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CRMでの顧客管理とは?主要機能から比較ポイントまで徹底解説
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顧客管理は多くの企業にとって重要な課題です。顧客情報の散在、営業活動の属人化、機会損失の発生などに悩むケースが少なくありません。
そこで導入されるのが、顧客情報を一元管理し、関係性を深めるためのシステム、CRM(顧客関係管理)です。
本記事では、CRMの基本から導入メリット、システム選定のポイント、成功事例まで、顧客管理の効率化に必要な情報を包括的に解説します。
使いにくい顧客データの問題を解決
CRM(顧客管理システム)とは?

CRMは『Customer Relationship Management(顧客関係管理)』の略で、顧客との関係性を構築・維持・強化するための考え方やシステムを指します。単に顧客情報を保存するだけでなく、営業活動やサポートを含むすべての顧客接点を一元管理し、顧客との良好な関係づくりを支援します。
従来のExcelなどでの管理とは異なり、データの共有と分析機能に優れており、組織全体での顧客対応品質向上を実現します。
CRMについては以下の記事で詳しく解説しているのでご参照ください。
CRMが注目される背景と市場動向
現在のビジネス環境では、顧客ニーズの多様化と競争激化により、従来の営業手法だけでは成果を上げることが困難になっています。コロナ禍を経て対面営業の機会が減少し、デジタルツールを活用した効率的な顧客管理の重要性が急速に高まりました。
Fortune Business Insightsによると、デジタル導入プラットフォーム市場は2023年に約702百万米ドル、2024年に約943.6百万米ドル、2032年には約3,660.4百万米ドルに成長すると予測されています(CAGR:約18.5%)
この急成長は、デジタル変革への企業の取り組み強化を示しており、CRMもその重要な要素として位置づけられています。
参照:「Digital Adoption Platform Market Size | Key Companies [2032]」Fortune Business Insights
CRMで顧客管理するメリット
CRMで顧客を管理するメリットは多岐にわたります。
ここでは従来の手法と比較して、特に効果がある3つのメリットに絞ってご紹介します。
1.顧客情報の一元管理で業務効率が大幅に向上する
CRMの最大の価値は、散らばっている顧客情報を一箇所に集約できることです。営業担当者のExcelファイル、マーケティング部門の管理表、サポート部門の記録など、部門ごとに分散していた情報がリアルタイムで共有されます。
情報一元化の具体的なメリット
- 必要な顧客データにすぐアクセス可能
- リアルタイムでの情報共有により、チーム全体の連携の強化が期待される
- 手作業によるデータ入力・検索時間を大幅に削減
過去の商談履歴や対応記録を瞬時に確認できるため、適切なフォローアップや提案が可能になります。営業担当者は本来業務である顧客との関係構築により多くの時間を割けるようになり、組織全体の営業力向上が期待されます。
2.データ分析により戦略的な営業活動が実現する
CRMに蓄積された顧客データは、営業戦略に活用できる資産です。顧客の購買履歴、行動パターン、コミュニケーション履歴などを分析することで、効果的なアプローチ方法が明確になります。
データ活用の具体的なメリット
- 顧客行動データの可視化で効果的なアプローチが可能
- 売上予測精度の向上により計画的な営業活動を実現が期待される
- 成約率の高い顧客セグメントを特定し、優先順位を最適化
これにより限られたリソースを最適配分することでき、営業効率が大幅に改善が期待されます。データに基づいた戦略的なアプローチにより、勘や経験に頼らない再現性の高い営業活動の実現が見込まれます。
3.顧客満足度向上でLTV(生涯顧客価値)が最大化される
CRMによる詳細な顧客情報管理は、パーソナライズされた顧客対応を可能にし、顧客満足度の向上が期待されます。
顧客価値最大化の具体的なメリット
- パーソナライズされた顧客対応で満足度向上が見込まれる
- アップセル・クロスセルの機会創出により売上拡大が期待される
- 顧客ライフサイクルに合わせた最適なサービス展開
適切なタイミングでの追加提案や長期的な関係構築により、一顧客あたりの生涯価値の最大化が期待できます。これにより、顧客離れを防ぎ、継続的な収益基盤を構築することが可能です。
これは、特定の顧客や企業に対して、そのニーズや課題に合わせたマーケティング活動を展開する手法「ABM」も深くかかわってきます。
ABMについては以下の記事で詳しく解説しておりますので、ご参照ください。
CRMで顧客管理する際の選定ポイント

CRM選定は機能比較だけではなく、自社の業務フローや組織体制との適合を重視する必要もあります。ここでは導入後の運用定着を見据えた5つの重要なポイントを解説します。
1.自社業務フローに適した機能の有無
CRM選定において重要なのは、自社に本当に必要な機能を明確に見極めることです。多機能なシステムが常に有効とは限らず、業務に合致しない機能が混在すると現場に混乱を招くおそれがあります。自社の営業プロセスや顧客対応フローに合わせて、必要最小限の機能を特定することが成功の鍵です。
使わない機能が多いと、画面が複雑になり現場の混乱を招きます。まずは現在の業務を整理し、CRMで解決したい課題を明確にした上で、その課題解決に直結する機能を持つシステムを選択しましょう。
2.使いやすさと操作性
CRMは機能性だけでなく、現場の担当者が無理なく使いこなせる操作性も重要な評価基準となります。
特に、メインで利用する営業担当者でも簡単に覚えられる操作性が求められます。複雑な操作が必要なシステムは定着率が低く、結果的に投資対効果が悪化してしまうため、無料トライアルを活用し実際の業務担当者に操作してもらった上で判断することが重要です。
3.サポート体制と導入支援の充実度
CRM導入には業務プロセスの変革も求められます。そのために、導入時にしっかりとサポートしてくれるベンダーを選ぶことが重要です。
初期設定やデータ移行に加え、現場への定着支援まで含めた包括的なサポート体制があると、導入後の運用負荷を軽減できます。日本語でのサポート対応や、業界特有の課題に対する理解度も確認しておきましょう。
4.他システムとの連携
現在使用している会計システムやメール配信ツール、名刺管理システムなどとの連携が出来るかどうかは必須の確認事項です。データの重複入力を防ぎ、業務の効率化を図るには既存システムとのスムーズな連携が不可欠です。
将来的に他のツールとつなげる可能性も考慮し、API連携やデータエクスポート機能の充実度も評価項目に含めましょう。特に、MAツールやSFAとの連携は、営業活動の効率化に大きく影響します。
5.コストパフォーマンスと料金体系
CRMのコストは、初期費用だけでなく維持費も含めた総額で判断する必要があります。月額料金の他に、カスタマイズ費用、サポート費用、追加ユーザー料金なども含めて計算しましょう。
料金プランが自社の規模や成長計画に合っているかも重要です。少人数で導入し、段階的にスケールアップできるプランを選ぶことで、初期投資の負担を抑えることが可能です。
無料版CRMと有料版CRMの違い
CRM導入を検討する際、まず無料版から始めるか、最初から有料版を選ぶかで悩む企業も多いでしょう。それぞれの特徴と制限を理解し、自社の状況に応じた判断をすることが重要です。
無料版CRMは基本機能を提供する一方で、ユーザー数やデータ容量、カスタマイズ範囲などに制限がある場合が多く、全社導入には不向きなこともあります。
サポート体制も限定的で、電話サポートやチャットサポートが利用できない場合もあります。
項目 | 無料版CRM | 有料版CRM |
|---|---|---|
ユーザー数 | 3-5名程度に制限 | 無制限または柔軟な拡張 |
データ容量 | 数千件程度 | 大容量または無制限 |
サポート | メールのみ | 電話・チャット・専任担当 |
カスタマイズ | 基本機能のみ | 自社仕様への詳細カスタマイズ |
有料版のCRMは、ユーザー数やデータ容量が無制限になることに加え、高度な分析機能や自動化機能がある場合が多くあります。専任サポートによる導入支援や定着支援も受けられるため、確実な成果を求める企業には有料版が適しているでしょう。
CRM連携におすすめのデータやツール

CRMの真価は他システムとの連携により発揮されます。
ここでは、営業活動の全体最適化を実現するための、主要な連携ツールとその効果について解説します。
SFA(営業支援システム)
SFAとCRMの連携により、営業プロセス全体の可視化と効率化が行われます。顧客情報と案件情報が一元管理され、営業活動の進捗状況をリアルタイムで把握できます。
SFAとCRMの連携により、マネージャー層は営業進捗を的確に把握し、必要なタイミングでのサポートが可能になります。これにより、営業チーム全体の活動を支援しやすくなります。また、顧客情報と案件情報の一元化により、過去の商談履歴を踏まえた戦略的なアプローチも実現できるでしょう。
SFAの選び方についてはこちらの記事で解説しておりますので、ご参照ください。
MA(マーケティングオートメーション)
MAとCRMの連携により、リード獲得から商談化・顧客化に至るまでのプロセスを自動化することで、マーケティング業務の効率化が可能になります。見込み客の行動データに基づいた自動的なフォローアップにより、営業機会を逃さず顧客化を促進できるのです。
これにより、マーケティング施策の効果測定も容易になり、ROIの高い施策への集中投資が可能になります。カスタマージャーニー全体を通じた一貫した顧客体験を作ることが出来るため、ブランド価値の向上も期待できるでしょう。
MAについてはこちらの記事で詳しく解説しておりますので、ご参照ください。
名刺管理ツール
名刺管理ツールとCRMの連携によって、営業活動の起点となる人脈情報をより効率的に活用できるようになります。交換した名刺情報が自動的にCRMに登録されるなどの機能があり、データ入力の手間が大幅に削減されます。
また、名刺情報のデータ化と営業管理の紐づけにより、人的ミスを防ぎ正確な顧客情報の管理が可能になります。リアルタイム更新による顧客情報の鮮度維持により、タイムリーなフォローアップが実現します。
Sansanは『Salesforce』や『HubSpot』との連携機能を備えており、情報の一元管理や更新の効率化が期待できます。
上記ツールをすでに導入している企業は、Sansanを併せて導入することで、社内に眠っている人脈・名刺情報を、営業活動に活用することができるでしょう。
詳しくは、以下で詳しく解説しておりますので、ご参照ください。
SansanとCRMの連携事例
ここでは、実際の企業でのSansanとCRM連携による効果を、具体的な事例で紹介します。
日本ビジネスシステムズ株式会社では、Sansanを全社導入したことにより、名刺をスキャンするだけでAPI連携されたMicrosoft Dynamics 365に自動的に顧客データが反映されるようになったためデータ入力の手間と時間が大幅に削減されました。
従来は営業担当者が手作業で名刺情報をCRMに入力していましたが、名刺情報の登録作業が自動化されたことで、営業担当者は本来業務に集中しやすくなりました。
さらに同社では、Sansanのデータ連携ソリューションを活用した顧客データのクレンジングにより、約4200件の顧客データの重複が短期間で解消されています。データの正規化・統合によってビジネスの効率性と正確性が大幅に向上し、見積書作成や商談管理などの業務プロセスがより正確で効率的になったのです。
営業担当者、エンジニア、経営層それぞれが持つつながりの情報を即座に把握できることで、ビジネスをよりスピーディーに展開できるようになっています。
まとめ
CRMによる顧客管理は、競争環境が激化する現代において、企業成長を支援する有力な手段の一つといえます。顧客情報の一元管理による業務効率化、データ分析による戦略的営業活動の実現、顧客満足度向上による長期的な収益拡大という3つの大きなメリットが、営業活動の革新を支えるでしょう。
CRM選定では、自社の業務フローとの適合性、使いやすさ、サポート体制、他システムとの連携性、コストパフォーマンスの5つのポイントを重視することが成功の鍵です。無料版から始めて段階的に機能を拡張する方法も有効ですが、本格的な成果を求める場合は有料版の導入を検討しましょう。
SFAやMA、名刺管理ツールとの連携により、CRMの価値はさらに拡大します。特に名刺管理ツールとの連携は、営業活動の起点となる人脈情報の効率的な活用を実現し、営業プロセス全体の最適化に貢献します。自社の課題と目標を明確にした上で、最適なCRMと連携ツールの組み合わせを選択し、顧客管理の効率化と売上向上を実現してください。

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ライター
営業DX Handbook 編集部





