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名刺の裏面はなぜ重要か?活用のポイントと注意点を解説
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名刺の裏面の活用は、初対面の相手に自社を印象づけて、関係を構築するきっかけを作るために重要です。
名刺の裏面では、表面の基本事項では訴求できない自社のアピールポイントを訴求し、今後のアプローチに役立てましょう。相手からのアクションを呼び込むことも可能です。
この記事では、名刺の裏面を活用するメリットや記載内容を決めるポイントを解説します。ぜひ参考にしてみてください。
名刺の裏面が重要な理由
名刺の裏面が重要なのは、名刺交換そのものが貴重で重要な機会だからです。名刺交換の機会を十分に生かすには、名刺表面の会社名・役職・氏名などの基本情報だけでは不十分です。
基本情報に肉付けするのが名刺裏面の情報で、それによって名刺交換の出会いを相手に強く印象づけることができます。
名刺をもらった人が裏面を見るのは、相手に興味を持ち、追加の情報を欲しいと思ったときでしょう。なので、そのように思った人の興味をより高めるように活用しましょう。
1.会社の思いや熱意が伝わる
名刺の裏面を活用することで、表面の基本情報のみでは伝わらない、事業内容や自社のセールスポイント、企業理念などを伝えることが可能です。
特に一般的なテンプレートで作成されたものよりも、会社独自のデザインやカラーで統一されたものの方が相手への印象にも残りやすく、後日に名刺交換や商談のことを思い出してもらいやすくなります。
2.自分や自社を印象づけられる
表面の基本情報のみでは、どうしても他社の名刺と似通った内容になり、自分や自社を相手に印象づけるのは難しいでしょう。
裏面で自社のセールスポイントや企業姿勢をアピールすることにより、自分や自社をより強く印象づけることが可能です。
3.相手がアクションを起こすきっかけになる
裏面の情報が相手のアクションを誘うきっかけになることがあります。
例えば、名刺裏面に自社サイトに誘導するQRコードを印刷するなどすれば、相手が興味を持ったときに簡単にアクションできるようになります。
※ QRコードは、株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
もらった人が名刺の裏面を見るタイミングは?
名刺交換の際に、かならず裏面まで目を通してもらえるわけではありません。
名刺を受け取った人が裏面を見るのは、多くの場合次のようなタイミングです。
- 商談や打ち合わせの途中
- 展示会の帰りや翌日
- 数日後に気になることがあって
- 名刺を整理しているとき
商談や打ち合わせの途中
名刺交換した後の会話の流れで、裏面を見てもらうように誘導することはできるでしょう。
たとえば、裏面に支店網が記載されている場合は、自社のサービス拠点に話が向いたときに、裏面を見てもらうように会話を広げます。
また、自ら裏面に知ってほしい情報が記載していることを伝えるのも良いでしょう。例えば、「裏面に記載しているのですが、私は〇〇支店に所属しておりまして、〇〇通りにあるため御社からも近い場所にございます」など、相手に合わせた話題につなげるのにも効果的です。
展示会の帰りや翌日
名刺をもらった人は、展示会の後の帰りの電車などで、記憶に残ったブースの名刺を見直して、裏面も見るケースがあります。
このような場合は、サービスや自身の所属、Webサイトの情報などを掲載しておき、後に思い出せるような内容にしておくと良いでしょう。
そうすると、自身の課題を解決できるかもしれないソリューションやサービスとして後日思い出してくれる可能性が高まります。そうすることで、検討時や比較時に再度問い合わせにつながるケースも少なくありません。
数日後に気になることがあって
展示会の何日か後に、業務の課題やテーマに取り組む中で、展示会で見た商品やサービスを思い出し、その時交換した名刺を見ることもあるでしょう。
また、展示会に参加したことを社内共有するために報告する際、候補となる会社やサービスについて情報を整理する場合も少なくありません。
その際、たとえば裏面に主力商品のアピールポイントが記載されていれば、資料請求や問い合わせのきっかけになる可能性があるでしょう。
特に展示会参加者は、当日多くの企業と商談したり名刺や資料をもらったりするため、その中で気になった時にしっかり思い出してもらえるよう、その他の会社との違いがわかるようにデザイン面も工夫することが重要です。
名刺を整理しているとき
たまった名刺を整理しているときに、名刺交換した相手を思い出そうとして裏面を見る場合もあるでしょう。展示会が終わってすぐの場合もあれば、ある程度事務作業に集中できるタイミングや年末、年度末など、さまざまな状況が考えられるでしょう。
その際に表面の基本情報だけでは思い出せなくても、名刺交換したときの話題に関する情報が裏面にあれば、思い出してもらえる可能性があります。
どんなサービスであったか、また裏面に余白があればどんな話をしたかも名刺交換する際にメモを残しておくと後日の問い合わせや、中期的な関係構築につながることもあります。
名刺裏面におすすめの記載内容
ファーストコンタクトした見込み客が追加情報として求めるものは何か、あるいは自社の何をとくに知ってほしいかを見定めて、名刺裏面に記載する内容を決めましょう。
具体的には、次のような内容が候補になります。
- 事業内容
- 企業理念
- WebサイトやSNSへのQRコード
- 支店網や店舗網
- 表面の英語訳
事業内容
事業内容が多岐にわたる場合は、ジャンルに分けて整理して掲載すると、業務の幅広さをアピールできるとともに自社のイメージが明確になります。
中心となる商品やサービスについて、特徴やアピールポイントを訴求するのも裏面利用法のひとつです。
ISO認証など、取得している公的認定を記載するのも、企業の信頼性を高める効果があります。
特に相手が後日名刺を見返した際、思い出してもらいやすいように事業内容、サービス名称がパッと見てわかりやすく、目立つように設計しておきましょう。
企業理念
名刺裏面で事業に取り組む姿勢を表明することで、共感が得られる場合があります。最近では、社会における自社の存在意義をパーパスとして表明する企業が増えています。
理念に関する表明には次のようなものがあります。
- 企業理念、パーパスを表明する
- 企業のビジョン、目指す方向を示す
- 企業が果たすべきミッションを宣言する
- 企業が重んじるバリューを表明する
その他にもCSRなど、企業や事業としての取り組み、指針を明確にしておくことも有効です。例えば、展示会によってはサステナブルをテーマにしたものもあるため、その場合は自社のCSRの取り組みや指針を強調するのも効果的です。
WebサイトやSNSへのQRコード
自社に興味を持った相手が、WebサイトやSNSの公式アカウントにアクセスしやすい仕掛けを設けるのも効果的です。
URLの記載だけでなく、QRコードや検索キーワードを載せることで、相手の手間を省くことができます。
また、QRコードには最大で漢字・かなを1,817文字まで記載できるため、名刺裏面の商品紹介や企業理念の表明などで、名刺に書ききれない情報を案内することが可能です。
支店網やサービス拠点網
支店やサービス拠点が各地にある場合は、それを裏面に記載することで、メンテナンスの対応の早さ、便利さなどをアピールすることができます。
特に名刺交換した相手のオフィスが近い場合は、後日にあいさつや商談の機会を得やすくなるケースもあるでしょう。拠点の多さ、またユーザーにとってアクセスの良さは企業への信頼を高める効果があるだけでなく、よりスムーズに話を進められるケースもあります。
表面の英語訳
グローバルな事業展開を目指している場合や外国人との商談機会がある場合は、裏面を表面の英語訳にすると良いでしょう。
特に展示会や業界によっては、顧客企業にグローバル人材が多く所属し、ターゲットの職種が外国の人材であることも少なくないでしょう。
また、海外拠点へのクロスセルを狙う機会がある場合も、それを見据えて名刺の裏面に英語訳を記載しておくことをおすすめします。
名刺の裏面を活用するためのポイント
名刺の裏面を活用するために注意したいポイントは次の4つです。
- 裏面利用の目的を明確にする
- 自社事業への熱意を伝える
- アクションを起こしやすい仕掛けを設ける
- 印象的なデザインを採用する
裏面利用の目的を明確にする
自社の事業や製品、サービスのアピールポイントをふまえて、裏面をどう利用するかを明確にしましょう。
名刺の裏面は、一定期間を経て変更することを前提に、自社の営業課題や方針に沿うタイムリーな利用目的を設定することが大切です。
例えば、主力となる商品ジャンルでアピールしたい新製品を発売したときや、新分野に事業を展開したときなどは、そこにフォーカスした名刺裏面の利用が考えられます。
その他にも、名刺の裏面をメモとして活用したい場合は、意図的にメモができるように余白を残しておくなど、実際の展示会での動きに合わせてデザインしておきましょう。
自社事業への熱意を伝える
名刺の裏面を活用して、自社事業や製品・サービスの価値に対する自信や熱意を感じてもらえるようなデザインにすることも重要です。
例えば、営業理念やパーパス、ビジョンを記載することで、事業やサービスへの取り組み姿勢をアピールすることができます。
また、サービスやプロダクトの強みがパッと見ただけでわかるような、キャッチフレーズを見やすく記載するのも良いでしょう。
アクションを起こしやすい仕掛けを設ける
名刺を渡した相手が自社に興味を持ってくれたときに、アクション(アクセス)しやすい仕掛けを設けましょう。たとえば、QRコードや検索キーワードの記載などがあります。
名刺交換した相手に見てほしいホームページやSNS、コンテンツなどを想定した導線を用意しておきましょう。セミナーを定期的に開催している場合は、最初のアクションとしてセミナーに気軽に参加してもらうように案内するのがおすすめです。
相手によっては、いきなり商談依頼されることに抵抗を感じるケースも少なくありません。そのため、ファーストステップとしてアクションしやすいものを提案できるように設計しておきましょう。
印象的なデザインを採用する
裏面利用の目的をふまえ、見やすく印象的なデザインを採用しましょう。情報を詰め込み過ぎて見づらくならないよう注意が必要です。
近年は名刺のモノクロ印刷と多色印刷の費用差も小さくなっているので、ポイントを別色でアピールするのも効果的です。
何より、展示会でのブースやサービスで定めるカラーとの親和性が重要となります。当日ブースで見たサービスの印象と、名刺で強調するデザインに一貫性があると、名刺交換後も「あの会社(サービス)か!」と思い出してもらいやすくなります。
まとめ
名刺の裏面は、初対面の相手に自社の思いを伝え、印象づけるために活用したいスペースです。
自社の営業方針や営業課題をふまえて、相手に印象づけたいポイントを定めてアピールしましょう。
特に展示会などで名刺交換する場合は、ターゲットに合わせて自社の理念やCSRなどを強調したり、またはメモとして活用できるように意図的に余白を設計しておくことも大切です。
また、名刺の裏面に関する情報は後の商談につながったり、インサイドセールスが接点を持つ上での重要な情報になるケースも少なくありません。
そういった名刺交換の際に得られた情報を、会社の資産として活用するためには名刺をデジタル管理し共有するための仕組みが必要です。
営業DXサービス「Sansan」は、正確な名刺情報や人脈をデータとして一元管理が可能です。データ化も手間がかからず、専用のスキャナーとスマートフォンアプリで簡単に名刺をスキャンできます。
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さらに、Sansanのコンタクト機能を使うと、コンタクト履歴(面会や電話、メール)を人物にひもづけて記録を残すことができます。名刺の裏面で得た情報を取り込むことで、後日フォローアップや商談の依頼を送る際に「展示会でどんなことを話したのか」などをひも付け、他のメンバーに情報共有することができます。
名刺交換後の情報管理や、効率的な情報共有を実現したいと考えている方は、ぜひSansanをご活用ください。
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ライター
営業DX Handbook 編集部