげる手法です。一方、プレスリリースは、企業からの重要な情報をメディアに向けて発信する公式文書のことを指します。

例えば、展示会直前に新製品のプレスリリースを配信し、展示会では実機デモを行い、自社サイトで展示会の反響をまとめる、という流れを作ることで、顧客の注目を集めやすくなるのです。

展示会で営業を行う前の準備

展示会で効果的な営業を行うためには、綿密な事前準備が欠かせません。以下、重要なポイントを解説します。

  • 出展する展示会の選定
  • ブース・パネルの準備
  • チラシ・ノベルティの準備
  • 営業担当者の選定・研修
  • 案内状・メールでの事前集客
  • 展示会後対応の準備

出展する展示会の選定

まずは自社の業界特性とターゲット顧客層を分析し、最適な展示会を選びましょう。費用対効果を考慮しながら、参加する展示会を絞り込むことが重要です。

展示会は、業界別、製品カテゴリー別、そして対象顧客層別などに分類されています。

例えば、特定の技術分野に特化した展示会や、経営者層をターゲットとしたビジネスイベントなど、さまざまな種類があるのです。

選定の際は、自社の属する業界や関連業界に特化した展示会、提供する製品やサービスに合致した展示会、アプローチしたい顧客層が多く来場する展示会を探しましょう。

また、自社の目的に合った規模と、ターゲット市場に適した地域で開催される展示会を選ぶことも大切です。自社の目的やターゲットに合致するものを慎重に選定することが、成功につながります。

ブース・パネルの準備

企業イメージを効果的に反映し、製品の特徴を分かりやすく伝えるブースデザインが重要です。例えば、以下のような要素を考慮するとよいでしょう。

  • 目を引く大型バナー
  • 製品特徴を示すインフォグラフィック
  • 来場者が立ち寄りやすいオープンなレイアウト

チラシ・ノベルティの準備

記憶に残る独創的なデザインや実用性を兼ね備えたノベルティは、ブランド認知度向上に効果的です。チラシは製品情報を簡潔に伝える内容にしましょう。例えば、自社商材のテスターや手帳などの実用的なノベルティを配布することで、展示会が終了しても顧客に認知してもらうことが可能になります。

営業担当者の選定・研修

展示会では、自社商材について知らない人や業界違いの人も多く来場します。そのため、製品知識と対応力を兼ね備えた人材を選出し、ロールプレーイングによる事前トレーニングを実施しておきましょう。

以下のようなスクリプトを用意しておくと良いでしょう。

  1. あいさつ:「お立ち寄りいただき、ありがとうございます。○○株式会社の△△と申します。」
  2. 前提確認:「弊社○○という課題の解決ソリューションを提供しているのですが、○○様はこういったことにご興味お持ちでしたか?」
  3. ニーズ確認:「御社ではどういった課題をお持ちなのですか?」
  4. 製品説明:「その課題に対して、弊社の□□製品が効果的です。具体的には...」
  5. クロージング:「ここで長々とお話しするのもご迷惑かと存じますので、後日詳しくお話させていただいてもよろしいでしょうか?」

このように、さまざまなビジネスパーソンが来場する展示会では、前提やニーズを把握しリードの質を判断しつつ、即座に商談へつなげられるスクリプトが最適です。

案内状・メールでの事前集客

ターゲット顧客へパーソナライズされた案内を送ることで、ブースへの来訪確率が高まります。SNSやウェブサイトも活用し、広範囲に告知しましょう。例えば、以下のような案内文が効果的です。

件名:【ご招待】○○展にて最新ソリューションをご紹介いたします

△△様

拝啓 時下ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。 平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

さて、来たる20XX年X月X日(X)~X日(X)に東京ビッグサイトで開催される「第XX回○○展」に弊社も出展することとなりましたので、ご案内申し上げます。

■展示会名:第XX回○○展 

■会期:20XX年X月X日(X)~X日(X) 10:00~17:00 

■会場:東京ビッグサイト 

■弊社ブース:東ホール ブースNo.A-123

今回の展示会では、昨年ご好評いただいた「□□システム」の最新バージョンに加え、 新製品「××ソリューション」を世界に先駆けてお披露目いたします。

ご来場の皆さまには、以下の特典をご用意しております。

1.新製品「××ソリューション」の体験デモにご参加いただけます。
2.弊社エンジニアによる個別相談会を実施いたします。
3.先着100名さまに、非売品の「▽▽」をプレゼントいたします。

ぜひこの機会に弊社ブースへお立ち寄りください。 ご多忙中とは存じますが、△△様のご来場を心よりお待ちしております。

このように、展示会についての情報をわかりやすくまとめたうえで、メリットを簡潔に述べ、顧客が判断するためのハードルを下げる文面を作成しましょう。

特定の顧客に対しては、カスタマイズした具体的なメリットを示すことで、特別感をアピールすることも重要です。

展示会後対応の準備

名刺の管理方法や架電時のトークスクリプトなど、展示会後のフォローアップ準備も重要です。多くの企業が展示会終了後すぐに、アプローチを開始するので、後れを取らないように注意しましょう。

特に、名刺については展示会で相当する交換するため、しっかりとした事前準備が重要となります。名刺管理については、名刺管理ツールの導入が非常に効果的です。

展示会で営業を行う際のポイント

次に、実際に展示会で営業を行う際のポイントについて解説していきます。

  • 名刺獲得数やアポ獲得などの目標を設定する
  • ハウスリストやターゲット企業へ出展案内を送る
  • 当日の動き方や役割を事前に決めておく
  • 見やすいブースの装飾や導線を工夫する
  • ブース内でデモや講演を実施する

名刺獲得数やアポ獲得などの目標を設定する

通常の営業活動同様に、定量的な目標設定が重要です。例えば以下のような指標が考えられます。

  • 1日あたりの名刺交換数:100枚
  • 有望リード獲得数:10件/日
  • 後日アポイント獲得数:5件/日

展示会に出展するだけでなく、このようにKPIを設定して望むことで、明確な効果が望めるでしょう。

ハウスリストやターゲット企業へ出展案内を送る

既存顧客やターゲット企業には、事前に展示会の案内をしましょう。展示会は改めて連絡する際や、接触機会を創出する際の良い口実となります。

VIP顧客やターゲット企業の役職者には特別招待券を送付するなどの差別化を図ることで、展示会に足を運んでもらえる確率が上がります。

当日の動き方や役割を事前に決めておく

ブース内での呼び込みや商談、タイムスケジュールごとの役割を明確にします。展示会ではこのような役割が存在します。

  • 商談担当
  • プレゼンテーション担当
  • デモンストレーション担当
  • 呼び込み担当
  • あいさつ回り担当

これらの役割を明確にすることで、それぞれがしっかりと仕事を遂行することができるのです。

見やすいブースの装飾や導線を工夫する

展示会には、同業他社も含めて多くの企業が参加するため、来場者の目を引く装飾や、スムーズな導線設計が重要です。

例えば、入り口付近に大型スクリーンを設置し、奥に商談スペースを配置するなどの工夫ができます。また、呼び込み担当が呼び込みやすくするために、キャッチフレーズや商材の強みを前面に表示させておくこともおすすめです。

ブース内でデモや講演を実施する

製品デモンストレーションや、ミニセミナーの開催は効果的です。例えば、毎時00分に15分間のプレゼンテーションを行うなど、定期的なイベントを設けることで、ブースへの集客を図れます。

また、ただ情報を発信するだけでなく、来場者参加型のデモンストレーションや実際に操作できる展示物などもおすすめです。これによって来場者を増やす以外にも、顧客に強い印象を与えることで、展示会後のアプローチの成功率も高まります。

展示会後の営業活動

展示会後の営業活動は、展示会で得たリードを生かすために非常に重要です。展示会の実施にとどまらず、展示会後の営業も要点を押さえて進めていきましょう。

  • 名刺を整理しリスト化する
  • 来場者にお礼メール・架電を行う
  • 展示会の反響をまとめたコンテンツを作成する

名刺を整理しリスト化する

展示会で交換した名刺をCRM システム/スプレッドシートなどへデータ入力し管理しましょう。これにより、展示会で得た名刺・リードを有効活用する下地が整います。名刺の数が多すぎる場合はその中で、自社商材とマッチしそうな顧客を見繕ってランク付けもしておくことが重要です。

また、名刺を管理・リスト化する際に、名刺管理ツールを用いる企業が増えてきています。

例えば、Sansanは名刺や企業情報、営業履歴を一元管理して全社で共有できるようにすることで、売上拡大とコスト削減を同時に実現する営業DXサービスです。

Sansanでは、AI技術やオペレーターのサポート体制により、紙の名刺だけでなく、展示会で使われることの多いデジタル名刺やメールの署名についても名刺データの形式で一元管理することができます。管理するだけでなく、条件に基づいた営業リストの作成も一貫して行うことができるため、展示会後、スムーズにアプローチ活動に移行することが可能です。

来場者にお礼メール・架電を行う

パーソナライズされたフォローアップメッセージを送信し、具体的な商談やリードナーチャリングにつなげましょう

例えば、以下のようなメール文面が効果的です。

件名:××展でのご来場、誠にありがとうございました

○○様

先日の××展では、弊社ブースにお立ち寄りいただき、誠にありがとうございました。
○○様のお話をお伺いして、弊社の△△ソリューションで××のお役に立てると確信しております。
○○様にご興味がございましたら、詳しくご説明させていただく機会をいただけますと幸いです。

以下のお時間でご都合よろしいお時間ございますでしょうか。

・ 5月10日(月)15:00~ 
・ 5月12日(水)10:00~ 
・ 5月14日(金)13:00~

もし、お忙しいようでしたら、別日での日程調整も可能です。
ぜひお申し出ください。

引き続きよろしくお願いいたします。

このように、展示会で話した内容を元にした具体的な提案を記載することで、返信の可能性が高まります。

展示会の反響をまとめたコンテンツを作成する

展示会レポートを作成し、社内外で共有するのも効果的です。例えば、展示会の反響をまとめた記事コンテンツや実際の展示会の様子を収めた動画コンテンツ、展示会と連動したSNS投稿などが挙げられます。コンテンツに生かせるよう、来場者の反応や自社の取り組みなどをまとめておきましょう。

まとめ

展示会営業は、新規顧客の獲得やブランディング、既存顧客との関係強化など、多様な目的を達成できる有効な手段です。その成功には綿密な準備と効果的なフォローアップが不可欠であり、特に展示会で得た名刺や当日の会話内容を生かしたアプローチと継続的なリードナーチャリングが重要となります。

この点で、Sansanは展示会営業の効率を大きく向上させる強力なツールとなります。Sansanは名刺や企業情報、営業履歴を一元管理して全社で共有できるようにすることで、売上拡大とコスト削減を同時に実現する営業DXサービスです。名刺管理やリスト作成など、展示会後のフォローアップに必要な機能がそろっています。

Sansanのコンタクト機能を活用した画面

*2024年7月段階での仕様です

特に展示会では、その場で交わした会話内容や担当者への引き継ぎ事項をメモすることが多々あります。Sansanを使用すれば、これらの重要な情報を名刺データとひも付けて記録し、チーム内で共有することができます。この機能により、次の商談やインサイドセールスによる接触時に、よりパーソナライズされた対応が可能となり、商談の成約率向上につながるでしょう。

本記事で紹介した展示会営業の準備や当日のポイント、そしてフォローアップの方法を参考に、Sansanなどの効果的なツールを活用することで、より戦略的で成果の上がる展示会営業を実践してください。

3分でわかる Sansan営業DXサービス「Sansan」について簡潔にご説明した資料です。

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営業DX Handbook 編集部

ライター

営業DX Handbook 編集部

Sansanが運営する「営業DX Handbook」の編集部です。DX推進や営業戦略、マーケティングノウハウなど、営業・マーケティング課題の解決に導く情報をお届けします。