• CRM

SFAとCRMの違いとは?導入成果を最大化するポイントを紹介

SFAとCRMの違いとは?導入成果を最大化するポイントを紹介

企業活動において一般化しつつある「SFA」と「CRM」。市場規模が年々大きくなる一方で、導入成果を上手く出せないと悩む声も聞かれます。本記事ではSFAとCRMの違いを解説した上で、これらのツールの導入成果を最大化するポイントを紹介していきます。

※本記事は2022年8月に作成されました。掲載されている内容は作成時点の情報です。

拡大し続けるSFAとCRM市場

SFAとCRMの市場規模についてはご存じでしょうか。SFAとCRMを含むデジタルマーケティングサービス市場は、数年前から盛り上がりを見せています。矢野経済研究所による国内のデジタルマーケティング市場調査によると、2016年度は約300億円の市場規模だったが、2020年度には約551億円の見込みとなっている。今後も市場拡大が予想され、便利で多機能なものも増えるので導入しない手はないでしょう。

【参考】DMP / MA市場に関する調査を実施(2017年) - 矢野経済研究所

さらに、デジタルマーケティングサービスの需要が大きく高まっています。コロナ禍で顧客行動のオンライン化が急激に進行し、オンライン上での顧客接点の創出や顧客行動の把握により重きを置く必要が出たからです。同データによれば、2025年度の市場規模は約973億円まで拡大すると見込まれています。

SFAとCRMとは

さまざまな企業が、営業活動の効率化や、既存顧客からの売上拡大を目的にSFAやCRMを導入しています。いずれも顧客管理機能(担当者名や役職など)が備わっており、両者を混同してしまっている人も少なくありません。そこでまずはSFAとCRMそれぞれの内容について整理します。

SFAとは

“Sales Force Automation”の略で、日本語に訳せば“営業活動自動化”となります。日本語訳の通り、営業活動を自動化して営業担当者を支援するツールのことです。自社の営業担当者が次に何をすべきか、どうすれば営業活動を効率化できるかといった部分をサポートするさまざまな機能が備わっています。

CRMとは

“Customer Relationship Management”の略であり、日本語訳は“顧客関係管理”となります。つまり顧客にひも付くあらゆる情報を管理し、それらを活用して見込み客の購買意欲を高めたり既存顧客へのクロスセルを促したりするツールです。多くのCRMにはマーケティング機能も備わっているため、様々な施策の集客や販促活動にも役立つでしょう。

営業とマーケティングのどちらに重点を置くのかによって必要となる機能は変わるため、それに伴い選ぶべきサービスも変わります。営業に重点を置くならSFA、マーケティングに重点を置くならCRMがオススメです。

SFAとCRMの違いを比較

ここでは、SFAとCRMの違いを具体的な機能や目的に分けて比較していきます。前述の通り、自社が目指すゴールや考え方によって選ぶべきサービスは異なる。それゆえに両者の違いをはっきりと理解しておくことは重要です。

両者を比較してみると、SFAは営業活動に特化しているツールであるのに対して、CRMは顧客との関係を構築しデータ管理する点に特化していることがより明確になっています。その結果として、マーケティングを手助けすることにもつながるのです。

似て非なるツールであるため、成果を最大限だすためには、SFAとCRMのどちらを、あるいは両方を導入するのが適しているか、見極める必要があることが、おわかりいただけたでしょうか。

SFAとCRMの進化の歴史

ここまでCRMとSFAの定義や違いについて解説しましたが、まだどのようなものかピンときていない人もいるのではないでしょうか。これらの歴史を知ることで、必要性と活用のヒントを得られるかもしれません。

1980年以降アメリカ合衆国を中心にオフィス業務を自動かするシステムが多数構築され、オフィス・オートメーションが全盛を迎えました。最初のSFAはこのオフィス・オートメーションの潮流の中で1993年に開発されました。営業スタッフは仕事の際に外出するため、会社の管理の目が届きにくく、こういった状況を改善し、営業の効率を向上させることが目的でした。

ほどなくしてSFAは日本にも上陸しましたが、浸透することはありませんでした。なぜならば当時はパソコンやITを使える人材が一般企業に少なく、データ入力ができる営業スタッフもほとんどいなかったからです。

また、当時の日本の企業風土では「足で歩き回ってお客さんを訪ね、膝をつき合わせて営業するべき」という価値観が根強く残っていました。このような企業風土においてITツールに従って営業するのは理解されず、普及しなかった一因だったと考えられます。

一方で、CRMも1990年代前半に誕生しています。こちらはSFAに比べると比較的すぐに日本に浸透しました。CRMがスムーズに普及したのは、SFAに比べて浸透への障害が少なかったのが理由でしょう。当時の日本企業も従来型の画一的なマーケティングの限界と、顧客一人ひとりに合わせたマーケティングの必要性は認識していました。そのような中で顧客データをITで細かく管理するのは日本企業もすんなり受け入れやすかったと考えられます。

そしてCRMが普及した後を追うように徐々にSFAも普及し始めました。これはCRMの普及によってITによる情報管理の重要性を理解する企業が増えたためです。

そして2000年代後半に入ると、IT技術の進歩もあり、CRM と SFA が連携して営業から顧客管理までを一元管理する、SFA を備えた CRM ツールがリリースされるようになったのです。

SFAとCRMのどちらを導入するべき?

SFAを導入したほうがよいケース

SFAを導入したほうがよいのは、以下のような会社です。
 ●    すでに営業が活発に行われている会社
 ●    営業スタッフが多い会社
 ●    営業スタッフのスキルにムラがある会社

SFAは営業支援ツールなので、営業活動がすでに活発に行われている会社に向いています。特にたくさんの営業スタッフを抱えていて、営業に属人性があり、営業スタッフのスキルレベルがバラバラである会社にはSFAが効果をより一層発揮するでしょう。

なぜなら、SFAには営業効率や営業ノウハウを可視化して営業スタッフのスキルの平準化をサポートする機能があるからです。優秀な営業スタッフと優秀でない営業スタッフの営業データを比較し、優秀な営業スタッフのノウハウをそのほかの営業スタッフに共有できます。SFAは営業から属人性を排除し底上げするのに効果を発揮するでしょう。

CRMを導入したほうがよいケース

CRMを導入したほうがよいのは、以下のような会社です。
 ●   既存顧客へのアプローチを強化したい企業
 ●   営業部門以外も顧客データを活用したい企業
 ●   各部門でバラバラに顧客データを管理している企業
 ●   部門間の連携を強化したい企業

CRMが得意なのは全社的な顧客データの統一です。例えば営業部門が入力した顧客データを、カスタマーサポートが参照しながら顧客対応に当たるといった使い方ができます。このことによって部署間でシームレスな顧客対応が可能となり、顧客満足度が向上します。

もっとも、先述したように近年はCRMとSFAは統合される傾向が強まっており、その境界線はあいまいになってきています。したがって、営業部門の効率化を重点的に行いたいならCRM機能の付いたSFA、組織全体の顧客データ管理に重点を置くならばSFA機能の付いたCRMというふうに、もっとも必要な機能に応じて選ぶのも良いでしょう。

SFA・CRMのメリット・デメリット

SFA・CRMのメリット

SFA・CRMのメリットとしては、情報を可視化できる点では共通しています。可視化する情報に若干の違いがあるだけです。すなわち、SFAの場合は顧客データと営業ノウハウの営業部門内での可視化、CRMの場合は顧客データの全社的な可視化です。

SFAは本来、営業を支援するためのツールであり、顧客データ以外にも優秀な営業スタッフの営業ノウハウを可視化したり、日報や見積書作成を自動化したりするものです。

また、営業スタッフは外に出て仕事をするので、会社の管理の目が届きにくいものです。SFAを導入すれば経営層がいつでもリアルタイムに営業スタッフや管理職の仕事の中身を見られるようになるでしょう。何もツールのない状態では、管理職が営業スタッフ一人ひとりが適切に仕事をしているかは判断しづらいですが、SFAを使えば可視化でき、正確な人事評価が可能になります。

一方で、CRMは組織全体の顧客データの統一に主眼を置いています。CRMを導入すれば社内の全部門でシームレスな顧客対応が可能となり、顧客一人ひとりのニーズに寄り添いやすくなって、顧客満足度の向上に寄与するでしょう。

また、CRMは新規顧客の獲得よりも既存顧客の定着に効果を発揮するツールです。新規顧客の獲得は既存顧客の定着に比べて大きなコストがかかります。効率よく売上を上げるには既存顧客へのアプローチが重要です。CRMには既存顧客の情報が蓄積されていくので、無駄の無い営業活動が可能になり、売上の向上に寄与するでしょう。

SFA・CRMのデメリット

SFAとCRMにはデメリットもあります。いずれも、データのインプットは手動で行う必要がある点です。慣れるまではデータの入力を忘れたり、他の業務が忙しくて入力する暇がなかったりといったミスが多発するかもしれません。するとデータの質が悪くなり、導入した意味が無くなってしまいます。

また、これはITツール全般に言えることですが、導入や維持にコストがかかるのもSFA・CRMのデメリットです。これらのツールにはサーバーが必要なオンプレミス型とサーバーが不要なクラウド型がありますが、オンプレミス型はかなり高額なコストがかかります。クラウド型は比較的安価ですが、顧客データを扱うため、他社サービスに依存するのはセキュリティ面などで不安を覚えるかもしれません。導入の際にはリスクとコストを考慮しながらサービスを選ばなければなりません。

さらに、データ入力の精度が営業パーソンの能力に依存してしまいがちなのもデメリットの一つです。これを平準化できるような仕組みづくりが必要となるでしょう。SFAもCRMもITツールを導入するのが本質ではなく、それを用いてデータを蓄積し、そのデータを活用するのが本質です。見誤りがちな点なので注意すべきです。

SFAやCRMを導入して解決すべき課題

前述のとおり、SFAやCRMを導入する企業は年々増えています。しかしながら、せっかくツールを導入しても思い描いていた成果が出ないと悩む企業も多いです。そこで、SFAやCRMを導入したが上手く成果が出ないことに課題を抱える企業の具体例を見てみましょう。

導入当初の目的

営業活動を効率的に行い、成果を最大化させたい

想定していた成果

・顧客データに基づく戦略を立案
・受注確度の高い顧客の選定
・営業リソースの配分
・過去の経緯を踏まえたアプローチ

現状

・導入しても期待していた効果が現れない
・かえって営業社員の業務負担が増えている
・データを活用した分析の精度が不十分に感じる

上記のような成果を見込んでSFA/CRM導入に至る企業も少なくないですが、現状の項目であげたように期待通りにならないケースも存在します。その原因はどこにあるのかを次に考えてみましょう。

SFA/CRMに入れている顧客データの質が影響

SFAやCRMを導入しても成果に結びつかない原因の一つは、SFAやCRMに入れている顧客データの精度の低さにあります。例えば顧客データがタイムリーに更新されていなかったり、入力されていたデータに不備があったりすると正確な情報として使えません。その結果、不正確な顧客データがピックアップされ的外れな営業戦略を行ってしまうのです。

とはいえ、データ品質を高い状態で維持し続けるのはなかなか難しいものです。顧客から受け取った名刺を見ながら、営業アシスタントが1件1件手入力している企業も多くありますが、こういった手法は時間がかかる上に、入力ミスのリスクもあり、上手くいかない可能性が高いのです。

自動化によってデータの品質を向上させる

SFAやCRMを最大限活用するには、蓄積されている顧客データの品質の向上が欠かせません。そこで顧客データとして正確な情報である「名刺」を活用しましょう。名刺は、氏名はもちろん連絡先は部署名、役職など多くの情報が記載された宝庫です。名刺情報を正確にデータ化することで、SFAやCRMと連携させれば成果が出やすくなり最大限の活用が見込めます。そこで、営業DXサービス「Sansan」をご紹介します。

Sansanは社内の名刺を一括管理する営業DXサービスです。Sansanは現在約9000社で導入されています。紙の名刺のデータ化をはじめ、顧客データの社内共有など、さまざまな機能が備わっており、名刺の情報管理はもちろんのこと、企業間のコンタクトの履歴まで整理できます。企業間の接点のデータ化の漏れが抑えられるのが特徴です。

SFAやCRMの導入成果を最大化し、営業活動を加速させる

SFAやCRMの導入は、営業活動を活性化させ、大きなメリットを企業にもたらします。しかしながら、これらのツールは運用にコツが必要です。適切な運用をしなければデータの正確性が担保できず、せっかく導入したのに思ったような成果が得られないこともあります。

適切な運用をするカギとなるのは、経営者が現場社員の立場になって、ツールを使いやすい仕組み作りや、組織体制の改革が必要でしょう。そのためにも、まずはSFAとCRMそれぞれを深く理解し、自社にあったツールを選定すべきです。

3分でわかる Sansan営業DXサービス「Sansan」について簡潔にご説明した資料です。

3分でわかる Sansan

営業DXサービス「Sansan」について簡潔にご説明した資料です。

営業DX Handbook 編集部

ライター

営業DX Handbook 編集部

Sansanが運営する「営業DX Handbook」の編集部です。DX推進や営業戦略、マーケティングノウハウなど、営業・マーケティング課題の解決に導く情報をお届けします。