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営業管理とは?必要な項目と管理のポイントを解説

営業管理とは?必要な項目と管理のポイントを解説

近年の営業活動は、CRM、SFAなどのITツールの導入やインサイドセールス部門の設立による分業化などで様変わりしつつあります。

このような状況にあって営業管理も、これまでのような営業パーソンの管理や指導を重視する管理だけでは、競合との競争に勝って成果を上げることが困難になっています。

本記事では、組織全体の営業力を強化し、競争力を高める営業管理とは何かを解説します。営業管理を徹底することのメリットや、管理を成功させるポイントも解説するので、ぜひ参考にしてください。

営業管理とは?

営業管理とは、営業活動の組織的なマネジメントです。

従来から企業の営業活動にマネジメントは必須でしたが、ITツールの発達によりマネジメントの内容や方向が大きく変わりつつあります。

しかし、現在の営業管理は、個人のスキル向上から、組織的な営業力の向上を目指す方向に進んでいます。重要視されているのは、次の3点です。

  1. 情報やナレッジの可視化と共有
  2. 分業と連携
  3. 業務を標準化し属人化を防ぐ

これらについては、記事の後半で詳しく説明します。

営業管理の項目と内容

営業管理の主な項目は次のとおりです。

  • 目標管理
  • 顧客管理
  • 案件管理
  • 行動管理
  • モチベーション管理
  • 人材育成管理

それぞれの内容を以下に説明します。

目標管理

目標管理では、個人と組織の目標を設定し、その達成度を管理・評価します。多くの場合、目標は売上金額として設定されます。

目標管理は諸管理の集大成であり、目標管理だけでは機能しません。下記で説明する案件管理やモチベーション管理、人材育成管理をおこなう中で適切にマネジメントされる必要があります。

目標管理だけが独り歩きすると、いわゆるノルマ主義に陥り、メンバーのモチベーションを低下させる恐れがあります。

顧客管理

顧客管理は、既存顧客のみでなく見込み客も管理します。

顧客の社名や所在地、氏名や属性情報、過去の購入履歴、問い合わせ経歴、商談履歴などを管理・蓄積して、マーケティングや営業活動に役立てるのが顧客管理の目的です。

担当者の異動や商談履歴などの顧客情報が営業パーソンに属人化すると、組織的な営業活動に支障が生じるのみでなく、顧客の信頼を損ねる可能性もあります。そこで重要になるのが、一元化された顧客管理と不断の情報更新、情報共有です。

案件管理

案件管理は、営業によって獲得した商談の進捗状況を管理します。

案件ごとに進捗状況を整理・可視化して、チームが情報を共有することが重要です。案件管理には、進捗管理、タスク管理、スケジュール管理が含まれます。

正しい案件管理でアプローチに優先順位をつけることによって、チームのパフォーマンスが向上し、顧客に適切なタイミングで効果的にアプローチできます。

案件管理では、担当者や進捗状況を記録するだけでなく、その案件をどのような経路で獲得したかの流入チャネルも記録し、分析や評価の参考にします。

行動管理

行動管理とは、社員のパフォーマンスが目標達成に向かって最適化することを目的に、営業日報、週報などを通じて営業パーソンの行動を把握し、目標管理や案件管理に照らして管理することです。

営業パーソンの行動は、最終的には成約や売り上げを目指すものですが、行動管理ではそのプロセスとなるKPI(架電数、訪問数など)やタスクの完了状況を管理します。

行動管理の目的は、サボっていないかどうかの監視や目標達成に向けて叱咤激励することにあるのでなく、営業パーソンごとのパフォーマンスのボトルネックがどこにあるのかを発見し、成果に結びつく行動パターンを発見することにあります。

モチベーション管理

モチベーション管理では、アンケートや面談を通じて、個々のメンバーの仕事のやりがい、人間関係の悩み、待遇への不満など、仕事への意欲に関わる事柄を把握します。

把握した問題点を解決する対策を実施するのもモチベーション管理に含まれます。

モチベーション管理は人間の心理に関わるため、数値化できない要素が大きく、個々のメンバーの性格やキャリアプランに応じたマネジメントが必要です。

人材育成管理

人材育成管理では、OJTや研修などで人材を育成し、その効果を測定します。育成の手法には、OJTや研修のほかに、タレントマネジメント、メンター制度、eラーニングなどがあります。

測定された効果は、教育体制や手法の見直しのためにフィードバックすることが重要です。

人材育成管理はモチベーション管理と関係が深いため、適切に組み合わせてマネジメントする必要があります。

営業管理を徹底する4つのメリット

営業管理を徹底することには次のようなメリットがあります。

  1. 目標の明確化とモチベーションの向上
  2. 業務の省力化と効率化
  3. 進捗状況の可視化
  4. 情報やナレッジの共有による属人化の回避

1.目標の明確化とモチベーションの向上

営業管理を徹底することで、営業パーソンやチームの目標が明確になります。顧客管理や案件管理によって、目標を達成する道筋も明確化されます。

さらに、納得のいく行動管理、モチベーション管理が実施されることで、各営業パーソンのモチベーションも向上します。

2.業務の省力化と効率化

一元化された業務管理により、営業パフォーマンスに重複や見落とし、手戻りがなくなり、業務の効率化が可能になります。

営業管理の一元化のためには、ITツールの導入が必要です。ツールの活用によって顧客管理や行動管理(日報の記載や管理など)などの諸管理が省力化されます。

3.進捗状況の可視化

営業管理の徹底により、営業パーソンごと、案件ごとの進捗情報が可視化され、迅速で組織的な対応が可能になります。

とくに、複数の案件に取り組む営業パーソン、複数の部下を抱えるマネジャーに生じがちな、進捗上のボトルネックの発見が容易になります。

4.情報やナレッジの共有による属人化の回避

一元化された営業管理により顧客情報や進捗状況が迅速に共有されることで、情報の属人化を防ぐことができます。

商談履歴などがメンバーに共有されれば、商談のノウハウなどのナレッジも共有が可能です。

営業管理を成功させる4つのポイント

営業管理を成功させるには、下記がポイントとなります。

  1. 管理ツールの活用
  2. 部門間の連携と協力
  3. 適切なKPIの設定
  4. 職場の心理的安全性を担保するマネジメント

1.管理ツールの活用

従来はExcelでの営業管理が一般的でしたが、これからの営業管理を成功させるには、MA、CRM、SFAなどのITツールの導入がおすすめです。

Excelで管理する

Excelによる営業管理は、低コストでできる、操作が簡単で多くビジネスパーソンが扱いなれている、表計算ソフトなので数字をあつかうのに適している、などのメリットがあります。

ネット上にさまざまなテンプレートが公開されており、それを利用することで、顧客管理や案件管理などもある程度可能です。

しかし、上記のさまざまな営業管理項目をExcelで一元管理することは困難です。

データの更新や管理が属人化しやすく、取引先の拡大やデータの蓄積が進むほど、情報のメンテナンスや共有に手間がかかるようになります。

閲覧権限も細かく設定できないため、情報管理上のリスクも伴います。

CRMやSFAなどのITツールで管理する

営業管理を成功させるには、できるだけ早期にCRMやSFAなどのITツールを導入し、活用する必要があります。

これらのツールはコストがかかり、使用に慣れるまでに一定の期間が必要ですが、競合他社がセールステックを活用した場合を想定すると、対応スピードはもちろん、トータルの営業コストでも差が生じる可能性があります。

このような差が生じる理由は、ITツールを導入することで目標達成の障害となるボトルネックの発見が容易になるからです。案件管理や行動管理、モチベーション管理などを連携して一元的に管理することで、それぞれを単独に管理していたときには見えなかった問題点を発見できる可能性が高まります。

ただし、ITツールを導入したが現場の利用が定着せず、成果が上がっていないケースは少なくありません。

社員のITリテラシーに合わせたツールの選択をするとともに、導入に際しては運用支援を受けるなど、活用を定着させることが肝要です。

また、現場の社員だけにツールの利用を任せるのでなく、経営層やマネジャー層も積極的にツールを使用し、活用に向けた課題を共有することが大切です。

2.部門間の連携と協力

近年は営業組織の中に、マーケティング部門やインサイドセールス部門を設けるなど、営業プロセスの分業化が進んでいます。分業化した組織を機能させるには、各部門の連携・協力が欠かせません。

部門間の連携・協力を成立させ、横断的なマネジメントを可能にするためには、全社で情報を可視化し、共有することが重要です。

なかでも、インサイドセールスとフィールドセールスの連携と協力は、成約率に直結するためとくに重要です。フィールドセールスにパスされた案件は、成約に至った場合も至らなかった場合も、その要因をインサイドセールスにフィードバックして、見込み客育成の精度を高めていく必要があります。

3.適切なKPIの設定

営業活動の評価には、最終的な数値目標の達成度合いを見るのみでなく、目標達成に 向けたパフォーマンスを定点観測するためのKPI(重要業績評価指標)の設定が必要です。

適切なKPIの設定によって、今日、何を、どのくらいやるかの数値目標が示され、数値で表された結果に対する定量的な評価が可能になります。

定められた最終目標(KGI)を達成するためにどのようなKPIが有効かは、そのときの営業課題やチームメンバーの業務習熟度などによって変わります。

数値化された結果に応じてPDCAを回して、随時KPIを見直すことにより、目標に対する個々のメンバーの納得感とモチベーションの向上が期待できます。

4.職場の心理的安全性を担保するマネジメント

マネジメントでしばしば生じるのがハラスメントの問題です。

近年はハラスメントに対する社会的な関心、監視が強化されています。

ハラスメントは社員畏縮、パフォーマンスを下げるだけでなく、企業のコンプライアンスが厳しく問われる事案に発展する可能性もあります。

ハラスメントの回避策に答えはありませんが、1つのヒントになるのがGoogleが2016年に公表した、職場の心理的安全性について社内調査レポートです。

「効果的なチームとは何か」と題したこのレポートは、チームの生産性を高めるには、職場で自分の考えを述べたことによって誰かから非難されることがない「心理的安全性」が担保されていなければならないと結論しています。

職場の心理的な安全委が担保されれば、業務上の激励がハラスメントと受け取られるリスクもなくなります。

営業のチームの生産性を高めるために、心理的安全性を高めることも重要です。

参照元:「効果的なチームとは何か」を知る

まとめ

営業管理を徹底することで、日々の営業活動の目標が明確化になり、メンバーのモチベーションが向上します。

また、一元化された営業管理によって、営業プロセスが可視化され、情報の属人化を回避できます。それによって業務の省力化と効率化が可能です。

インサイドセールスの導入などで営業活動の分業化が進む中、これからの営業管理は、ITツールの導入と活用によって情報処理能力を高め、競合他社に負けない競争力を養っていく必要があります。

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営業DX Handbook 編集部

ライター

営業DX Handbook 編集部

Sansanが運営する「営業DX Handbook」の編集部です。DX推進や営業戦略、マーケティングノウハウなど、営業・マーケティング課題の解決に導く情報をお届けします。