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データドリブンマーケティングが進まない……BtoB企業が苦戦する理由とは

データドリブンマーケティングが進まない……BtoB企業が苦戦する理由とは

データに基づいたマーケティング活動、すなわちデータドリブンマーケティングの必要性が叫ばれる一方で、データを活用できている企業はまだまだ少ない状況です。本記事では、BtoB企業において、データドリブンマーケティングが進まない理由に加え、進める方法について解説していきます。

※本記事は2021年6月に作成されました。掲載されている内容は作成時点の情報です。

BtoBビジネスにおいて、データを最大限に活用したマーケティング活動が盛んに

近年、MAを導入してマーケティング活動を自動化する企業が増えています。

MAを導入した多くの企業では、BtoBのマーケティングでデータを活用する動きが活発となっています。実際、マーケティング活動において顧客データベースを活用している企業は目標達成している割合が高いことが調査から判明しています。帝国データバンクが行った「BtoBマーケティングのデータ活用に関するアンケート」によれば、マーケティング活動における評価指標を達成したチームと未達成であるチームの2チームに分けたとき、マーケティング用の顧客データベースを構築していると答えた割合はそれぞれ60.1%と28.7%となり、2倍以上の差が見られました。

【参考】帝国データバンク「BtoBマーケティングのデータ活用に関するアンケート」

現在ではインターネットの発達で顧客の個人情報(生年月日や職業など)や顧客の消費行動(商品やサービスの購入数や購入日)といった顧客データや、商品の出荷データ、リソース配分情報といった業務データなど、さまざまなデータを取得できるようになりました。ゆえにデータを活用し、将来の需要予測や効果的なマーケティング戦略の提案が行われるようになっています。

データドリブンマーケティングとは
オンライン、オフラインで収集した顧客のデータを基に、マーケティング施策を実行すること。見込み顧客の属性や行動といったデータを根拠にマーケティング施策を行うため、そのデータがチーム内に共有され、スキルの無い担当者でもアプローチが成功しやすい。実行した施策に対してもデータを用いて効果検証と改善を繰り返す、いわゆるPDCAサイクルを回していくことで、マーケティング施策の成功率を高めていく。

データドリブンマーケティングは人手不足や、マーケティング予算の縮小に見舞われている企業にとって、業務が効率化されるのもメリットです。データドリブンなマーケティング施策を実行することで成功率を高めるのと同時に、業務が効率化すればマーケターは見込み顧客や施策の分析に専念できます。

データドリブンマーケティングの実行に際して、BtoCと異なり、BtoBの取引で必要となるのは、以下の情報です。

  • 企業情報:会社名、住所、業種、従業員規模、売上高、商材など
  • 人物情報:メールアドレス、電話、部署、職種、役職、決済可能な予算、社内での立ち位置、興味関心など
  • 行動情報:オンライン(ウェブページ閲覧、メール開封・クリック、閲覧した広告など)での行動、オフライン(イベント、展示会、架電、商談、購買など)での行動

このような情報(データ)を掛け合わせ、多角的に分析することで、顧客に対して適切なアプローチが可能になります。

データドリブンを利用したアプローチの例は以下の通りです。

  • イベントに来場したため、お礼メールを配信したところ、メールを開封し製品資料をダウンロードした。これらの行動から自社製品への関心が高そうなので、アポイントを打診する。
  • ある業種の企業から問い合わせがあった。この業種からは過去何度か問い合わせをもらっているので、ターゲットにできそうだ。アクセス解析によると、今製品資料ページを開いているので、電話をしてみる。

必要なデータを管理・分析するためにMAを導入する企業も


データドリブンマーケティングが注目されるにつれ、MAツール(マーケティングオートメーション)を導入する企業が増えています。MA導入が増加し続けている背景には、先に挙げたように定量的なデータを軸にマーケティングを行う必要性が認識されるようになっているからです。

また、新型コロナウイルス感染症の影響で多くの企業でテレワークが取り入れられ、オフィスに出社する人が少なくなったり、電話の外部取次サービスが使われたりしています。そのため、訪問営業や電話に応対してもらえる確率が低くなりました。電話だけでなくメールやウェビナーなど、コミュニケーションの手法についてオンラインシフトをしていかなければ、テレワーク下で生き残れませんでした。

加えて、サービスを購入するときにはインターネットで情報を集めるなど、現代では顧客による購買プロセスの比較・検討がオンライン上で行われるのが主流となっています。見込み顧客からアクションを起こしてもらうか、一人ひとりに合わせた適切なアプローチで自社製品の必要性を訴えるか、このどちらかにより商談が始まることが多くあります。MAを適切に使えば、見込み顧客一人ひとりに合わせたアプローチができるようになるため、導入する企業が増えています。

MAは見込み顧客のデータを管理・収集し、分析を助けるマーケティングツールです。個別のニーズに答えなければならない現代でデータドリブンマーケティングを行うのであれば、MAはぜひ導入しておきたいところです。

しかしながら、MAを導入するだけでは思い描くようなデータドリブンマーケティングで成果を出すことは難しいです。そもそもMAに入れるデータが正確でない、あるいは古い情報である場合、正確な分析ができないからです。まずは保有リードの情報を整理する必要があります。

企業が陥りがちな“データの質”に関する落とし穴

データドリブンマーケティングにおいて、大量のデータを集めることにフォーカスしている担当者もいることでしょう。確かに一定量の情報を獲得することも必要ですが、実は、多くのBtoB企業でデータドリブンマーケティングが進まないのはデータの質が悪いことに起因します。

データドリブンマーケティングを目的にMAを導入したのはいいものの、見込み顧客のデータが以下のようになっていないでしょうか。

人物情報が古く、欠けがある

人物情報とは、名前、メールアドレス、電話、部署、職種、役職などを指します。入力された人物情報が古いものだったり、メールアドレスだけ抜けていたりしないでしょうか。知らないうちにその人物が異動あるいは退職しているということもよくある話です。

フォームに入力された情報に表記揺れや誤記がある

顧客が情報入力時に略称を用いていると、会社名や部署が正確に判定できません。同じ会社・部署であるにも関わらず、違う会社・部署だと判定されてしまう可能性があります。

リード情報や行動情報の管理方法が、施策ごとにばらばらになっている

資料ダウンロードで取得したリードはExcel、ウェブ訪問履歴はMA、イベント参加は紙の名刺など、施策ごとに管理方法がばらばらになっていないでしょうか。MAを導入するのであれば、全てMAに集約した方がよいでしょう。また、部署ごとにデータ管理がされているのであれば、これも社内で統一すべきです。

上記の状態でデータドリブンマーケティングを実行しても成果は出ません。せっかくMAを使って戦略を立てたとしても、誤ったデータを基に分析しているため、効果が出にくい戦略となってしまいます。

MAにデータを移行する前に、データの揺れや間違いを正すデータクレンジングを依頼したり、リードの情報を最新に保つ取り組みを検討したりするなど、データドリブンマーケティングを始めるのであれば、まずは保有している“データの質”を見直してみましょう。

また、データドリブンマーケティングを行う前に、見込み顧客のデータの重要性を社内全体で認識することが重要です。そのためには定期的に施策分析をして、データを用いて原因を分かりやすく伝える努力が必要です。

初めの一歩として、まずはデータの質の見直しを

昨今のBtoB企業の営業活動では、データを活用してマーケティング活動の効果を最大化させるデータドリブンマーケティングが注目されています。しかし、本記事で解説した通りデータの質が担保されていなければ意味がありません。マーケティングに取り組んだり、MA導入を検討する前に、まずは保有リードのデータを見直してみてはいかがでしょうか。

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営業DX Handbook 編集部

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Sansanが運営する「営業DX Handbook」の編集部です。DX推進や営業戦略、マーケティングノウハウなど、営業・マーケティング課題の解決に導く情報をお届けします。