- 営業戦略
営業方法の主な種類とは?BtoBにおける有効な手法やポイントを解説
公開日:
効果的な営業活動を展開するためには、インバウンド営業とアウトバウンド営業の両方を理解し、適切に活用することが重要です。
本記事では、BtoB企業が成果を最大化するために、インバウンド営業とアウトバウンド営業の主要な手法や、営業手法を選定する際の重要なポイントについて解説します。これらの知識を活用して、より効果的な営業戦略を構築しましょう。
営業方法は「インバウンド」と「アウトバウンド」に分けられる
企業が効果的な営業活動を行うには、インバウンド営業とアウトバウンド営業の双方を理解し、それぞれを適切に活用することが重要です。
- インバウンド営業とは
- アウトバウンド営業とは
インバウンド営業とは
インバウンド営業とは、企業が自社の製品やサービスに関心を持つ見込み顧客を引き寄せる営業手法です。BtoBのインバウンド営業では、主にオウンドメディア、ホワイトペーパー、ウェビナーなどを活用し、ターゲット企業が情報を探しているタイミングで有益なコンテンツを提供します。
例えば、業界のトレンドや解決策を紹介するブログ記事や、詳細なケーススタディーを提供することで、見込み顧客が自社の専門知識に信頼を寄せ、問い合わせや取引を促します。インバウンド営業は、見込み顧客が自発的に接触してくるため、飛び込み営業などよりも効果的で、長期的なビジネス関係の構築につながるでしょう。
アウトバウンド営業とは
アウトバウンド営業とは、企業が自ら見込み顧客(他の企業)に直接アプローチして、製品やサービスを提案する営業手法です。BtoBのアウトバウンド営業では、電話営業、メールマーケティング、直接訪問、展示会でのネットワーキングなどが主な手段です。例えば、電話やメールでターゲット企業に連絡を取り、製品のメリットや解決策を提案します。
また、展示会やビジネスイベントで直接面談し、関係を築くことも重要です。この手法は、ターゲット企業に対して積極的にアプローチするため、短期間で結果を得やすい特徴があります。アウトバウンド営業は、迅速にリードを獲得し、直接のフィードバックを得ることで、効率的に営業戦略を調整できる点がメリットです。
インバウンド営業の主な方法
インバウンド営業では、企業が自らの専門知識や価値ある情報を提供することで、見込み顧客を自然に引き寄せる手法を取ります。以下に、インバウンド営業の主な方法について詳しく説明します。
- オウンドメディア
- SNSマーケティング
- メールマーケティング
- ウェビナー・オンラインイベント
- プレスリリース
オウンドメディア
オウンドメディアとは、企業が所有する公式ウェブサイト、ブログ、SNSアカウントなどを指し、BtoBのインバウンド営業で重要な役割を果たします。企業はブログ記事、ホワイトペーパー、ケーススタディーを通じて専門知識や業界情報を提供し、見込み顧客に価値ある情報を提供します。例えば、業界トレンドや製品の使用方法を解説するブログ記事を掲載し、ターゲット企業の信頼を獲得することが可能です。
SEO対策により検索エンジンからの流入を増やし、見込み顧客を引き寄せることができます。オウンドメディアを活用することで、企業は長期的な顧客関係を築き、持続的な成長を実現します。
SNSマーケティング
SNSマーケティングとは、ソーシャルメディアを活用して企業の製品やサービスをプロモーションする手法です。X(旧Twitter)、Facebookなどのプラットフォームを通じて、業界の専門知識や企業の実績を共有し、ターゲット企業との関係を築きます。
例えば、Xを活用して最新ニュースやイベント情報を発信し、フォロワーとのエンゲージメントを強化する、Facebookでウェビナーやライブイベントを開催し、見込み顧客との直接的なコミュニケーションを図る、といった方法があります。SNSマーケティングを効果的に活用することで、企業はブランドの認知度を高め、長期的なビジネス関係を築けます。
メールマーケティング
メールマーケティングとは、企業が見込み顧客や既存顧客に対して、電子メールを通じて情報を提供し、関係を築く手法です。具体的には、ニュースレターや製品の更新情報、業界のトレンドレポート、ホワイトペーパーの配信などがあります。
企業が新しいホワイトペーパーを発表した際、その情報をメールでターゲット企業に提供することで興味を引き、ウェブサイトへの訪問を促進します。また、見込み顧客の特定のニーズに合わせたパーソナライズされたコンテンツを提供することで、信頼関係を強化し、購買意欲を高めることが可能です。さらに、メールマーケティングの成果を測定し、開封率やクリック率を分析することで、戦略を最適化し、より効果的なアプローチを実施できます。
ウェビナー・オンラインイベント
ウェビナー・オンラインイベントとは、企業がインターネットを通じて開催するセミナーやイベントのことです。これらのイベントを通じて、企業は専門知識や製品のデモンストレーションを提供し、ターゲット企業の関心を引きます。
例えば、新製品の機能紹介や業界の最新トレンドに関するウェビナーを開催し、Q&Aセッションを設けることで、参加者と直接的なコミュニケーションを図り、信頼関係を築くことが可能です。さらに、これらのイベントは録画して後日配信することも可能なため、参加できなかった見込み顧客にも情報を届けることができます。
プレスリリース
プレスリリースとは、企業が重要な出来事などを報道機関やターゲット市場に向けて公式に発表する文書です。例えば、新製品やサービスの発表、業界イベントでの講演、戦略的パートナーシップの締結などを発表する際に、プレスリリースを活用します。
プレスリリースにより、業界のメディアや関連企業に対して、自社の最新情報を効果的に伝えることが可能です。プレスリリースは信頼性の高い情報源として認識されるため、報道機関やターゲット企業の関心を引きやすく、ウェブサイトへの訪問や問い合わせを促進します。
アウトバウンド営業の主な方法
アウトバウンド営業では、企業が積極的に見込み顧客にアプローチし、直接的な関係を築くことが求められます。
- 飛び込み営業(ドア・トゥ・ドアセールス)
- メール営業
- 電話営業(テレアポ)
- イベントや展示会
- パートナーシップ・アライアンス
飛び込み営業(ドア・トゥ・ドアセールス)
飛び込み営業(ドア・トゥ・ドアセールス)とは、営業担当者が事前のアポイントメントなしに直接企業を訪問し、製品やサービスを紹介する営業手法です。BtoBの飛び込み営業では、担当者がターゲット企業をリストアップし、計画的に訪問します。例えば、製造業向けのソフトウエアを提供する企業が工場やオフィスを直接訪れ、担当者にデモンストレーションを行います。
この手法は、製品やサービスの即時フィードバックを得られる点が強みです。また、対面でのコミュニケーションにより、製品の詳細を具体的に説明し、顧客の疑問にその場で答えることができます。信頼関係の構築が早く、即座に商談に進展する可能性が高まります。
メール営業
メール営業とは、企業が見込み顧客に電子メールを送り、自社の製品やサービスを紹介する手法です。BtoBではターゲット企業をリサーチし、担当者の名前や役職、ニーズに合わせたパーソナライズされたメッセージを送ることで関心を引きます。例えば、新しい業界レポートや特定の課題を解決するソリューションを提案します。
利点として、低いコストで一度に多くの企業へアプローチ可能である点や、開封率やクリック率を分析し効果を測定できる点が挙げられます。ただし、スパムと誤認されないよう、件名や内容に配慮し、パーソナライズが重要です。
電話営業(テレアポ)
電話営業(テレアポ)とは、営業担当者が見込み顧客に対して電話をかけ、製品やサービスを紹介し、商談の機会を作り出す手法です。企業リストを基にターゲット企業へアプローチし、直接対話することでニーズを把握し、解決策を提案します。電話営業の利点は、迅速に顧客とコミュニケーションを取れる点です。例えば、ソフトウエア企業が新製品を販売する際、IT部門に電話をかけ、デモンストレーションを提案します。
リアルタイムでの質問対応が可能なため、関心を引きやすくなります。短期間で多くの企業にアプローチできる効率的な手法ですが、成功には事前のリサーチと準備が重要です。
イベントや展示会
イベントや展示会は、企業が製品やサービスを紹介し、見込み顧客と直接対話する重要な営業手法です。ブースを設けて製品の利点や使用方法を実演し、参加者の関心を引きます。
これにより、見込み顧客が製品に対する理解を深め、信頼を醸成します。また、業界のキーパーソンや意思決定者と直接会話できるため、迅速に商談を進めることができます。セッションやセミナーを通じて、ターゲット企業との関係を強化します。
Web広告
Web広告は、インターネット上で顧客に直接アプローチするアウトバウンド営業の手法です。ディスプレイ広告、検索連動型広告、SNS広告、動画広告などがあり、それぞれが異なる方法で顧客にリーチします。
Web広告の最大のメリットは、ターゲティング精度の高さです。年齢、性別、興味、行動履歴など細かく絞り込んで広告を配信できるため、効果的なマーケティングが可能です。また、クリック数やコンバージョン率などのデータをリアルタイムで分析できるため、広告の効果を正確に測定し、柔軟に調整できます。コスト効率も良く、小規模なビジネスでも効果的に活用できます。
パートナーシップ・アライアンス
パートナーシップ・アライアンスとは、複数の企業が協力してビジネスを拡大し、互いの製品やサービスを補完し合う営業手法です。BtoBのアウトバウンド営業において、この手法は非常に有効です。例えば、ソフトウエア企業がハードウエア企業と提携し、総合的なソリューションを提供することで、顧客に対する魅力を高めます。
また、互いの顧客基盤を共有することで、新たなリードを獲得しやすくなります。共通のターゲット市場を持つ企業と共同でマーケティングキャンペーンを実施したり、合同でイベントやウェビナーを開催したりすることで、双方のリソースを最大限に活用することが可能です。
営業方法を選定するためのポイント
企業が効果的な営業方法を選定するためには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。
- ターゲット市場の特性を理解する
- 営業チームのスキルとリソースを考慮する
- 成果を測定しやすい手法を選ぶ
ターゲット市場の特性を理解する
営業手法を選ぶ際には、ターゲット市場の特性を十分に理解することが重要です。特にBtoB市場では、購買行動や意思決定プロセスが複雑で、複数の意思決定者が関与します。そのため、各ステークホルダーのニーズを把握する必要があります。
また、ターゲット企業が利用しているチャネルを理解することも重要です。例えば、LinkedInや業界特化型のフォーラムを活用することで、効果的にターゲットにリーチできます。このように、ターゲット市場の特性を理解することで、最適な営業手法を選定し、効果的なアプローチが可能となります。
営業チームのスキルとリソースを考慮する
営業手法を選定する際には、営業チームのスキルセットや利用可能なリソースを考慮することが必要です。
例えば、デジタルツールに強いメンバーが多い場合は、インサイドセールスとしてメールマーケティングやウェビナーを活用し、リードナーチャリングを分担しておこなうことができるでしょう。
一方で、フィールドセールスに強いチームであれば、訪問営業やネットワーキングイベント、展示会への参加を重視し、インバウンドの手法についてはマーケティングチームと連携するなどが考えられます。
また、対面営業に強いチームであれば、訪問営業やネットワーキングイベント、展示会への参加を重視する手法が適しています。
ターゲットとする市場の特性や、メンバーの強みやリテラシーに合わせて営業チームの担う役割、手法を選定するようにしましょう。
成果を測定しやすい手法を選ぶ
営業手法を選定する際には、成果を定量的に測定できるかどうかが重要です。特にBtoB営業では、効果を数値化することで、戦略の改善点を明確にできます。KPI(Key Performance Indicator)を設定し、CRMシステムを活用することで、顧客情報や営業活動を一元管理し、データドリブンな営業手法が可能です。これにより、商談の進捗状況や成約率をリアルタイムで把握し、迅速に改善策を実施できます。
また、営業プロセス全体を計測する手法も非常に重要です。例えば、商談の数や進捗状況、成約率といった指標を追跡することで、営業活動のボトルネックを特定しやすくなります。さらに、SFA(Sales Force Automation)ツールを利用することで、営業プロセスの各ステップを詳細に記録し、分析することができます。これにより、個々の営業担当者のパフォーマンスを評価し、効果的なフィードバックやトレーニングを提供することが可能です。
Sansanの活用で売り上げ拡大の機会につなげられる
Sansanは名刺管理を超えた営業DXサービスとして、インバウンド営業とアウトバウンド営業の両方に大いに役立ちます。インバウンド営業では、顧客情報やアクション履歴の蓄積と活用により業務をスムーズにし、見逃していたビジネスチャンスを捉えます。さらに、メール配信機能で開封率やクリック率を分析し、効果を改善できます。
アウトバウンド営業では、商談前の準備やオンライン商談の効率化、商談状況の確認が容易になります。これにより、営業戦略の精度が向上し、売り上げ拡大につながります。営業プロセス全体の効率化に寄与する強力なツール、Sansanをぜひご活用ください。
まとめ
インバウンド営業とアウトバウンド営業は、それぞれ異なる手法で顧客を引き寄せます。インバウンド営業では、オウンドメディアやSNS、ウェビナーを活用し、顧客自らが興味を持つようなコンテンツを提供します。
一方、アウトバウンド営業では、電話営業や展示会、パートナーシップを通じて積極的にアプローチが可能です。営業方法を選定する際には、ターゲット市場の特性、営業チームのスキル、成果を測定しやすい手法を考慮することが重要です。Sansanを活用することで、営業活動を効率化し、売り上げ拡大の機会につなげられます。
3分でわかる Sansan
営業DXサービス「Sansan」について簡潔にご説明した資料です。
ライター
営業DX Handbook 編集部