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ナレッジマネジメントとは?リモートワーク下における重要性やツールの選び方を解説

ナレッジマネジメントとは?リモートワーク下における重要性やツールの選び方を解説

コロナ禍において働き方や企業を取り巻く環境は大きく変化しました。リモートワークが普及した現代において企業内の知的財産の管理や共有はどのような問題に直面しているのでしょうか。

本記事では、知的財産の管理手法であるナレッジマネジメントについて、その重要性やツールの選び方を解説します。

※本記事は2022年9月に作成されました。掲載されている内容は作成時点の情報です。

ナレッジマネジメントが注目されている理由

ナレッジマネジメントとは、社員が持っている知識や経験、ノウハウなどを企業内で共有し管理するための経営手法のことをいいます。あまり知られていないが日本発の経営理論で、経営業務を改善し、効率化するために用いられるようになりました。また、ナレッジマネジメントを効果的に行うことで、業務の属人化を防ぐことができます。これにより、社員の能力やスキルが向上するとともに企業全体の生産性を高められます。

新型コロナウイルス感染症の拡大は、行動が制限され生活様式や働き方に大きな影響を与えました。市場や組織のあり方が激しく変化している今、企業間競争を勝ち抜くには他社より先に新たなナレッジ(知識・ノウハウ)を生み出さなければなりません。加えて、転職が当たり前となったことによって、業務に必要なナレッジが企業内に残らなくなるリスクへの高まりも意識されています。そこで、企業独自の知識やノウハウを活用するナレッジマネジメントに注目が集まっています。

ナレッジマネジメントの理論的なモデルとして提唱されているのがSECI(セキ)モデルです。

SECIモデルでは次の4つのプロセスを循環させます。

(1)共同化
(2)表出化
(3)連結化
(4)内面化

これら4つを回すことで、知識や経験から培われた熟練工のスキルの「暗黙知」を、マニュアル化やテンプレート化により言語化した、「形式知」に変えることができます。具体的に4つのプロセスの中身について解説していきます。

共同化は、共同体験などを通じて暗黙知を他人へ引き継がれるプロセスを指し、仕事を共にすることで他の社員の仕事を見て覚えることなどが一例です。

表出化は、暗黙知を形式知へ転換するプロセスを指し、マニュアルの作成や業務の報告などがこれにあたります。

連結化は、形式知同士を組み合わせて新たな形式知を生み出すプロセスを指し、自分の業務に他人のノウハウを取り入れることで業務の効率化を図ることなどが挙げられます。

内面化は、新たに生み出された形式知を実践していくことで暗黙知として体得するプロセスを指し、マニュアルなどを見て業務を忠実に行うところからさらなる発見が見つかり新たな工夫(暗黙知)が生まれていきます。

内面化によって得られた暗黙知は、最初のプロセスへ戻り共同化から循環を繰り返していきます。

上記四つのプロセスを行うためには、(1)共同化を行うための環境、(2)表出化のための対話の機会、(3)連結化のためのシステム場、(4)内面化のための実践場といったそれぞれに適した「場」が必要となります。

リモートワーク下でのナレッジマネジメント

新型コロナウイルス感染症による行動制限の影響を受けて、国内外でリモートワークが拡大しています。働く場所が分散化されたことで、社員同士の交流の機会が減少し業務を行ううえで連携のとりづらさが課題のひとつとなっています。

特に日本の大企業にとっての課題となっているのが、代々受け継がれているベテランの暗黙知です。これは本来大企業の強みとなる部分ですが、こういった知的財産の整理と活用がリモートワーク下では難しくなりつつあります。

そもそも暗黙知の継承には時間がかかるがゆえに、リモートワークが普及した現代において連携がうまくとれないという事態は、これまで培ってきたナレッジ(知識・経験)の分断になりかねません。そこで、企業の存続や新規事業立ち上げによって企業間競争を勝ち抜いて生き残るために、ナレッジマネジメントは必要不可欠なものとして極めて重要性が高いです。

知的財産は大きく分けて、人的資産、構造資産、関係資産の三つの種類があります。

人的資産は、社員個人に依存する強みである。社員の退職時には社外に持ち出されてしまう知的財産であり、熟練工の暗黙知が当てはまります。例としては、ノウハウ、経験、イノベーション能力、学習能力、モチベーション等があげられます。

つぎに、構造資産については、社員の退職時に企業内に残留する知的財産で、組織体として維持することができる強みのことをいいます。例として、組織の柔軟性や顧客データベース、組織文化、システム、手続き、クレーム対応の仕組み等があります。

関係資産は、ステークホルダー(利害関係者)との関係における強みをいいます。会社の対外的な関係に付随した知的財産であり、具体的には、企業イメージや顧客ロイヤリティ、顧客満足度、仕入れ先との良好な関係性、金融機関への交渉力があげられます。

リモートワーク下では、これらの知的財産の共有がより一層困難となったことでビジネス機会を逃すという損失へとつながっています。

こういった事態を打開している企業として、営業DXサービス「Sansan」を提供しているSansan株式会社を紹介します。Sansanでは優秀な人を管理するのではなく、顧客データや社内情報という人的資産以外の部分を管理して、自由にアクセスできるような仕組みを取り入れました。Sansanの営業DXサービスでは、最新の顧客データを反映する必要があることから属人化しないようなテクノロジーの活用が行われたことで、暗黙知から形式知へ転換されており、実質的にナレッジマネジメントの手法が使われていることがわかります。よって、人や情報に自由にアクセスできる仕組みにより、新しい出会いや発想、価値創出につながっていき、リモートワーク下におけるビジネス機会の損失に対して、Sansanのテクノロジーは解決策として有効であると考えられます。

ナレッジマネジメントに役立つツールやシステム

ナレッジマネジメントに役立つツールやシステムをジャンルごとに解説していきます。

(1)CRM・SFA

CRMとSFAは、ともにデジタルシステムを用いて業務を改善することを目的としたツールです。

CRMとは、Customer Relationship Management(カスタマーリレーションシップマネジメント)のことで、顧客関係管理や顧客関係性マネジメントを意味します。長期にわたって顧客と良好な関係を維持することでLTV(Life Time Value、顧客生涯価値)の向上をめざすもので、顧客管理やカスタマーサポート、販売管理、売上予測分析を行えます。

SFAとは、Sales Force Automation(セールスフォースオートメーション)のことで、営業の自動化や営業活動を支援するツールを意味します。既存の営業プロセスの効率化や自動化をめざすもので、例えば、商談開始から受注までの進捗状況をデジタルデータとして可視化することや、その活動プロセスの管理・分析を担います。

(2)グループウェア

グループウェアとは、社員間の情報共有などを目的としたもので、ナレッジマネジメントツールとしても使用できます。掲示板機能やメッセージ機能、ファイル共有を通じて成功・失敗事例の共有が可能です。

(3)エンタープライズサーチ

エンタープライズサーチとは、企業内に保管されているさまざまなデジタルデータを一括で横断的に検索できる、企業内検索エンジンのことをいいます。メリットとしては、膨大なデジタルデータの中から横断的にかつ素早く必要な情報を入手できる点です。

(4)ヘルプデスク

ヘルプデスクとは、社内で発生した質問に対して、社員同士で回答できるツールのことで、情報を最新のものにブラッシュアップできます。そのため、新たな気づきや発見が期待できます。

ナレッジマネジメントツールを導入するポイント

ナレッジマネジメントツールを選ぶ際に注意したいポイントについて解説します。

(1)共有したいナレッジは何かはっきりさせる

共有したいナレッジが不明確である場合、ナレッジマネジメントで企業の競争力を強化するという目的を達成できないばかりか、かえって組織の効率的な業務の遂行を妨げるものとなりかねません。また、むやみやたらにナレッジを収集してもデータ量が膨大だと自分にとってどの情報が必要なのか判断に時間がかかります。社員独自の経験とノウハウなどの暗黙知を伝承していくことで、全社員のスキルアップを実現するためには共有したいナレッジを明確にする必要があります。

(2)どの社員でも使いやすいものを選ぶ

暗黙知を形式知へ転換させることができても、自由にナレッジマネジメントツールにアクセスできなければ全社員のナレッジ向上を達成することができません。操作性が複雑なものもだんだん使われなくなるケースもある。そのため、どの社員でも使いやすいものを選ぶべきです。

(3)いつでもサポートが受けられるか

働き方が多様化する中で、外出中やリモートワーク時においてもナレッジマネジメントツールにアクセスできる環境が求められます。誰でもいつでもサポートが受けられることで最新のナレッジを共有し合うことが可能となるため、サポート体制が充実していることが重要です。

(4)セキュリティー対策は綿密に確認する

ナレッジマネジメントツールの導入にはコストがかかるが、その後メンテナンスをしない状態のままではセキュリティーが脆弱化し、企業にとっては情報流出といった脅威が生じることとなります。そのため、セキュリティー対策は定期的に確認しておく必要があります。

人と人をつなぐツールの活用

ナレッジマネジメントにおいては、ツールを利用することで、言語化が比較的難しい暗黙知を形式知へと転換し、社員のスキルやモチベーションの向上をいかに達成できるかが鍵となります。適切なナレッジマネジメントツールを利用することで、属人化を防げ、企業の生産性を高めることが可能となるでしょう。

リモートワークの普及とともに知的財産の伝承が重要視されており、その達成のために長年名刺管理をしてきたSansanのテクノロジーは、人と人をつなぐツールとして有益に利用いただけます。ぜひ、導入をご検討ください。

3分でわかる Sansan営業DXサービス「Sansan」について簡潔にご説明した資料です。

3分でわかる Sansan

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営業DX Handbook 編集部

ライター

営業DX Handbook 編集部

Sansanが運営する「営業DX Handbook」の編集部です。DX推進や営業戦略、マーケティングノウハウなど、営業・マーケティング課題の解決に導く情報をお届けします。