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BtoBマーケティングの手法17選|成果を高めるポイントも解説

BtoBマーケティングの手法17選|成果を高めるポイントも解説

BtoBマーケティングとは、企業間取引におけるマーケティング活動全般のことです。具体的には、BtoBビジネスにおいて、商品やサービスが持続的に販売される仕組みを築くことを意味します。

本記事では、企業に向けたBtoBマーケティングの手法について、オンラインとオフラインに分けて17種類ご紹介します。成果を高めるためのポイントもご紹介していますので、参考にしてみてください。

BtoBマーケティングの手法17選

BtoBマーケティングの手法は、大きくオンライン施策とオフライン施策に分けられます。

ここでは、代表的な9種類のオンライン施策と8種類のオフライン施策について、特徴や目的を詳しく解説します。

オンライン施策

BtoBマーケティングの代表的なオンライン施策として、以下があげられます。

  1. ホワイトペーパー
  2. ウェビナー
  3. プレスリリース
  4. 外部メディア
  5. SEO対策
  6. Web広告
  7. LP(ランディングページ)制作・改善
  8. メールマーケティング(メルマガ・ステップメール・営業メール)
  9. SNSマーケティング

一つずつ解説していきます。

1. ホワイトペーパー

ホワイトペーパーとは、有益な情報や専門的な知識、独自調査したデータなどをまとめた資料です。一般的に、Webサイト上にフォームを設置し、ユーザーに企業名や電話番号などの顧客情報を入力してもらうことでダウンロードできる仕組みとなっています。

ホワイトペーパーをダウンロードしたユーザーは、その分野に対して課題を感じていることや、情報収集を行っている可能性が高いことから、良質なリードの獲得に適した施策といえます。そのため、ホワイトペーパー経由で獲得したリードは、高品質で関係性の構築がしやすいという特徴があります

2. ウェビナー

ウェビナーは、「Web」と「セミナー」を組み合わせた用語であり、Web上でセミナーを開催することを意味します。自社商品やサービスに関心があるユーザーに対して、セミナーを通して役立つ情報やノウハウを提供することで、商品やサービスの認知拡大や理解を深めることが可能です。

ウェビナーへの参加には、企業名・電話番号・役職などの個人情報の入力が必要であるため、リード獲得の手段としても有効です。また、ウェビナー上でユーザーと質疑応答で直接コミュニケーションを取れることから、信頼関係を築きやすい点もメリットといえます

3. プレスリリース

プレスリリースは、報道機関に対して情報を提供し、告知や発表を行うマーケティング手法です。「ニュースリリース」や「報道発表」とも呼ばれます。主に、新商品や新サービスのリリース、自社で独自調査したデータの公開の際などに利用されます。

プレスリリースを配信することで、多くのメディアに取り上げてもらえるため、認知度の向上が期待できます

4. 外部メディア

BtoB向けのシステム・ツールの比較や口コミを扱う外部メディアへ、自社の新商品・新サービス、キャンペーンの告知や、導入事例、有益な情報などを掲載する手法もあります

代表的なメディアに情報を掲載することで、閲覧しているユーザーにリーチでき、自社メディアでは届けにくい層にも情報を発信できます。また、商品比較や口コミを参照しているユーザーは、自社に合ったサービスを探すために比較検討している可能性が高いため、高品質なリードの獲得が期待できます。

5. SEO対策

SEO(Search Engine Optimization)は、検索エンジンで検索をした際に、自社サイトが検索結果の上位に表示されるように最適化する取り組みです。ユーザーが自社商品を認識しており、商品名で検索する場合、商品サイトが検索結果の上位に表示されないと、ユーザーの注目を逃してしまう恐れがあります。

適切なSEO対策を行って検索上位に表示されることで、サイトの閲覧数が増加し、問い合わせや申し込みの機会が増えるため、結果的に売上向上が見込めます

6. Web広告

Web広告は、Webサイトやアプリ内で表示される広告の総称です。

Web広告の主な種類は、以下の通りです。

  • リスティング広告
  • ディスプレイ広告
  • SNS広告
  • アフィリエイト広告 など

検索結果の上位に広告を表示する「リスティング広告」や、Webサイトの特定の掲載枠にバナー広告などを掲載する「ディスプレイ広告」など、さまざまな形態が存在します。また、ユーザーの興味関心や年齢層など、ターゲットを絞り込んで広告を配信することも可能です。

Web広告の費用は広告の種類によって異なり、クリック回数や表示回数に応じて費用が発生するものが一般的です。高額な広告費が発生するマス広告に比べて広告費が抑えられ、低コストから始めやすいという利点があります。

7. LP(ランディングページ)制作・改善

LP(ランディングページ)とは、集客したユーザーに対して、資料請求や問い合わせなどの具体的な行動へ誘導するための、商品の特徴やメリットを端的にまとめたページです。

Web広告やSEO対策によって自社サイトにユーザーを集客できていたとしても、ページ設計がうまくできていなければ、成果につなげるのは困難といえます。LPのデザインやページ設計などを改善することで、自社商品やサービスの特徴が伝わりやすくなり、CVR(コンバージョン率)向上にも寄与します。

8. メールマーケティング

メールマーケティングとは、見込み顧客や既存顧客に対して自社製品やサービスの最新情報や役立つ情報をメールで配信し、コミュニケーションを図る手法です。BtoBに限らず、BtoCマーケティングでも用いられています。

メールマーケティングには、以下の手法があります。

  • メルマガ
  • ステップメール
  • 営業メール

それぞれ適した使い方があるため、違いを理解して適切に活用しましょう。

メルマガ

メルマガ配信は、過去に問い合わせや資料ダウンロードなどで顧客情報を登録したユーザーに対して、メールマガジンを配信する手法です。新製品や新サービスの紹介、キャンペーンのお知らせなどを定期配信することで、顧客との関係強化が期待できます。

メルマガの配信を通じて、商品やサービスの理解度を高めることや、顧客育成に役立てるなど、さまざまな目的で効果的に活用できます

ステップメール

ステップメールは、事前に設計したシナリオに沿って段階ごとにメールを配信する手法です。メールの開封やクリックなどの顧客行動を起点として、次のメールを自動的に送信することが可能です。

検討段階にある見込み顧客に対して、適切なタイミングで情報を提供することができるため、顧客育成につながります。ステップメールを有効に活用することで、ユーザーの行動を促進し、商談化率や受注率を向上させることが期待できます。

営業メール

営業メールは、ターゲット企業のWebサイトに設置された問い合わせフォームから、直接メッセージを送信する施策です。ターゲットを自ら選定できるため、特定の企業に対して効果的な営業が可能です。

昨今では多くの企業がWebサイト上に問い合わせフォームを備えているため、メルマガ配信のようにリストを取得する手間を省けます。

ただし、簡単にメッセージを送信できる一方で、送信相手の企業が今後見込み顧客になる可能性があることから、メッセージの内容には細心の注意が必要です。不信感を与えず、礼儀正しいメッセージを送信することが求められます。

9. SNSマーケティング

BtoCマーケティングの手法として浸透している「SNSマーケティング」は、BtoBマーケティングでも役立つ手法です。

以下のSNSプラットホームで企業アカウントを作成し、ユーザーに向けて情報を発信します。

  • LINE
  • X(旧:Twitter)
  • Instagram
  • Facebook

専門的な情報を発信していくことで、商品やサービスの認知拡大が期待できます。また、SNSはユーザーと直接的なコミュニケーションを取りやすいため、商品やサービスに対して親近感を醸成しやすい利点もあります。

オフライン施策

ここからは、オフラインでのBtoBマーケティング手法を紹介します。

オフラインでのBtoBマーケティング施策一覧は、以下の通りです。

  1. 展示会
  2. セミナー
  3. テレマーケティング
  4. 飛び込み営業
  5. 紹介営業
  6. マス広告
  7. 交通広告
  8. DM

一つずつご紹介します。

10. 展示会

展示会イベントへのブース出展は、一度に多くのリードを獲得するための有効な手法です。展示会には見込み顧客が多く集まるため、出展することで企業の認知向上が期待できます。

展示会では、情報収集している段階の見込み顧客と直接コミュニケーションを取ることが可能です。数日間のイベントに参加することで、数百から数千のリードをまとめて獲得できることもあります。

展示会で得たリード情報は、データベース化して追加情報やメモを記録しておくことで、顧客との関係をより深め、効果的な営業活動へつなげられます。

11. セミナー

セミナーは、商品やサービスを実際に体験してもらい、自社の魅力を効果的に伝える手段の一つです。Web上で開催するウェビナーと比較し、直接対面して参加者と交流できるため、距離感が縮まり、商品やサービスへの理解度が深まりやすくなります。

特に、手に取りにくい高額商品などを紹介する際には、セミナーが適しています。ただし、セミナー開催は会場の予約や設営、機材の手配など、事前に準備が必要であり、費用と時間を要します。これらの懸念点も考慮したうえで、セミナーの開催を検討することが重要です。

12. テレマーケティング

テレマーケティングとは、電話によって商品やサービスの購入を促す手法です。テレマーケティングは、顧客が自発的にかけてきた問い合わせに対する「インバウンドテレマーケティング」と、企業側から電話をかけて商品の紹介や購入を促す「アウトバウンドテレマーケティング」の2つに分けられます。

テレマーケティングは、商品やサービスの説明だけでなく、営業のフォローアップや潜在顧客への購買意欲喚起、カスタマーサポート、問い合わせやクレームへの対応など、さまざまなマーケティング活動に応用できます

13. 飛び込み営業

飛び込み営業は、企業にアポイントを取らずに直接訪問し営業する手法です。営業業務の側面を持ちますが、「リード獲得」という観点からマーケティング手法の一環ともとらえられます

飛び込み営業は営業担当者の負担が大きく、高い商談化率は期待しにくいものの、中小企業や個人商店といった地域密着型のビジネスをしている顧客には受け入れられやすい傾向があります。自社の商品やサービスに適している場合は、この手法を導入することを検討してみると良いでしょう。

14. 紹介営業

紹介営業とは、既存顧客から他社への紹介を促す手法です。紹介営業も営業の要素が強いですが、リード獲得に向けたマーケティング手法ともいえます。

紹介営業では、自社の商品やサービスを利用している既存顧客が他社へ紹介を行うため、紹介先企業と信頼関係を構築しやすく、商談化率が高まりやすいというメリットがあります。

ただし、紹介営業は質の高いリードを獲得できる可能性が高い一方で、自社で創出することが困難である点がデメリットとなります。紹介営業を増やすためには、パートナー制度を設けるなど、既存顧客に紹介してもらいやすい仕組みを構築し、周知すると効果的です。

15. マス広告

マス広告(マスメディア広告)とは、新聞や雑誌、テレビ、ラジオなどの広告媒体を通じて宣伝する手法です。Web広告と比較すると、顕在層や潜在層に限らず、広範な層にアプローチできることが特徴です。これにより、商品を知らなかった層への認知拡大や、商品を想起するきっかけが作れるでしょう。

一方で、マス広告には、Web広告のように年齢層や興味・関心など細かくカテゴライズしてリーチすることが難しいという側面もあります。また、マス広告はほかの広告に比べて高額になりやすく、効果測定を行いにくい点には注意が必要です。

16. 交通広告

交通広告は、タクシーや電車などの交通機関の車内にあるディスプレイを活用した広告手法です。通勤など移動中のユーザーの目にとどまりやすく、視認性が高い広告手法の一つです。

マス広告と比較すると、利用者の属性を把握しやすく、特定エリアに焦点を当てたターゲティングが可能です。特に、地域密着型のサービスや、エリアを限定して展開しているサービスに適しています。ただし、Web広告と同様に効果を具体的に測定することが難しい点が課題といえます。

17. DM

DM(ダイレクトメール)は、ターゲットに向けて紙媒体で直接メッセージや情報を送付する手法です。紙のメッセージを手に取ってもらうことで、印象に残りやすいというメリットがあります。メルマガが開封されない場合でも、DMを活用することで効果的なコミュニケーションが可能です。

また、ユーザーとの信頼関係を築くためのフォローアップや、顧客満足度向上などの効果も期待できます。ただし、デザイン作成や印刷、配送など、ユーザーに届くまでに時間とコストがかかる点には注意が必要です。

BtoBマーケティングの各手法で成果を高めるためのポイント

BtoBマーケティングには多くの手法がありますが、どの方法や戦略を選択する場合であっても、マーケティング担当者が考慮すべき3つのポイントがあります。

ここでは、BtoBマーケティングの各手法で成果を最大化するためのポイントについて解説します。

最新かつ正確な顧客情報を活用する

BtoBマーケティングを効果的に展開するためには、顧客情報を常に最新の状態に保ち、正確な情報をデータベース化しておくことが重要です。

顧客情報が古いと、担当者や決裁権者の変更を知らずに的外れな提案をしてしまうなど、キーパーソンへの重要な提案機会を逃す原因にもなりかねません。変更をアップデートできず、古い情報を基にマーケティング施策を実施すると、需要のない商品やサービスを提案してしまうなど、効果につながらない恐れもあります。

顧客のニーズを理解し、適切なアプローチを行うためにも、顧客情報をデータベース化し、いつでもアクセスできる状態を維持しましょう。

部門間で連携する

顧客獲得までに、長い期間や多面的なアプローチが求められるBtoBマーケティングでは、企業内の異なる部門間で連携し、施策に取り組む必要があります。

具体的には、マーケティング部門が獲得したリードをインサイドセールスに引き継ぎ、商談へ進むと営業(フィールドセールス)に引き渡すといった流れで進められます。

受注後のサポートやフォローアップも、カスタマーサクセスが担当することが一般的で、リード獲得から受注、フォローアップまでが部門ごとに分業されていることも少なくありません。

フェーズごとに分業化されている場合は、部門間でKPI(重要業績評価指標)や顧客情報を共有し、密接な連携を図ることが重要です。円滑な情報の引き継ぎには、データベースを通して社内で顧客情報を共有し、部門間の連携を強化すると良いでしょう

顧客ニーズへの理解を深める

BtoBマーケティングに限らず、マーケティングにおいて顧客ニーズの理解は重要です。顧客が直面している課題やニーズ、求めている解決策を正確に把握することが求められます

顧客ニーズを正確に理解しないまま施策を進めると、効果的なマーケティング戦略を構築できず、コストの無駄遣いや効果の低下が生じる可能性があるためです。

なお、同じ企業に属していたとしても、顧客の立場や役職によってニーズは変化します。アンケート調査やインタビューなどを実施し、顧客ニーズを定期的かつ正確に把握し、マーケティング戦略に反映させることも一つの方法です。

ツールの導入を検討する

BtoBマーケティングで成果につなげるためには、適切なツールの導入も検討すると良いでしょう。

BtoBマーケティングにはさまざまなツールが存在しますが、特に以下の3つが有用です。

  • MA(マーケティングオートメーション):見込み顧客のスコアリングや、適切なタイミングでのメールマーケティングなど、リードジェネレーション(リード獲得)とリードナーチャリング(リード育成)の施策を自動化・効率化できる
  • CRM(顧客関係管理):既存顧客の購入履歴や問い合わせ履歴などを一元管理し、顧客関係構築や顧客満足度向上などに役立てられる
  • SFA(営業支援システム):営業活動を一元管理し、営業のフォローや提案を最適化して受注率の向上を図ることが可能

これらのツールは、それぞれ異なる用途があり、中には複数の機能を組み合わせたものもあります。自社に最適なツールを見極めたうえで導入することで、BtoBマーケティングの成果を向上させることが期待できます

まとめ

BtoBマーケティングの手法には、オンライン・オフラインでさまざまな種類があります。どの手法を採用する場合でも、成功のポイントはターゲットの明確化と顧客ニーズの理解です。効果的な施策を展開するためには、顧客情報を最新かつ正確な状態に保ち、社内での情報共有と連携を強化することが重要です。

Sansanは、名刺管理や接点管理、企業情報の一元管理などを通じて、営業の効率化を支援する営業DXサービスです。展示会などで収集した名刺を迅速にデータ化し素早いフォローアップを実現できるのはもちろん、正確かつ最新な顧客データベースを構築することができ、BtoBビジネスのマーケティング・営業活動に大きく貢献します。

また、Sansanを用いて企業の組織ツリーや接点マップを作成し、ABM(アカウントベースドマーケティング)へ生かすことも可能です。さらに、MAやCRMツールとのスムーズな連携も実現できます。

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営業DX Handbook 編集部

ライター

営業DX Handbook 編集部

Sansanが運営する「営業DX Handbook」の編集部です。DX推進や営業戦略、マーケティングノウハウなど、営業・マーケティング課題の解決に導く情報をお届けします。