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営業DXを後押しし、加速させる力に。Sansanが営業DXを推進する理由とは

営業DXを後押しし、加速させる力に。Sansanが営業DXを推進する理由とは

2007年からサービス提供を始め、これまで1万社以上のサポートをしてきたSansan。

さまざまな企業を支援し、具体的なユースケースを見聞きしてきたからこそ、営業現場におけるDXの課題も見えてきました。

この「営業DX Handbook」というメディアは、さまざまな企業が営業DXを進めるに当たってのリアルな悩みとその解決方法が詰まったナレッジ集にしていきたいと考えています。

「営業現場でのDX活用が進めば、営業生産性は向上し、企業はもっと強くなるはず」

「そのためには、社を超えてナレッジを共有する連携プロジェクトを進める必要がある」

そう考え、現在、社を超えたさまざまな施策に取り組んでいる柳生大智に、営業DXに対する思いや今後の展開予定について聞きました。

柳生 大智(やぎゅう だいち)

柳生 大智(やぎゅう だいち)

Sansan株式会社

Sansan事業部 事業企画部 副部長

2016年に新卒としてSansan株式会社に入社。営業DXサービス「Sansan」のインサイドセールスに従事したのち、マーケティング部に異動。デジタルマーケティングや戦略立案、データベース設計、オペレーション構築を担当。2023年よりSansan事業企画部に異動し、Sansan社内の営業生産性向上に加え、日本企業の営業DX推進に取り組んでいる。

「進めたいがなかなか進まない」日本企業の営業DXの課題を解決するために

新型コロナウイルスの影響で、ビジネスにおけるオンライン化のスピードは10年早まったと言われています。実際にDXという言葉はずいぶん浸透してきた印象があり、Sansanも営業DXサービスを提供する中で、さまざまな企業においてデジタル化によって業務の効率化やイノベーションが起こるのを目の当たりにしてきました。 

しかし、営業分野のDXに絞ってみれば、多くの企業が「なかなか進んでいない」という課題を抱えています。

実際に、当社が2024年5月に行った調査では、「所属組織で営業DXが進んでいない」と回答した人は73.5%に上りました(※1)。

なぜ、営業DXがなかなか進まないのでしょうか? 

私の実感としては、「営業担当者がやらなければならないことが増えている」ことがひとつの理由だと言えます。 

先述の調査でも、「コロナ禍の後に営業の難易度が高まっている」と回答した人は全体の57.4%と、過半数を超える結果に。具体的な内容としては「顧客ニーズの多様化」「営業手法の多様化」「新たな競合・類似サービスの出現」が挙がりました。

※1:Sansan株式会社「営業活動における実態調査

「やることの多さにデジタル化のスピードが追いついていない」というのが、営業現場の実感なのではないでしょうか。

さらに、営業にまつわる課題に対して営業DXプロジェクトによって解決しようとしても、現在の複雑なプロセスにどこから手をつけるべきなのかの整理が難しかったり先行事例として他社での取り組みを参考にしたくてもなかなか情報が得られなかったりするのが現状だと思っています。

こうした課題を解決するために、この「営業DX Handbook」というメディアを運営したいと考えました。

当社Sansanは、「名刺管理」を始めとする様々な切り口でお客様の営業DXの推進をサポートしてきました。9000社以上のサポートをする中で、世の中にはたくさんの営業DXのチャレンジ、その結果としての失敗談、成功談があることも知っています。そうした、あらゆる企業の挑戦インタビューやDX推進に必要な知識を発信していくことが、営業DXを進める企業にとってのヒントとなり、結果として日本の営業DXを前進するきっかけになるのではないかと考えました。

営業DXを進めるための「4つのデジタル化」

「営業DXの課題を解決するために、ヒントとなる記事をたくさん蓄積していくメディアにしたい」

しかし一口に営業DXといっても、さまざまな切り口があります。

例えば、アナログで管理していた取引先の情報や担当者の情報をデジタル化してデータで管理できるようにすることが営業DXであるとも言えますし、業界分析と未来予測を行って、適切なマーケティング戦略を練ることが営業DXだと言うこともできます。

多様な捉え方ができる営業DXをどのように整理して発信していったらいいか。そんな議論を社内でかなりの時間をかけて行ってきました。

その結果、営業DXを4つの領域に分割してナレッジを紹介していくのがわかりやすいのではないかという結論に至りました。

Sansanが考える、「営業DX」の4つの領域

これが、営業DXに必要な4つのデジタル化です。

4つの領域に分割したことで、各領域においてどんな課題があり、どう解決していけるのかがより具体的になると考えています。 

これから、このメディアでは、上記の4つの領域にひもづけながら、毎月数本ずつ、営業DXのヒントになる記事を発信していく予定です。その中で、4つの領域の分け方そのものもアップデートしていきたいと思っています。

会社を超えて営業DXナレッジを数多くシェアできる場に

営業DXにはさまざまな方法があり、各社それぞれのユニークな取り組みがなされているはずなのですが、実はそのノウハウやナレッジのシェアが行われる機会は多くありません。

例えば、私がSansanで長く在籍していたマーケティングの領域では、課題や数字は長期スパンで追うものでした。だからこそ振り返りもしやすく、各社がそのナレッジやノウハウを社を超えて連携し、活発な交流によってマーケティング手法がアップデートされているのをたびたび目にしていました。

それに対して、営業が追いかけている数字は比較的短期です。今月、今週、今日の売上はいくらなのか、その数字を積み上げることが最大の仕事でありゴールであるために、「なぜ売れたのか」を共有するところまでは自発的に行うことは難しいことも多いのではないでしょうか。

ただ、もしも売れている営業担当者が、「なぜ売れているのか」を、もしアウトプットする機会があれば、営業組織全体がさらに強くなることにつながるのではないかと思いました。

だからこそ、Sansanがナレッジとして発表したり、それをまとめて発信していくメディアをつくることで、営業DXを推進する方々の力になりたいです。

次回以降、皆さんの営業DXを進める上でのヒントになる記事を配信していきます。

まずはSansan株式会社の中で実践された営業DXのプロジェクトをご紹介すべく、Sansanでの取り組み事例の記事を公開します。これは、企業単位で情報を整理した、取引先データベースを作った事例です。

実はSansanの社内も、数年前までは多くの企業と同じように「営業DXが思うように進まない」という課題を抱えていました。たくさんの苦労をしながら営業DXを進め、失敗もしてきましたし、今もなお取り組みは継続中です。

私たちの事例を通して、なんらかのヒントをお届けできれば幸いです。

今後は、他社の具体事例も発信していくべく、インタビューを実施して記事にまとめていく予定ですので、ぜひ掲載を楽しみにお待ちいただければ嬉しいです。

編集部からのまとめ

営業DXを推進するために、ノウハウやナレッジをシェアする場を作りたいという柳生の強い思いや覚悟が伝わってきました。

今後営業DX Handbookでは、Sansan社や他社の営業DXナレッジを発信していく予定です。

また、社を超えた連携プロジェクトも積極的に進めていこうと考えています。

早速今月は、営業DXをどのようにジャンル分けして、ナレッジを集めていくかを考える、「営業DX Meet Up」を開催します。この様子は後日、レポート記事としてお知らせしますので、楽しみにお待ちください。

営業DX Handbook 編集部

ライター

営業DX Handbook 編集部

Sansanが運営する「営業DX Handbook」の編集部です。DX推進や営業戦略、マーケティングノウハウなど、営業・マーケティング課題の解決に導く情報をお届けします。