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CRMのデータ連携とは?メリットや注意点・具体的な連携方法を解説

CRMのデータ連携とは?メリットや注意点・具体的な連携方法を解説

CRM(顧客管理システム)は、SFAやMA、名刺管理ツールなどと連携させることによって、業務効率化や生産性アップ、顧客対応品質の改善を実現できます。

しかし、具体的な連携イメージがわかず、CRMのデータを最大限活用できていない企業も少なくありません。

そこで本記事では、CRMとのデータ連携がおすすめのツールを紹介するとともに、連携する際のメリットや注意点、具体的な連携方法や成功事例まで解説しました。

CRMのデータを連携させ、営業プロセスの効率化を実現したい方は参考にしてください。

CRMのデータ連携とは

CRMのデータ連携とは、CRM(顧客管理システム)で管理されている顧客情報を、他のマーケティングツールや業務システムと共有する仕組みを指します。

各ツールとCRMのデータを連携させることで、情報共有を円滑化し、営業効率の向上が可能です。

CRMで連携できるデータの種類

CRMによって連携できる主なデータは、次の表の通りです。

データの種類

管理項目

活用方法

顧客情報

  • 企業名
  • 担当者名
  • 所属部署
  • 連絡先 など

顧客の属性管理

営業プロセス関連

  • リード情報
  • 商談進捗
  • 商談履歴
  • 見込み売上額 など

営業活動の効率化

取引関連

  • 購入商品/サービス
  • 購入日
  • 購入金額
  • 取引回数
  • 最終購入日 など

購買傾向の分析

コミュニケーション関連

  • 問い合わせ内容
  • 対応履歴
  • メール配信状況
  • クレーム履歴 など

顧客対応の一元管理

マーケティング関連

  • メルマガ開封率
  • イベント参加履歴 など

マーケティング施策の改善

上記のデータを他のマーケティングツールや業務システムと連携させることで、情報の一元管理や入力業務の効率化、顧客満足度の向上などを実現できます。

CRMとのデータ連携におすすめのツール

CRMとの連携に推奨されるツールを示した図

CRMとのデータ連携がおすすめのツールには、次の7点があげられます。

MA

MA(マーケティングオートメーション)とCRMのデータを連携させることで、リード情報の一元管理、マーケティング施策の精度向上へとつなげられます。

例えば、CRMで管理している顧客情報のうち、メールマガジンの開封率、イベントやキャンペーンへの参加率などの行動データを連携させれば、ターゲティングの最適化が可能です。

また、CRMの顧客情報をベースにリードスコアリングの評価基準を作ることで、スコアリングの精度が上がり、より正確にホットリードを把握できます。

SFA

SFA(営業支援システム)とCRMのデータ連携も、戦略的な営業活動に効果的です。

SFAとCRMを連携させれば、営業担当者が入力した顧客情報や対応履歴、商談履歴、案件の進捗状況などを一つのシステムで一元管理できます。これにより、営業部門・マーケティング部門での情報共有が効率化されます。

また、CRMで蓄積されている過去の対応履歴や商談履歴も把握できることで、より個別に最適化されたアプローチも可能です。

CMS

CMS(コンテンツマネジメントシステム)とCRMの顧客データを連携させ、より顧客の興味・関心に寄り添ったマーケティング施策を展開するのも一つの手段です。

例えば、ユーザーのWebサイト閲覧履歴とCRMの顧客情報をあわせて活用すれば、コンテンツ提供をパーソナライズできます。また、Webサイトにおける行動データをCRMに連携させれば、顧客がどのようなニーズを抱えているかさらに深掘りできるでしょう。

その結果、顧客エンゲージメントの向上や効果的なアプローチを実現可能です。

名刺管理ツール

名刺管理ツールの場合、CRMとのデータ連携によって名刺データの入力の手間をカットできます。

名刺管理ツールで登録されたデータを自動でCRMに反映できれば、あとで再度入力する必要がありません。手入力の手間が減るため、入力もれや入力ミス、データの重複もなくなるのがうれしいポイントです。

また、CRMの顧客データと名刺管理ツールのデータを連携・突合すれば、情報の陳腐化防止にも役立ちます。

CTIシステム

CTIシステムは、CRMとのデータ連携が欠かせないツールと言っても過言ではありません。CTIシステムとは、電話やFAXとコンピューターを統合するシステムです。CTIシステムとCRMが連携されていれば、着信時に顧客情報を自動で表示し、これまでの対応履歴・購買履歴に沿った質の高い対応を実現できます。

また、通話履歴を自動でCRMに連携させることで、コミュニケーションを可視化でき、他のオペレーターが担当する際にも引き継ぎがスムーズです。

メールやチャットなどのコミュニケーションツール

顧客とのやりとりに用いるメールやチャットなどのコミュニケーションツールも、CRMと連携することでより便利に活用できます。

例えば、メールやチャットでの対応履歴を自動でCRMに連携させれば、コミュニケーション全体を一元管理でき、無駄のないフォローアップが可能です。

また、顧客対応時には過去のやりとりを参照できるので、迅速かつ的確にアプローチでき、顧客満足度の向上にも貢献します。

ERP

ERP(統合基幹業務システム)とCRMのデータを連携させることで、会社全体でのデータ統合管理を実現できます。

販売管理・生産管理・在庫管理などの財務情報をまとめて管理できるERPに、CRMの顧客情報を連携させることで、経営戦略をより包括的な視点で立案可能です。

部門間の情報連携を強化できるだけでなく、見積もりから請求に至るまでの営業プロセスも効率化できます。

CRMのデータを連携するメリット

CRMのデータ連携にどのようなメリットがあるのか、次の5点に沿って解説します。

1.顧客情報を一元管理できる

CRMのデータを外部ツールと連携させることで、バラバラに管理されていた顧客情報も一つのプラットフォームに統合可能です。

マーケティング部門、営業部門、カスタマーサポート部門など部門ごとに顧客情報が散在している場合、情報の重複や矛盾といった問題が発生します。
一方、データを連携させて一元管理することにより、顧客情報に一貫性が生まれ、組織全体で最新データの把握が可能です。

また、店舗やネットショップ、アプリなど複数のチャネルでサービスを展開している場合も、情報を集約して管理できます。

2.データ入力を効率化できる

CRMと外部ツールのデータを連携させれば、手動によるデータ入力が減り業務効率化につながります。

例えば、CRMで管理されている顧客情報をMAツールにも取り込みたい場合、データを手作業で入力すると多くの手間がかかります。入力ミスのリスクも少なくありません。
しかし、仮にCRMのデータをMAツールに自動で反映できるとなれば、業務負担の軽減、データの正確性アップを実現できるほか、最新のデータを参照できます。

業務負担が減ることにより、より重要な業務に注力できるでしょう。

3.部門間のコミュニケーションを改善できる

CRMと外部ツールでデータ連携を行うことで、部門間のコミュニケーション改善、情報共有の円滑化を実現できます。

例えば、カスタマーサポート部門にて顧客対応を行う際、CTIシステムにCRMのデータが連携されていれば、対応履歴を即座に確認してコミュニケーションを取れるでしょう。

部門を問わずシームレスにデータを連携できるため、顧客への理解度が企業全体で底上げされ、より適切なアプローチが可能となります。

4.経営判断を迅速にできる

CRMのデータ連携によって、組織全体の情報をリアルタイムに可視化できることから、経営判断までのプロセスが大幅にスピードアップします。

営業の進捗状況、売上データ、マーケティング施策の成果など、各分野の最新データを常に把握できるので、最新データに基づいた意思決定が可能です。

経営判断が迅速になることにより、企業としての競争力も高まると期待できます。

5.顧客満足度を向上できる

CRMと外部ツールとを連携させることで、顧客情報をベースによりパーソナライズされた顧客体験を提供できるため、顧客満足度向上にもつながります。

これまでの問い合わせ履歴、購買履歴、Webサイトでの閲覧履歴などの細かなデータにもとづいてアプローチできるため、顧客対応の品質が上がり、エンゲージメントや顧客ロイヤリティの向上にも効果的です。

CRMと外部ツールを連携する方法

CRMと外部ツールとを連携させるためには、次の3つの方法があげられます。

1.連携機能を活用する

CRMに標準搭載されている連携機能を活用することによって、外部ツールと連携できる場合があります。GmailやSlackなど、一般的なコミュニケーションツールと連携できるパターンが多いでしょう。

連携できるツールは限られますが、簡単なクリック操作のみで連携できるのが便利なポイントです。

2.EAIツールを活用する

EAI(Enterprise Application Integration:企業アプリケーション統合)ツールを使用することで、システム間のデータ連携をノーコードで行えます。

プログラミングの知識がなくとも使える点はメリットですが、大量のデータ処理には向いていない点には注意しましょう。

3.API連携を行う

API連携とは、API(Application Programing Interface)を用いてシステムやサービスを連携させる仕組みを指します。

外部ツールとのAPI連携が可能なCRMであれば、SFAやMAツール、ビジネスチャットツールなどと簡単に連携可能です。

CRMのデータを連携する際の注意点

CRMのデータを連携する場合は、次の4点に注意しましょう。

1.データ連携の目的を整理する

CRMのデータ連携を進める前に、データ連携の目的を具体的に整理しておきましょう。万が一目的が不明瞭なまま進めてしまうと、データ連携や活用を効果的に行えません。

現状の課題をふまえた上で、データ連携によって解決できる点はないか洗い出しましょう。

2.システム選定を慎重に行う

CRMを新たに導入する場合、外部ツールとの連携可能性を確認しつつ、自社のニーズに合った製品を選びましょう。

各CRMによって連携できるツールや拡張性は異なるため、どのツールと連携させたいか前もって決めておくことも重要です。

また、無料トライアルや無料デモサービスを活用し、使いやすさや機能面も十分に確認してください。

3.段階的に連携する

CRMと外部ツールとを連携させる際、一気にすべてのツールを連携させるのは避けましょう。

小規模な範囲から連携させることで、トラブルが発生した場合のリスクをできる限り抑えられます。

4.セキュリティー対策をする

CRMのデータを外部ツールに連携させれば、情報共有を大幅に効率化できます。

しかし、その分顧客情報に触れる人が多くなると考えられるため、情報を保護するためのセキュリティー対策が欠かせません。

従業員ごとにデータへのアクセス権を細かく設定するほか、利用するツール自体のセキュリティー機能にも注意が必要です。多要素認証、通信やデータの暗号化、IPアドレスの制限など、セキュリティー面の機能が充実したツールを利用しましょう。

CRMと外部ツールの連携事例

最後に、CRMと外部ツールの実際の連携事例を紹介します。データを連携させることでどのような効果があったのか確認してみましょう。

CRMとSansanを連携し業務効率や正確性を向上

日本ビジネスシステムズ株式会社は、CRMへのデータ入力の省力化と顧客データの活用を目的にSansanを導入し、Microsoft Dynamics 365と連携することで、ビジネスの効率性と正確性の向上を実現しました。

Sansanを導入する前までは、名刺データの入力に多くの手間と時間がかかり、情報共有も全社で徹底されていない点が課題の一つとなっていました。

Sansanの導入後は、名刺をスキャンするだけでAPI連携されたMicrosoft Dynamics 365に自動的に顧客のデータが入るようになり、データ入力の手間と時間が削減されました。

まとめ

CRMと外部ツールとを連携させることによって、顧客満足度やエンゲージメントの向上、営業の効率化などさまざまな効果を期待できます。

営業DXツール「Sansan」とCRMを連携させれば、情報入力の効率化や見込み顧客の拡大、組織的な情報活用などから営業活動を最適化できます。

Sansanについて詳しく知りたい方は、ぜひ資料をダウンロードしてみてください。

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営業DX Handbook 編集部

ライター

営業DX Handbook 編集部

Sansanが運営する「営業DX Handbook」の編集部です。DX推進や営業戦略、マーケティングノウハウなど、営業・マーケティング課題の解決に導く情報をお届けします。