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ホットリードとは?具体的な獲得・育成方法や施策について解説
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営業で効率的に成果をあげるためには、ホットリードの獲得・育成が欠かせません。しかし、ホットリードを獲得する方法がわからず、どのようにアプローチしたらいいかお悩みの方も多いでしょう。
そこで本記事では、ホットリードとは何か意味を解説するとともに、ホットリードを獲得する方法、ホットリードを育成・獲得するために押さえておきたいコツまでわかりやすく解説します。
ホットリードを獲得し、成約率向上を実現したい方は参考にしてください。
ホットリードとは

ホットリードとは、自社商品への興味関心、ならびに購買意欲の高い見込み顧客のことです。購買への近さから、「今すぐ客」と呼ばれることもあります。
BtoB企業の場合、資料請求やデモ申し込み、見積もり依頼など、サービス購買に対する具体的な行動を伴うリードがホットリードに該当します。
コールドリードとの違い
コールドリードとは、自社の製品・サービスへの興味関心が低いリードを指し、「そのうち客」とも呼ばれます。
将来的には自社製品・サービスを購入してくれる可能性があるものの、現時点での検討意欲は低く、購買までに多くの時間を要するリードです。
ウォームリードとの違い
ウォームリードとは、ホットリードほど購買意欲は高くないものの、自社製品・サービスに対して興味関心を持つリードを指します。
Webサイトを定期的に閲覧している、メールマガジンやブログを読んでいるなど、育成次第ではホットリード化する見込み顧客です。
ホットリードを獲得・育成するメリット

ホットリードを獲得・育成するメリットは、次の4点です。
1.ホットリードを中心に成約数を上げやすい
ホットリードは、自社製品・サービスへの関心が強い見込み顧客のため、最小限のアプローチで効率的に成約へとつなげられます。
時間も人員も限られる中、アプローチが空振りする機会は減らしたいもの。売り上げを上げるためにも、できる限りスムーズに商談から成約へと進めたいところです。
ホットリードであれば、すでに購買意欲が高まっている状態なので、見込み顧客の要望やニーズに応えながら具体的な商談を行えます。その結果、購買意欲を確かなものとし、成約へと持ち込めるでしょう。
2.ホットリードに対象を絞り営業リソースを最適化できる
ホットリードを主な営業対象として絞れば、限られたリソースを有効活用でき、無駄なく営業を進められます。
購買見込みの低いリードばかりにリソースを割いてしまうと、なかなか成果につながらないまま、多くの時間やコストをうしないかねません。一方、すでに自社製品・サービスへ興味関心のあるホットリードを対象とすれば、購買まではあと一歩です。
「今すぐ客」であるホットリードを中心に営業を行うことで、営業に割ける人員や予算が少ない場合でも、無駄なく成果へとつなげられます。
3.顕在化した課題を解決し顧客満足度向上につなげる
ホットリードは、課題が顕在化しており、具体的な解決策を求めているからこそ、資料請求やトライアルの申し込みといった具体的な行動に移ります。
そのため、ホットリードが抱える課題を分析し、その課題の解決に向けて適切にアプローチすれば、顧客満足度向上にもつながるでしょう。
ホットリードの課題解決に貢献できれば、「ニーズに合わせたサービスを提供してくれる」と好印象を与えられ、リピーターの創出にも期待できます。
4.ROI(投資対効果)を改善できる
ホットリードは、他の見込み顧客よりも成約率が高く、効率的に成果を得られることから、営業にかかる人件費や時間などを削減できます。コストを抑えながらも成約率をあげられるため、ROI(投資対効果)の改善も可能です。
ホットリードの具体的な獲得・育成方法

ホットリードを獲得・育成するためにはどのような方法があるのでしょうか。具体的な6つの方法を紹介します。
1.インサイドセールスによるアプローチ
メールマーケティングやテレマーケティングといったインサイドセールスを展開することで、ホットリードを獲得できます。
資料請求やセミナー開催時に得たメールアドレスや電話番号などを活用し、すでに接点のある見込み顧客へとさらなるアプローチをかけましょう。
ニーズや要望をくみ取り、各リードの購買意欲に沿った情報提供ができれば、ホットリードへとスムーズに育成できます。
2.ホワイトペーパーの活用
ホワイトペーパーを作成・配布すれば、自社製品やサービスに対し興味関心のあるリードや、課題の顕在化したリードを獲得できます。
ホワイトペーパーで情報を得るためには、企業名や担当者名、連絡先などを記入した上で、資料をダウンロードしなければなりません。わざわざ個人情報を入力して情報を得るということは、課題の早急な解決を求めるあかしです。そのため、ホットリード化する可能性が高いリードと考えられます。
しかし、ホワイトペーパーの内容やクオリティーによっては、ホットリード一歩手前から、コールドリードへと急変してしまうこともゼロではありません。
「内容が薄く、専門知識に欠けている」「詳細を確認してみたら、思っていたサービスとは違った」という印象をなるべく与えないために、情報の質や信頼性にこだわってホワイトペーパーを作成しましょう。
3.メールマガジンで情報配信
ホットリードを獲得・育成するために、メールマガジンによって定期的に有益情報を配信しましょう。メールマガジンの配信で効果的なのが、ステップメールの配信です。例えば、次の通りに段階を踏んでメールを配信し、リードの購買意欲を高めていきます。
- メールマガジン購読へのお礼メッセージ
- 見込み顧客の課題に合った、自社製品・サービスに関する有益な情報
- 実際に自社製品・サービスを購入した企業や人の事例
- 自社製品・サービスに関する詳細な販売情報、料金の案内
上記のように、自社製品・サービスのメリットやベネフィットを伝えてから、具体的な事例で訴求することにより、信頼感や関係性を深めてホットリードへと育成できます。
配信内容によって効果は大きく左右されるため、ホワイトペーパーと同様に情報の質にこだわってメールのシナリオを考えましょう。
4.導入事例やインタビューの紹介
自社製品・サービスの購入へとさらに近づけるためには、この製品を購入する意味があるのか、コストが無駄にならないかといった疑問を払拭する必要があります。
疑問や不安を払拭するためには、実際の導入事例やインタビューといった情報が効果的です。ホームページやLP(ランディングページ)、メールマガジンなどで導入事例を紹介しましょう。
導入事例やインタビューを紹介する際には、どのようなメリットがあったかといった曖昧な情報だけでなく、「Aを導入したことでBが◯%改善し、Cにもつながった」という具体的な効果を記載すると効果的です。
また、導入事例やインタビューに加え、UGC(User Generated Content:口コミやレビューといったユーザーが生成するコンテンツ)もWebサイトやLP、広告などに取り入れると有用でしょう。
5.セミナーへの参加促進<
セミナーやウェビナーを開催し、参加を促進することによって、ホットリードの獲得・育成にもつながります。
例えば、BtoBマーケティングのコンサルティングを手がける会社の場合、「BtoBならではのターゲット分析とナーチャリングのコツ」といったテーマでセミナーを開催すれば、ナーチャリングに課題を感じている企業と接点を持てるでしょう。
このように、課題が顕在化したリードを獲得するために、セミナーは非常に効果的です。
テーマ設定によっては、同じ業界・職種の参加者が集まりやすいため、ターゲット層とコミュニケーションを取れるのも効果的といえます。
Q&Aセッションや相談会もあわせて設ければ、ターゲット層が抱える課題をさらに深掘りするいい機会にもなるでしょう。
6.オウンドメディアによるコンテンツの配信
ホットリードを獲得・育成するためには、オウンドメディアを運営し、リードにとって有益なコンテンツを配信するのも効果的です。課題解決に役立つトピックやニュースを定期的に配信し、自社製品・サービスへの興味関心を高めましょう。
しかし、オウンドメディアを運営する際には、単にトピック数が多いだけでは効果がありません。詳細なペルソナ設定やキーワード設計から始めて、ターゲット層が求める情報は何か分析し、必要なトピックを配信する必要があります。
また、ホワイトペーパーのダウンロードボタンや、無料トライアルへの誘導ボタンなどを、記事内に忘れずに設置しておきましょう。
ホットリードを獲得するためのポイント

ホットリードを獲得する方法はいくつかありますが、どの方法を試してみてもなかなかホットリードを獲得できないとお悩みの方も多いはずです。
そこでここからは、ホットリードを獲得するためのポイントとして、次の3つを紹介します。
1.ホットリードの基準や条件を明確にする
ホットリードを効率的に獲得するためには、何をもってホットリードと判断するのか、基準や条件を明確にする必要があります。例えば、ICP(Ideal Customer Profile:理想的な顧客プロファイル)を作成するような感覚で、次の項目を設定しておきましょう。
- 業界
- 企業規模
- 予算
- 組織の意思決定プロセス
- 購買意欲の高さ(=どのようなアクションを取っているか)
どのような特徴を持つか、どういった行動パターンかといった点まで掘り下げておくと、ホットリード像がより明確になり、適切な情報発信やアプローチが可能となります。
しかし、ホットリードの定義自体に時間をかけるのはおすすめできません。実際に運用し始めてみなければ、具体的なホットリード像はわからないからです。
運用し始めてからホットリードの特徴やパターンが見えてくることもあるため、まずは仮の基準として設けるところから始めましょう。
2.リードの関心に合った価値あるコンテンツを提供する
ホットリードを獲得するためには、ホワイトペーパーやセミナー、導入事例やインタビューといったコンテンツが欠かせません。しかし重要なのは、リードの関心に合ったコンテンツを提供できるかどうかです。
そのため、コンテンツを作成する際には、ニーズとのズレが生じないように、まずは見込み顧客のデータを収集・分析するところから始めましょう。どのような課題に悩んでいるか、課題を解決するためにどのような情報を探しているかを整理した上で、発信するコンテンツを作成してください。
また、オウンドメディアを通じてホットリードを獲得したい場合は、コンテンツ数を増やすだけでなく、SEO対策も必須です。
検索エンジンで上位化し、オーガニックユーザー(検索エンジンからの自然検索で流入するユーザー)を増やせるように対策をしましょう。質の高いコンテンツの提供に加え、コンテンツを届けるための環境構築も並行して行うのが効果を出すポイントです。
3.スコアリングでホットリードを可視化する
ホットリードを獲得するためには、リードスコアリングを活用するのもおすすめです。次の項目ごとにスコアを設けて、ホットリードかどうかの識別、優先順位付けに活用しましょう。
- 外面的情報(デモグラフィックデータ)
見込み顧客の企業規模や業界、所在地や役職など、見込み顧客の属性を表す情報
- 内面的情報(サイコグラフィックデータ)
見込み顧客の抱える課題、嗜好や購買動機など、目には見えない心理的属性に基づく情報
- 行動情報
セミナーへの参加、Webサイトの閲覧、ホワイトペーパーのダウンロードや無料トライアルの利用など、見込み顧客が取った行動に関する情報
上記の情報をもとに、「マーケティング部の部長であれば5点」、「セミナーへの参加は10点」、「ホワイトペーパーのダウンロードは5点」などとスコアを付与し、「合計点数で20点以上になった場合をホットリードとする」のような基準を設けると、営業担当者はリードを識別しやすくなるでしょう。
スコアが高い=自社製品・サービスへの興味関心が高いと考えられるので、アプローチ次第で成約へとつなげられます。
ホットリードの獲得・育成に効果的なツール
ホットリードの獲得・育成のためには、見込み顧客に関するデータ収集と分析が欠かせません。
しかし、Excelやスプレッドシートで管理するのは手間がかかり、ミスが発生するリスクも高まるもの。そのため、データの一元管理が可能なツールを導入し、営業に活用する企業が増えています。
ちなみに、Sansanが2022年に行った調査によると、データ活用のためにITツールを活用する企業は65.4%を記録。6割以上の企業がITツールを活用し、データ管理を効率化しています。

ここからは、具体的にどのようなツールがホットリードの獲得に効果的なのかを解説します。
MAツール
MAツールは、見込み顧客の行動履歴を自動で収集・分析できるツールです。MAツールによってリードナーチャリングを効率化すれば、ホットリードの獲得・育成に期待できます。具体的には、次の3つの機能が効果的でしょう。
顧客データの一元管理
Webサイトへの訪問頻度、資料請求の有無、メール開封率などの行動データを自動で収集し、各リードの興味関心レベルや購買意欲の強さを分析できます。
リードスコアリング
収集された行動データをもとに、各リードの属性情報・行動情報に応じてスコアを付与することで、購買意欲が高いホットリードの識別に貢献します。
メール配信の自動化
リードスコアリングで購買意欲が高いと判断されたリードを対象に、自動でシナリオを設計してメールを配信できます。メール配信を自動化することで、効率的なリードナーチャリングが可能です。
SFA(営業支援システム)
SFAでは、各リードの基本情報や商談の進捗状況を一元管理できます。商談パイプラインを可視化することで、優先順位をつけやすくなり、効率的にリードへアプローチできるのがメリットです。
ホットリードの育成には、次の機能が効果的でしょう。
ナレッジの共有
SFAでは、ホットリードとの商談内容や提案資料、メールのやりとりなども共有できます。営業担当者間でナレッジを共有できることで、優れた営業パーソンがどのようにアプローチしているのか参考にでき、ホットリードへのアプローチ品質を改善可能です。
受注予測の精度向上
SFAでは、受注予測機能を使用できます。収集されたデータやAIの活用などにより、ホットリードの受注確度を適切に評価できるため、優先すべき案件を絞りやすいでしょう。
CRM(顧客管理システム)
CRMでは、顧客との関係性向上のためにデータを活用でき、ホットリードの育成に効果的です。具体的には、次の機能が便利でしょう。
コミュニケーションの一元管理
CRMは、メール・電話・訪問記録といったリードとのコミュニケーション履歴を一元管理できます。これまでの履歴を分析することで、ホットリードの傾向を把握でき、アプローチの最適化が可能です。
リードの抽出
CRMでは、条件に合ったリードを抽出できます。そのため、「資料請求から2週間経過したリードにメールを配信する」のような、適切なタイミングでのアプローチが可能となります。
まとめ
営業リソースの最適化、成約数アップなどを実現するためには、ホットリードの獲得・育成が欠かせません。MAツールやSFAなどのITツールも活用しながら、リードに関するデータ収集・分析を徹底し、ホットリードの獲得を目指しましょう。
また、MAツールやSFAとあわせて、営業向けのDXツール「Sansan」を活用するのもおすすめです。
営業DXツール「Sansan」では、人脈情報を一元管理・共有できることで、ホットリードの獲得・育成を後押しします。
例えば、標準搭載された企業データベースにより、接点の有無に関わらず企業情報を閲覧できるため、見込み顧客を効率的に発掘できるでしょう。
くわえて、「Sansan Data Hub」機能では、MAツールと連携することで、顧客属性に合わせた効果的なリードナーチャリングを実現可能です。
営業・マーケティング活動に必要な情報を集約・整備し、ホットリードの獲得から育成までを強力にサポートしてくれるツールをお探しなら、ぜひ「Sansan」の導入を検討してみてください。

3分でわかる Sansan Data Hub
データ統合からマーケティングを加速させる「Sansan Data Hub」について簡単にご説明した資料です。

ライター
営業DX Handbook 編集部