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【テンプレート付】営業日報とは?目的や必要な項目、管理法まで徹底解説
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営業日報は単なる報告書ではなく、営業力の強化と進捗管理のための重要なツールです。本記事では、営業日報の目的から具体的な活用法、営業日報を活用したマネジメント手法まで詳しく解説します。読み終えた頃には、チーム全体の営業力を向上させる方法が理解できるでしょう。
「営業日報を活用して営業活動を改善したい」「営業日報の標準化や連携ができていない」とお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
営業日報を効率化する
営業日報の目的は進捗管理と営業力強化

営業日報には二つの主要な目的があります。一つは進捗管理、もう一つは営業力強化です。適切に活用することで、組織全体の生産性向上と成果の最大化が図れます。
営業日報は、マネジャーには戦略立案の基礎となり、営業担当者には自己改善の機会となるツールです。以下、管理者、営業担当者の両視点で目的を解説します。
マネジャーにとっての営業日報の目的
営業日報はマネジャーにとって不可欠な管理ツールです。チームの活動を可視化し、効果的な指導と戦略立案を可能にします。
進捗・課題の把握と戦略見直し
営業日報は、チームの進捗状況や課題を把握するためのツールです。日々の営業活動の詳細な記録が、チーム全体の動向を正確に反映するため、営業日報を通じて、各担当者の進捗や直面している課題を把握できます。
ある営業担当者が新規顧客の獲得に苦戦している場合、原因を分析し、適切なサポートやアドバイスが可能です。営業日報を活用して現状の課題を早期に発見し、戦略の見直しや改善が迅速に行えます。
フィードバックと営業力向上
営業日報は、マネジャーが効果的なフィードバックを行い、チーム全体の営業力を向上させるための基盤となります。
例えば、営業日報から既存顧客との関係構築に優れていることが分かれば、マネジャーは強みを生かしたアドバイスやトレーニングの提供が可能です。メンバーの成長が促進され、チーム全体の営業力が向上した結果、組織の顧客満足度売り上げが向上し、長期的な事業成功が実現できるでしょう。
営業担当者にとっての営業日報の目的
営業担当者にとって、日報作成は活動を振り返り、改善点を見いだす自己分析のツールです。上司や同僚との情報共有を促進し、チーム全体の営業力向上にも貢献するため、単なる業務報告以上の意味があります。
稼働状況の振り返りと効率化
営業担当者にとって、営業日報は自身の稼働状況を振り返るための重要なツールです。日々の営業活動を記録して自身の活動を客観的に見直せます。
例えば、特定の活動に多くの時間を費やしていることが営業日報からわかった場合、次の日からは時間を短縮するなど、効率的な方法を模索できます。振り返りのプロセスを繰り返すことで、営業活動全体の効率化が図れるでしょう。
成功・失敗の分析と次の計画立て
営業担当者が営業日報を作成する理由は、成功と失敗の分析を通じて次の計画を立てるためです。ある商談が成功した場合、成功要因を具体的に記録し、次回以降の商談に生かすことができます。一方で、失敗した場合は原因を分析し、次回は同じ失敗を繰り返さないことが重要です。
営業日報を通じて自己分析を行い、次のアクションプランを立てることで、営業活動の質が向上します。
会社全体にとっての営業日報の目的
会社全体の視点では、営業日報を通じて得られる顧客の声や市場動向は、経営判断に欠かせない貴重な情報資源です。
組織的な営業ノウハウの蓄積は、営業日報の最も重要な目的の一つです。個々の営業担当者が培った成功事例や対応方法を共有することで、チーム全体のスキル向上につながります。
さらに、新人教育の教材としても活用でき、組織の知識基盤を強化する効果があります。過去の成功パターンを分析すれば、効率的な営業手法の標準化も可能です。
同時に、営業日報は経営層にとって市場の動きを把握するための重要な情報源です。現場からのリアルタイムな情報は、迅速な意思決定を支援します。特に顧客ニーズの変化や競合動向などは、製品開発や販売戦略の見直しにつながる貴重な情報となるでしょう。
このように営業日報は、組織の知的資産形成と戦略的経営判断を支える重要なツールなのです。
業務別営業日報テンプレート
営業活動は業務形態によって大きく異なるため、それぞれの特性に合わせた日報テンプレートの使用が効果的です。適切なテンプレートを活用することで、必要な情報を漏れなく収集しながら、記入の負担を最小限に抑えることができます。
以下では、代表的な営業スタイル別に最適化されたテンプレートを紹介します。
インサイドセールス用テンプレート
インサイドセールスの日報では電話やメールなどの非対面営業活動の効率と成果を測定することが重要です。
架電数・コンタクト数・アポイント獲得数といった定量指標を重視しテンプレート化することで、活動と成果の関係性を可視化できます。
テンプレート例
項目 | 記録内容 |
---|---|
日付・担当者名 | 20XX年XX月XX日 ○○営業部 △△ |
活動数値実績 | ・架電数:XX件 ・応対数:XX件 ・アポ獲得数:X件 |
時間帯別分析 | ・9-11時:架電X件/応対X件/アポX件 ・13-15時:架電X件/応対X件/アポX件 ・15-17時:架電X件/応対X件/アポX件 |
主な商談内容 | ・A社:予算確認、仕様説明実施 ・B社:競合比較資料を要求 ・C社:決裁者へのアプローチ方法を検討中 |
顧客の反応・気づき | 今回の新商品の価格帯に関する質問が多く、競合との比較表が必要と感じた。 特に保守サポート面での違いを説明する資料が求められている。 |
明日の予定 | ・D社フォローアップ(見積提出) ・E社への製品説明資料準備 ・新規リスト XX件へのアプローチ |
上長への報告・相談事項 | B社案件について、特別価格での提案が必要な状況。決裁限度額を超えるため相談したい。 |
フィールドセールス用テンプレート
フィールドセールスは、訪問先の詳細情報と移動時間・商談時間の効率化が重要です。顧客との対面営業では質的な情報が特に価値を持つため、顧客の反応や競合情報などを詳細に記録できる構成が効果的です。
テンプレート例
項目 | 記録内容 |
---|---|
日付・担当者名 | 20XX年XX月XX日 ○○営業部 △△ |
訪問スケジュール | ・10:00-11:30 A社(東京都渋谷区) ・13:00-14:30 B社(東京都新宿区) ・15:30-17:00 C社(東京都千代田区) |
訪問先詳細情報 | ・A社:担当者○○氏、部署長△△氏同席 ・決裁権者:◇◇部長(次回面談予定) ・案件予算規模:約○○万円 |
商談内容と進捗状況 | A社との商談では導入事例を紹介し、自社サービスの運用イメージを具体化。 特に保守体制について詳細な質問があり、専門部署からの情報提供が必要。競合他社X社も提案中だが、納期面で当社に優位性あり。 |
顧客ニーズ・課題 | 現行システムの保守期限が切れるため、6月までに新システム稼働が必須条件。社内のIT担当者不足が課題で、導入後のサポート体制を重視している。 |
競合情報 | X社が類似製品を提案中。価格は当社より10%程度安いが、サポート体制は当社が優位。 Y社は検討から外れた模様。 |
次回アクション | ・A社:サポート体制の詳細資料作成(5/10締切) ・B社:見積書提出(5/8締切) ・C社:デモ環境準備(5/15予定) |
経費情報 | ・交通費:3,500円 ・接待費:6,000円(B社担当者との昼食) |
ルート営業用テンプレート
ルート営業は定期的に同じ顧客を訪問するため、在庫状況や陳列状態など店舗環境の変化を記録することが重要です。過去の訪問履歴や購買パターンと照らし合わせることで、効果的な提案や販促活動につなげることができます。
テンプレート例
項目 | 記録内容 |
---|---|
日付・担当者名 | 20XX年XX月XX日 ○○営業部 △△ |
訪問店舗リスト | ・A店:10:00-10:45 ・B店:11:15-12:00 ・C店:13:30-14:15 ・D店:15:00-15:45 |
店舗別在庫状況 | ・A店:商品X(残5個/適正8個)、商品Y(残3個/適正6個) ・B店:商品X(残7個/適正8個)、商品Y(残1個/適正6個) |
陳列・販促状況 | ・A店:エンド陳列実施中、POP設置済み ・B店:特売情報の更新が必要、競合商品が目立つ位置に移動 |
販売動向・顧客反応 | A店では先週末のチラシ効果で商品Xの動きが良く、追加発注の意向あり。B店では競合新商品の影響で当社商品Yの売り上げが低下傾向。価格帯の見直しを検討中。 |
受注内容 | ・A店:商品X 10個、商品Z 5個(5/10納品予定) ・B店:商品Y 5個(至急納品希望) |
店舗からの要望・情報 | A店で6月の創業祭に向けた特別販促を計画中。当社商品の特別価格対応の可否を確認したい。C店では新規客層向けの商品提案を求められている。 |
次回訪問アクション | ・A店:新商品サンプル持参(5/15予定) ・B店:売場レイアウト提案資料作成 |
プロジェクト進捗管理用テンプレート
複数のステークホルダーが関わる大型案件では、案件ステータスと期日管理を重視したガントチャート形式のテンプレートが効果的です。各フェーズの進捗状況や課題を可視化することで、プロジェクト全体の健全性を把握し、必要な介入をタイムリーに行うことができます。
テンプレート例
項目 | 記録内容 |
---|---|
日付・担当者名 | 20XX年XX月XX日 ○○営業部 △△ |
プロジェクト概要 | ・案件名:A社基幹システム刷新プロジェクト ・契約金額:○○○万円 ・全体工期:20XX/4/1~20XX/9/30 |
フェーズ別進捗状況 | ・要件定義:完了(4/30) ・基本設計:進行中(60%、5/31完了予定) ・詳細設計:未着手(6/1開始予定) |
本日の活動内容 | A社システム部との基本設計レビュー会議を実施。データ連携部分の仕様変更要望あり。現在影響範囲を検討中。技術責任者との協議が必要な事項が3件発生。 |
課題・リスク | ・データ連携仕様変更による工数増加の可能性 ・クライアント側キーパーソンの異動情報 ・サーバー調達の納期遅延リスク |
重要決定事項 | ・追加要件(レポート機能)は別フェーズとして切り分け ・テスト環境は5/20までに構築完了することで合意 |
関係者コミュニケーション | ・クライアント担当者○○氏:5月10日までに仕様変更に関する社内調整を実施 ・社内技術部△△氏:5月8日までにデータ連携の技術検証を完了予定 |
次のアクション | ・データ連携仕様変更の影響調査(5/8締切) ・追加レポート機能の見積作成(5/12締切) ・技術部との連携会議設定(5/9予定) |
営業日報で実現する3つのメリット

営業日報の活用により、実現するメリットは以下の3つです。
- 行動改善による営業効率の向上
- 情報共有でチーム全体の営業力強化
- 営業活動のデータベース化による戦略の精度向上
営業日報は、個人の生産性向上からチーム全体の戦略立案まで、幅広いメリットをもたらします。
1.行動改善による営業効率の向上
営業日報の活用は、営業活動の効率向上に大きく貢献します。日々の業務を記録し振り返ることで、営業担当者は自身の行動パターンを分析し、改善点を見つけられます。無駄な時間や労力を削減し、より効果的な営業戦略の立案が可能です。
アポイントメント管理の徹底や商談内容の正確な記録により、顧客対応の質が向上します。ツールと連携することで、顧客情報の一元管理が実現し、日報作成の効率化にもつながるでしょう。
2.情報共有でチーム全体の営業力強化
営業日報は情報共有ツールとして、チーム全体の営業力を強化します。日々の活動記録を共有することで、個々の成功事例や失敗経験がチーム内で広まり、全体のスキル向上につながるからです。効果的なアプローチ方法が共有されれば、他のメンバーも即座にまねをして活用できます。失敗事例を共有することで、同様のミスを未然に防ぐことが可能です。上司や同僚からのタイムリーなフィードバックも得られ、個々の改善点が明確になり、迅速な対応が可能になるでしょう。
3.営業活動のデータベース化による戦略の精度向上
営業日報によるデータベース化は、営業戦略の精度向上と顧客満足度の改善をもたらします。日々の営業活動を書き残し、ナレッジを蓄積することで、将来の営業戦略立案や顧客対応改善に貢献するからです。
顧客ごとの商談履歴を日報に記録し、データベース化することで、過去のやり取りが簡単に参照できます。担当者が変更になった場合でも円滑な引き継ぎが可能となるため、顧客満足度の維持や向上につながるでしょう。
【例文あり】営業日報の項目と書き方

営業日報の作成には、適切な項目設計と明確な書き方が重要です。ROI最大化を目指した項目選定や、読みやすさを重視した記述方法を通じて、日報作成のポイントを解説します。
ROI最大化のための最適な日報項目設計
営業日報の項目設計は、ROI(投資収益率)を最大化するために重要です。適切な項目設計により、営業活動の透明性が高まり、効率的なフィードバックと戦略的な改善が可能になります。
ROIを最大化するための営業日報の項目設計は以下のとおりです。
項目 | 記載内容 | 効果 |
---|---|---|
当日の目標 | 当日の具体的な行動目標 | 明確な目標設定による活動の焦点化 |
商談内容 | 顧客との対話の要点 | 顧客理解の深化 |
案件確度 | 商談の進捗状況 | 精度の高い売上予測 |
業務実績 | 実施した活動 | パフォーマンス測定 |
振り返り | 成功要因 | 継続的な学習 |
次回アクションと日付 | 次のステップ | フォローアップの実行 |
営業日報を書くポイント
営業日報は、適切に活用することで営業部門の成果につながる可能性がある一方で、形骸化のリスクがあります。
以下のポイントを押さえて、効果的な営業日報を作成しましょう。
簡潔で読みやすい文章を心がける
上司や同僚がすぐに内容を把握し必要なフィードバックをできるようにするため、営業日報は簡潔かつ読みやすい文章で作成することが重要です。長文や曖昧な表現は情報の正確な伝達を妨げ、業務効率を低下させる可能性があります。
営業日報に記載する場合は「本日の商談では、新製品についての詳細説明を行い、顧客からの質問に対応しました」といった、簡潔な文章が適切です。
所感と感想の違いを押さえて書く
営業日報を書く際には、所感と感想の違いを押さえて書くことも大切なポイントです。所感は、営業活動を通じて得られた具体的な気づきや学びを指し、感想は単なる感情や印象を指す言葉です。
営業日報を書く場合、感想のみでは具体的な改善策に結びつきません。感想のみでは、日報を通して内省し、業務の改善につなげるという習慣付けにつながりづらいからです。そのため、日報には所感の記載を原則にすることで、次回の改善点や新たなアプローチのヒントが得られます。
所感を書くコツは下記が挙げられます。
- 自己分析と具体的な行動計画を盛り込む
- 組織全体の成長につながる内容を含める
- 観察結果に基づく推論を展開する
以下は、コツを含めた所感の記入例です。
今日の商談では顧客のニーズをしっかりとヒアリングできましたが、製品の技術的詳細について十分に説明できなかった部分が反省点です 次回は事前に技術部門と連携し、より具体的な説明資料を準備します 顧客の業界特有の課題が他の顧客にも当てはまる可能性があると考えられるため、営業部門全体で共有し、新たな提案戦略の構築に生かせると考えます 顧客の反応から、コスト面での懸念が大きいと推測されるため、次回はROIを重視したプレゼンテーションを行う必要があると仮説を立てました |
所感と感想の違いを押さえて記載することで営業日報の質が向上し、営業活動の改善につながります。
具体的な次のアクションを明確にする
営業日報は、具体的な次のアクションを必ず記載するように徹底しましょう。次のステップを明確にすることで、計画的なアプローチが可能となり、上司や同僚からの具体的なフィードバックも得やすくなります。
たとえば、
「次回の商談では、今回ヒアリングした内容を基に、新製品のデモンストレーションを行います」といったように、具体的に記載することで、営業活動の計画性が高まるでしょう。
営業日報の書き方と例文
効果的な営業日報作成には、明確な構造と具体的な内容が重要です。
1日の流れに沿って、実際の業務内容を基にした4つのステップで、営業日報の書き方を解説します。
STEP 1.1日の目標を設定する
営業日報の作成において、まずは1日の目標設定が重要です。出社後、メールチェックとスケジュールの確認を行い、1日の目標を設定します。
▼目標の記入例は以下のとおりです。
荷電50件→アポイントメント獲得5件 |
たとえば「荷電50件→アポイントメント獲得5件」「C社のクレーム対応を午前中に担当者へ連絡」など具体的な目標を立てることで、業務の方向性が明確になります。
1日の目標を設定し、業務の優先順位を明確にすることで、効率的な営業活動が実現可能です。
STEP2.当日の業務実績を記入する
営業活動が終了した後に、当日の業務実績を正確に記入します。業務実績を記入して1日の活動を振り返ることで、実績と目標のギャップを把握することが可能です。詳細な記録は、今後の営業戦略や改善点を見つけるための貴重なデータとなります。
▼業務実績の記入例は以下のとおりです。
時間 | 業務 | 内容 |
---|---|---|
9:00~10:00 | メール対応 | 顧客からの問い合わせに返信 |
10:00~11:00 | 商談 | 商談先:H社 |
11:00~12:00 | クレーム対応 | I社へ電話対応 |
13:00~15:00 | テレアポ | 架電40件 |
15:00~17:00 | プレゼン資料作成 | K社のプロジェクト提案資料を作成 |
たとえば、業務実績の記入例として「9:00〜10:00 メール対応: 顧客からの問い合わせに返信し、スケジュール調整を実施」「10:00〜11:00 商談: 商談先H社、担当山田部長、目的は次期予算とニーズの把握。受注確度は60%」など、具体的な時間帯と活動内容を記録します。
STEP 3.1日の振り返りをする
1日の終わりに振り返りを行い、結果を記入します。1日の振り返りを行うことで、目標達成度を評価し、改善点の発見が可能です。
▼振り返りの記入例は以下のとおりです。
目標 | 結果と振り返り |
---|---|
テレアポ | 実績: 架電42件 目標を超えてアポイントメントを獲得。次回はアプローチ方法を見直し、さらに効率を上げる |
H社の次期予算とニーズの把握 | 結果: 予算は300万円、ニーズは新商品の導入検討中 振り返り: ニーズの詳細をさらに掘り下げる必要あり。次回の商談で具体的な提案を準備する |
I社のクレーム対応 | 結果: 代替案に納得してもらえた 振り返り: 今後も迅速な対応を心がける |
STEP4.翌日の目標を立てる
最後に翌日の目標を立てます。目標を立てることで業務の計画性が高まり、より効果的な営業活動が実現できます。
▼翌日の目標の記入例は以下のとおりです。
荷電45件、アポイントメント獲得5件 |
営業日報が効果を発揮しない理由

営業日報は重要なツールですが、適切に運用されないと期待した効果が得られません。以下、営業日報が効果を発揮しない6つの主な理由を解説します。
問題点を理解し、改善して日報の効果を最大化しましょう。
- 目的が不明確で日報が形骸化する
- 非効率な日報作成に時間がかかる
- 場所の制限で情報が遅延する
- データが活用されず機会を失う
- 履歴が見えず過去記録が活用されない
- 時間不足でフィードバックが足りない
1.目的が不明確で日報が形骸化する
営業日報の目的が不明確であると効果が十分に発揮されません。具体的な目標設定がなされていない場合、達成度の評価が曖昧になり、営業戦略の適切な見直しができなくなります。日報が単なる作業の記録にとどまってしまい、本来の価値が失われてしまうからです。
目的に基づいて必要な情報を記入し、分析することで、営業活動の改善が可能となります。
2.非効率な日報作成に時間がかかる
日報作成に多くの時間を要することも、営業日報の効果を減少させる要因の一つです。特に手作業での日報作成は時間を要し、実際の営業活動に充てられる時間が減少してしまいます。
非効率な営業日報の作成を解決するためには、SFA(Sales Force Automation:営業支援システム)の利用が効果的です。多くのSFAは下記の機能を提供し、日報作成の作業効率を改善します。
- データの自動収集と統合
- テンプレートを使用した簡易入力
- リアルタイムな情報共有
- モバイル対応による外出先からの入力
SFAを活用することで、日報作成にかかる時間を短縮し、営業担当者の生産性向上が実現可能です。結果として、多くの時間を営業活動に充てられるため営業成果の向上が期待できるでしょう。
3.場所の制限で情報が遅延する
営業日報の効果を妨げる要因として、場所の制限による情報の遅延があります。オフィス外での情報更新が遅れると、タイムリーな対応が困難になり、業務効率の低下を招くでしょう。
特に外出先での情報更新が遅れる場合、顧客対応に遅延が生じる可能性があります。リアルタイムで情報が更新できるツールを活用することで、顧客対応の遅延防止が可能です。
4.データが活用されず機会を失う
蓄積された営業日報がデータとして十分に活用されないことは、効果を減少させる要因の一つです。データの活用が不足すると、業務改善や戦略立案に結びつかず、貴重なビジネスチャンスを逃す可能性があります。
ミスを防ぐためには、過去のデータを効果的に分析して戦略に生かすことが重要です。
5.履歴が見えず過去記録が活用されない
過去の記録や履歴が適切に管理されず、活用されないことは、営業日報の効果を減少させます。過去の記録が見えないと、同じ失敗を繰り返したり、重要な情報を見逃したりする可能性が高まり、営業戦略の継続的な改善が困難になるでしょう。
過去の商談履歴や顧客情報を一元管理し、次回の戦略立案に活用することが必要です。
6.時間不足でフィードバックが足りない
時間不足によるフィードバックの不足は、営業日報の効果を減少させる要因です。日報提出後にフィードバックが行われないと、改善点が見逃される恐れがあります。十分なフィードバックが行われないことで、担当者のモチベーションが下がる可能性もあるでしょう。
フィードバックを効率的に行うためには、適切なツールを活用し、限られた時間を有効に使うことが重要です。
営業日報を活用した効果的マネジメント手法

営業日報は、適切に活用することで強力なマネジメントツールとなります。SFAの導入や、データに基づいた効果的なフィードバック手法により、営業プロセスの改善が可能です。
SFA導入で実現する業務プロセスの革新
SFAの導入により、営業活動全体が効率化することで、生産性向上が可能です。多くのSFAは案件管理機能を搭載し、訪問件数や売上予測を自動で集計できるため、データの整備や分析が簡単になるメリットがあります。
SFAとは | |||
---|---|---|---|
SFA(Sales Force Automation)は、営業活動を自動化・効率化するためのシステムです。主な機能には、顧客管理や活動管理、分析機能などがあります。SFAを活用することで、営業プロセス全体を可視化し、生産性の向上が可能です。 | |||
例えば、訪問件数の自動集計により、営業担当者はより効果的な訪問スケジュールを立てられます。
SFAを導入することで、実現する業務プロセスは下記のとおりです。
リアルタイムな情報共有 | チーム全体で最新の顧客情報を即座に共有できる |
---|---|
自動データ集計と分析 | 手作業を減らし、正確なデータを迅速に得られる |
履歴管理の効率化 | 過去の営業活動が簡単に確認でき、次のアクションに生かせる |
業務フローの最適化 | 営業プロセスの無駄を省き、よりスムーズな業務運営を実現する |
データに基づく判断と行動 | 信頼性の高いデータをもとに、戦略的な意思決定を行う |
SFAの導入により、営業日報が戦略的な意思決定を支援する強力なマネジメントツールへと進化します。
データに基づく的確なフィードバック方法
営業日報から得られるデータに基づくフィードバックにより、主観的な評価を排除し、客観的で効果的な指導が可能になります。
例えば、顧客との初回接触時に必要な情報収集が不十分であったことがデータから判明した場合、次回の訪問前に詳細な顧客情報を再確認し、より準備を整えた状態でアプローチするよう指導できるでしょう。
データを活用した効果的なフィードバック方法には下記が挙げられます。
KPIの可視化 | 目標達成度を明確にし、進捗を把握する |
---|---|
トレンド分析 | 長期的なパフォーマンスの変動を把握し、改善点を見いだす |
ベンチマーキング | 他の営業担当者と比較し、パフォーマンスの基準を設け |
成功パターンの抽出 | 成功したアプローチを分析し、再現性のある戦略を策定する |
予測分析の活用 | 未来の営業成果を予測し、戦略を事前に調整 |
定量的な目標設定 | 具体的な数値目標を設定し、達成度を明確にする |
データに基づくフィードバックにより、営業担当者が自身の強みや改善点を明確に把握し、モチベーション向上と継続的な成長につながります。
過去の日報データを活用した営業戦略の最適化
日々蓄積される営業日報のデータは、戦略的な意思決定のための貴重な資源となります。営業活動の季節性や周期性を把握することで、リソース配分の最適化や効果的なキャンペーン時期の設定が可能になります。
例えば年度末や特定月に受注が集中する業界では、その繁忙期に向けた準備を計画的に行うことができます。
長期間の日報データを分析することで、チーム全体のスキルマップを可視化することも可能です。誰がどのような商談に強みを持つのか、どの営業手法が高い成約率をもたらすのかといった知見を得ることで、人材配置や教育計画の最適化につながるでしょう。
特に成功事例と担当者のスキルセットの関連性を分析することで、効果的な営業ノウハウの体系化も実現できます。
分析視点 | 活用データ | 戦略への応用 |
---|---|---|
時季変動分析 | 月別・四半期別の商談数と成約率 | 繁忙期に向けた人員配置と準備計画の最適化 |
業種別成功要因 | 業種ごとの成約案件の特徴と提案内容 | 業種別の提案テンプレートの作成と標準化 |
個人スキル分析 | 担当者別の得意商材・顧客タイプ | 強みを生かした案件アサインと弱点強化計画 |
営業手法効果測定 | 手法別の商談進捗率と成約期間 | 効果的な営業プロセスの標準化と教育内容への反映 |
過去の日報データに基づく分析結果は、日々の営業活動だけでなく中長期的な戦略立案にも有効です。これにより、時代に合わせた営業スタイルの進化や、新たな営業手法の開発につなげることが可能になります。
まとめ
営業日報は、営業活動の効率化と成果向上に役立つツールです。
営業日報の活用効果を高める手段の一つとして、営業DXサービス「Sansan」のコンタクト機能があります。
Sansanのコンタクト機能は、名刺交換をした相手に対して、面会やメール、電話などの接点を人物ごとに紐づけて記録できます。全社で情報共有が可能なため、また、全社で記録を検索・参照できるため、営業活動の透明化や迅速な情報共有を促進します。
特に、コンタクトフォロー機能を使えば、部下の活動記録を翌朝に受け取り、従来の営業日報の代替として活用することなどが可能です。営業日報管理を効率化したいとお考えの方は、ぜひSansanをご活用ください。

3分でわかる Sansan
営業DXサービス「Sansan」について簡潔にご説明した資料です。

ライター
営業DX Handbook 編集部