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顧客管理はCRMとエクセルのどちらがおすすめ?メリット・デメリットを解説
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顧客情報を管理する際、エクセルではなくCRMツールを活用することで、業務効率化や生産性アップ、顧客満足度の向上へとつなげられます。
しかし、「自社もCRMツールを導入するべきか」「エクセルで管理し続けるのはNGか」などとお悩みの方も少なくないはずです。
そこで本記事では、CRMツールとエクセルのメリット・デメリットを紹介し、顧客情報の管理にはどちらがおすすめなのかをわかりやすく解説します。
属人的な情報管理から脱却したい、顧客情報管理を効率化したいとお悩みの方は、ぜひ最後までご確認ください。
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顧客管理にエクセルを活用するメリット
顧客管理にエクセルを活用する場合、次の3つのメリットがあります。
1.コストを抑えられる
エクセルは、追加投資なしで顧客管理を行える点がメリットです。すでにエクセルが導入されている企業は多く、初期費用なしですぐに顧客管理を始められます。
また、ユーザーごとのアカウント費用や月額料金もかからないため、ランニングコストを抑えたい場合にもエクセルはおすすめです。予算をあまり確保できない中小企業にとって、エクセルでの顧客管理は選択肢のひとつといえます。
2.教育コストが比較的かからない
エクセルはビジネスシーンで使用することが多く、操作に慣れている従業員は少なくありません。そのため、CRMツールを新たに導入する場合よりは、教育コストを抑えられます。
複雑な分析を行う以外は、専門的な知識がなくとも簡単に操作できるため、現場への負担がかかりません。
3.簡単な分析であれば可能
エクセルの場合、四則演算や関数を用いた計算・グラフ作成など、簡単な分析であれば行えます。基本の統計分析・売上推移・顧客属性などのデータを分析できるため、適切な経営判断に効果的です。
エクセル自体のカスタマイズ性が高いため、分析項目の自由度が高い点も助かります。
顧客管理にエクセルを活用するデメリット

顧客管理にエクセルを活用する場合、メリットだけでなく次のようなデメリットにも注意が必要です。
セキュリティーリスクが高い
エクセルは、セキュリティー対策が充実したソフトウェアとは言えません。具体的には、次のような脆弱性がみられます。
- 情報漏えいのリスクがある
- ユーザーごとの細かな権限設定ができない
- バージョン管理を細かく追跡できない
- 情報を改ざんされるリスクがある
パスワード保護機能もありますが、IPアドレス制限や操作ログ管理などを行えるCRMツールに比べると、セキュリティーリスクは高いと言えます。
複雑な分析を行うには一定のスキルが必要
大量の顧客データをより多角的に分析したい場合、関数・マクロ・VBAなどを扱えるスキルが必要です。
ある程度エクセルを操作できるものの、マクロやVBAはわからないという人は少なくありません。その場合、エクセルでできるデータ分析は限られてしまいます。
顧客管理では、単に顧客情報を蓄積するだけでなく、収集されたデータを分析して次の施策につなげることが重要です。簡易的なデータ分析しかできない場合、収集した顧客情報を生かしきれないでしょう。
データが多いと重くなる
エクセルは、格納された情報量が増えるとファイルサイズが大きくなり、ソフトの起動や動作が遅くなります。場合によっては、データが破損するリスクもあるでしょう。
ファイルがすぐに開けなかったり、操作していても動きが重かったりすると、業務効率が下がってしまいます。また、万が一データが破損してしまえば、修復するのは非常に困難です。
最新版の管理が難しい
複数の従業員で顧客情報を管理している場合、どのエクセルファイルが最新かわからなくなる、知らぬ間に誰かにデータを上書きされてしまうなど、最新版の適切な管理が困難です。
最新版の管理が行き届いていないと、誤ったデータを参照することで顧客トラブルにつながりかねません。
また、リアルタイムなデータ共有、共同編集などにも向いていないことから、リモートワークでの使用も不向きといえます。
顧客管理はエクセルよりCRMツールがおすすめ
エクセルでも顧客管理は可能ですが、顧客情報の収集・管理・分析・活用を徹底したい場合、CRMツールの方がおすすめです。
それぞれの特徴を比較表にまとめたので、違いを簡単に把握したい方は参考にしてください。
項目 | CRM | エクセル |
---|---|---|
コスト | 比較的高コスト(初期費用・月額料金あり) | 比較的低コスト(追加費用なし) |
リアルタイムなデータ共有 | ◯ | × |
複数人での同時作業 | ◯ | × |
セキュリティー |
| 情報漏えいリスクが高い |
データ分析 |
|
|
導入難易度 | 比較的高いが、使いやすいものも多い | 比較的低いが、高度な知識が必要な場合もある |
上記の表からもわかるとおり、顧客情報をリアルタイムに管理しマーケティングへ活用したい場合は、エクセルではなくCRMツールをおすすめします。
顧客管理にCRMツールを活用するメリット

顧客管理にCRMツールを活用する場合、次にあげる4つのメリットがあります。
1.顧客情報を一元管理できる
CRMツールであれば、顧客情報を統合的に管理できます。エクセルや名刺管理ツール、請求書管理システムなど、さまざまなツールに分散したデータも一元管理可能です。
CRMツールに顧客情報を集約することで、情報の検索や更新にかかる手間も軽減でき、データの引き継ぎもスムーズになります。対応漏れや情報重複の防止などにも貢献するでしょう。
2.部門間の情報共有と連携が可能となる
CRMツールであれば、営業やカスタマーサービス、マーケティングなど部門間での情報共有がスムーズです。クラウド上でリアルタイムにデータを共有でき、同時接続も問題ありません。情報のサイロ化で悩んでいる場合も、CRMツールによって解消できます。
部門間での情報共有が可能となることで、顧客対応に一貫性が生まれ、顧客からの信頼獲得、ブランドロイヤルティの向上なども期待できるでしょう。
3.顧客満足度の向上につながる
CRMツールで蓄積された顧客情報を活用すれば、顧客ごとにアプローチをパーソナライズできます。
お問い合わせ履歴、購買履歴や頻度などを分析することで、顧客の嗜好・ニーズを深掘りし、顧客一人ひとりに合ったマーケティングを展開できるでしょう。
リピート率や購買頻度の向上でお悩みの場合、CRMツールは効果的です。
4.高度なデータ分析で意思決定に役立つ
CRMツールであれば、高度なデータ分析も簡単に行えます。顧客の属性分析や売上分析だけでなく、LTVの予測分析、解約リスク分析などさまざまな視点から分析可能です。
収集されたデータと分析結果をリアルタイムに把握することで、データドリブンなマーケティングを展開できるでしょう。
販売戦略の最適化、新たなビジネスチャンスの創出につながることもあります。
顧客管理にCRMツールを活用するデメリット

顧客管理にCRMツールを活用する場合、次にあげる3つのポイントには注意しましょう。
1.初期費用・月額費用がかかる
顧客管理をCRMツールで行う場合、初期費用や月額費用が発生します。クラウド型の場合、初期費用が無料、あるいは低価格なツールも多数ありますが、毎月のランニングコストはかかるため注意が必要です。
CRMツールの中には、月額契約ではなく年間契約を選ぶことで、1カ月あたりの料金が安くなる製品が少なくありません。費用をできる限り抑えたい場合、年間契約での利用を検討しましょう。
2.運用定着に時間がかかる場合がある
CRMツールの運用を定着させる場合、多くの教育コストや時間がかかる場合があります。マニュアルを用意する、操作研修を行うなど、システムを浸透させるためのサポートが必要となるでしょう。
また、実際に使用した従業員の声を聞き、運用体制を定期的に見直すことも欠かせません。徐々に最適化し、業務効率を上げることが重要です。
運用定着にかかるコストを最小限にするためには、誰でも簡単に操作でき、ユーザーを選ばないようなCRMツールを導入しましょう。
3.すぐに導入効果が出るわけではない
CRMツールを導入したからといって、顧客満足度の向上や売上増加といった成果に、いち早くつながるわけではありません。
まず、顧客情報を十分に蓄積した上で、情報を分析し、マーケティング戦略へと活用する必要があります。データ収集や施策立案には時間がかかり、効果検証までの時間も確保しなければなりません。そのため、導入効果を成果として実感するまでには、ある程度の時間がかかります。
運用し続けることで成果につながっていくため、中長期的な視点で顧客情報を管理しましょう。
エクセルからCRMツールへ移行する際の流れ
エクセルでの顧客管理から卒業してCRMツールへと移行する場合、次の流れで進めていきましょう。
CRMツールの選定
CRMツールを選定する際、まずは自社のニーズを明らかにするところから始めましょう。エクセルでの顧客管理において何が課題だったか、CRMツールによって何を解決したいか洗い出し、どのような機能が必要か整理してください。
実際にCRMツールを比較する際は、気になる製品をいくつか厳選し、次の7点を比較しましょう。
- 使いやすさ
- コスト
- カスタマイズ性
- 他のツールとの連携可能性
- スケーラビリティ
- サポート体制
- セキュリティー
なかでも使いやすさは非常に重要なため、無料トライアルや無料デモ体験を活用し、社内へスムーズに定着しそうか確認しましょう。
データ移行の準備・実施
エクセルで管理していた顧客情報を抽出し、データクリーニングや絞り込み、データ整形などを行ってCRMツールへと移行しましょう。
セキュリティー面に配慮し、情報漏えいのリスクに十分注意した上でデータ移行を進めてください。
運用・社員教育の実施
CRMツールの導入・運用定着を円滑に進めるためには、ツール活用に関する研修・レクチャーが必要です。このとき重要なのが、操作方法のレクチャーにとどまらないことです。ツールを戦略的に活用し、成果につなげるための方法まで伝えるようにしましょう。
継続的な改善
CRMツールの導入効果を最大化するべく、運用体制を継続的に見直しましょう。従業員からのフィードバックを随時取り入れ、改善できる点を洗い出すことが重要です。必要な場合は、オプション機能の追加やカスタマイズなども検討し、顧客管理をさらに効率化しましょう。
まとめ
エクセルでも顧客管理は行えますが、CRMツールを導入することで業務をさらに効率化できます。高度なデータ分析も可能となり、より戦略的な情報管理を実現できるでしょう。
また、CRMツールとあわせて、名刺管理ツールを活用することもおすすめです。名刺管理ツールであれば、営業担当者が個人で管理していた名刺情報も組織全体で共有できます。
情報を一元管理できるほか、人脈を可視化することで、営業活動の質を改善できるでしょう。
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ライター
営業DX Handbook 編集部