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営業支援とは?目的や実施する際のポイントを解説

営業支援とは?目的や実施する際のポイントを解説

営業担当者の業務は、顧客との商談やフォローアップといった対人で行うものだけではありません。

見積書・請求書の作成や各種費用の精算などの事務作業も平行して行わなければならず、営業担当者の負担になっているかもしれません。そこで検討したいのが、「営業支援」という施策です。

本記事では、営業支援の概要やポイント、注意点、おすすめのツールなどをご紹介します。営業支援によって、チームの体制強化を目指しましょう。

営業支援とは

営業支援とは、営業担当者が本来の業務である営業活動に専念できるよう、ほかの従業員が業務の支援をすることです。また、SFA(営業支援システム)やCRM(顧客関係管理)ツールなど、営業に役立つツールを活用して業務の自動化や効率化を図ることも営業支援に含まれます。

営業担当者が営業のコア業務に集中することで、成果が上がりやすくなる効果が期待できます。

営業支援の目的

ここでは、営業支援の目的を具体的に見ていきましょう。

  • 営業効率の向上
  • 営業担当者の負担軽減
  • 業績のアップ

営業効率の向上

営業のコア業務は、課題解決のための提案や商談といった顧客とのコミュニケーションです。しかし、営業が行う業務には、見積書の作成や費用計算などの事務作業も含まれます。

事務作業に時間がかかってしまうと、コア業務である顧客とのコミュニケーションに割く時間がなくなり、営業効率が悪くなります

営業の付随業務をほかの従業員と分担することで、営業効率の向上が期待できます。システムを導入した作業の自動化も営業支援の一環で、業務効率の向上だけでなく、残業時間の削減にも役立つでしょう。

システムによって営業活動の状況をチーム内で可視化することは、速やかな課題の発見やマネジメント業務の効率化にも貢献します。

営業担当者の負担軽減

営業担当者には、売上目標(営業ノルマ)があります。

売上目標は、上層部が営業担当者を評価する際の指標となり、ボーナスや報酬にも影響します。そのため、売上目標をプレッシャーに感じている担当者も少なくありません。営業活動のコア業務以外に割く時間が増えると、営業担当者は大きなストレスを感じてしまうでしょう。

システムの導入や、アシスタントのサポートによって営業支援を推進すると、営業担当者が感じるストレスや業務負担が減り、本来の仕事に注力できるようになります。負担が軽減されることで、営業担当者がスキルアップを意識する余力も生まれ、モチベーション向上の効果も期待できます。

業績のアップ

営業支援の推進は、営業担当者が本来の営業活動に集中できる時間である「コアタイム」の確保につながります。

営業活動におけるコアタイムの代表的なものは、次の通りです。

  • 顧客と商談する時間
  • 顧客とコミュニケーションを取る時間
  • 営業方針を策定する時間

営業担当者がコア業務に注力すると、新規顧客の開拓や既存顧客のフォローアップ体制が強化され、売り上げの向上が期待できます

また、営業担当者が商談のスケジュールや営業活動上の問題点、改善点を共有し、チーム全体の問題として取り組むことで、業績アップにもつながるでしょう。

営業支援の流れ

営業支援の流れは、次の通りです。

  1. 自社の営業プロセスを可視化して課題を見つける
  2. 優先度の高い課題から改善していく

ここでは、それぞれのステップで行うべきことや、考慮すべき点などを解説します。

1. 自社の営業プロセスを可視化して課題を見つける

営業支援は、まず現状の営業プロセスを分解して可視化し、どこに自社の課題があるのかを明確にするところから始まります。

一般的な営業プロセスは、次のように分解できます。

  1. アポ取得
  2. 初回訪問・オンライン面談
  3. 解決策の提案
  4. クロージング
  5. 受注

上記のプロセスをコアタイム業務とノンコアタイム業務に分解し、さらに細かく整理しましょう。それにより、次のような課題を発見できるでしょう。

  • アポ件数が少ない
  • 初回訪問・オンライン面談で使う資料の作り込みが甘い
  • 見積書や請求書の作成に時間がかかり、顧客を待たせてしまっている
  • 営業担当者ごとに手法が異なるため、クロージングの成功率にばらつきがある
  • 分業化が進んでおらず、営業担当者が資料作成にも時間を割かなければならない

課題や問題点をより数値的に明らかにしたい場合は、ツールを活用して、営業成績やKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)を追跡すると良いでしょう

2. 優先度の高い課題から改善していく

ステップ1で課題を把握したら、改善に取り組む前に優先順位を付けます。

「なくす・減らす・変える」の順で考え、習慣的に行っている業務の中で、不要なものを減らしていくことが重要です。

  • 成果に寄与しない報告書の作成をなくす
  • ミーティングの数を減らす
  • オンラインミーティングから直接訪問へ切り替える
  • 業務の内容や担当者を変える

大きな問題が生じている業務や、改善によってコスト削減や売り上げの向上といった成果が見込める課題から着手することで、効率の良い業務改善が可能です。

営業活動の改善には業務フローの変更がともなうことが多いため、関係者の理解を得たうえで進めましょう。

営業支援を行う際のポイント

営業支援を行う際のポイントは、次の2つです。

  • 目標を設定し、定期的な進捗管理と見直しを行う
  • 情報はチーム全体で共有する

それぞれのポイントを見ていきましょう。

目標を設定し、定期的な進捗管理と見直しを行う

営業支援のためには、目標設定や、KPI(重要業績評価指標)の策定、それに対する分析と改善を重ねる必要があります。

KPI(重要業績評価指標)は、目標に対するプロセスを適切に評価することを目的として設定しましょう。一般的に、営業活動では、訪問回数・成約数・成約率などの数値目標をKPIとして設定し、日次・週次・月次など期間ごとに達成度合いを評価していきます。

設定した目標とKPIに対する進捗状況を定期的に分析し、営業支援の成果が見られない場合には、さらなる改善策を講じるのが、効率や効果を高めるうえでのポイントです。

情報はチーム全体で共有する

営業支援を成功に導くためには、社内や部署内、プロジェクトチーム内での情報共有が重要です。情報を個人が持つと、いわゆる「属人化」の状態になり、営業効率の低下を招きます。問題が発生した場合の対応も遅れる可能性があるでしょう。

共有すべき情報は、案件情報や顧客情報だけでなく、成功事例や失敗事例、顧客との対応履歴、営業活動記録など多岐にわたります。

収集した営業活動に関するデータは、各営業担当者の営業活動に活用可能です。情報を簡単に検索できる仕組みを構築することで、作業効率が向上するでしょう。

また、営業プロセスを可視化すると、営業成績だけでなく、そこに至る過程も確認できます。営業担当者が、成績の良い別の担当者の営業活動を参考にできるようになり、マネジメント層は、各営業担当の結果だけでなく、業務フローも加味したうえで評価できます。

営業支援を行う際の注意点

営業支援を行う際は、次の点に注意しましょう。

  • 管理者の押し付けにならないようにする
  • 営業担当者の負担が増えていないことを確認する

管理者の押し付けにならないようにする

営業支援を推し進めることで得られる効果やメリットを、正確かつ明確に営業担当者に伝え、現場の積極的な協力を促すことが必要不可欠です。

そこで重要となるのが、営業支援を行う目的を明確にすることです。目的が不明確なまま、営業支援を導入すると、営業担当者は「上層部に押し付けられた」と感じてしまう可能性があります。現場が混乱し、導入するコストに見合ったリターンが得られず、時間と労力が無駄になる可能性もあるでしょう。

管理者の押し付けとならないよう、そして営業担当者や現場の理解を得られるよう、コミュニケーションを密に取るなどの対応を心がけると効果的です。

営業担当者の負担が増えていないことを確認する

営業支援は、営業担当者がコア業務に集中できる体制を整えるためのものです。効率向上を目的に行ったはずの支援策が、結果として営業担当者の負担を増やしてしまっては意味がありません。

営業支援によって得られた成果を正しく把握し、必要に応じて改善を試みましょう。

営業支援におすすめのツール

営業支援を成功に導くうえで、ツールの活用は欠かせません。おすすめのツールは、次の3つです。

  • SFA
  • CRM
  • MA

ここでは、それぞれのツールの概要や営業支援への活用方法を紹介します。

SFA

SFAは、「Sales Force Automation」の略で、「営業支援システム」と訳されます。営業活動の課題を解決して、生産性の向上を目指す役割があります。
SFAには、次のような機能が搭載されています。

  • 顧客管理
  • 案件管理
  • 進捗管理
  • 営業行動管理
  • スケジュール管理
  • 日報作成
  • 見積書作成

SFAを導入すると、各営業担当者の活動が可視化され、経営層の視点から営業活動の改善を指示できます

SFAの詳細は、次の記事を参考にしてください。

CRM

CRMは、「Customer Relationship Management」の略で、「顧客関係管理」と訳されるのが一般的です。CRMには、顧客情報管理・配信機能・問い合わせ管理・データ分析機能などが搭載されています。

CRMを活用する大きなメリットは、顧客情報の一元管理や情報のリアルタイム共有が可能となる点です。社内で情報を共有し、効率的にボトルネックや課題を抽出して解決することで、顧客満足度や成約率アップ、ひいては売り上げアップにつながります

CRMの詳細は、次の記事を参考にしてください。

MA

MAとは、「Marketing Automation」の略で、マーケティング活動を自動化する仕組みやツールのことです。MAには、主に次のような機能が搭載されています。

  • リード管理
  • スコアリング
  • シナリオ作成
  • メール配信
  • ランディングページ・フォーム作成
  • リポート作成
  • SFA・CRMとの連携

MAを活用すると、分析プロセスの自動化や商談時間の短縮、カスタマージャーニーマップの作成、顧客の興味関心の度合いに応じたメール送信などが可能です。マンパワーによる作業を減らすことで担当者の業務負担が減り、マーケティング施策の立案に注力できます

MAの詳細は、次の記事を参考にしてください。

まとめ

営業支援は営業担当者が本来の業務に集中し、業績や業務効率を高めるうえで役立つ施策です。現場の状況をよく見ながら、具体的に必要とされる支援を検討しましょう。

営業支援を成功に導くためには、SFAの活用がおすすめです。さらにCRMを併用し、カギになる商談履歴や顧客の情報などを一元管理することで、これまで気づけなかったビジネス機会に気づくきっかけを得られるでしょう。

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さらに、利用中のSFA・CRM・MAとの連携で、より営業活動の業務効率を高められます。ぜひ導入をご検討ください。

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営業DX Handbook 編集部

ライター

営業DX Handbook 編集部

Sansanが運営する「営業DX Handbook」の編集部です。DX推進や営業戦略、マーケティングノウハウなど、営業・マーケティング課題の解決に導く情報をお届けします。