お話を伺った方
企画業務部業務開発チームマネジャー代理 清水康史様
倉庫事業部海外ロジスティクスチーム 細谷洋樹様
まずはSansanを導入することから始め、
最大限SFAを活用するための段階的なプランを立てました
企画業務部業務開発チームマネジャー代理
清水康史様
事業内容について
木村様 三菱倉庫は、1887年に創業した物流会社です。倉庫事業をメインとしながら、港湾運送事業、国際輸送事業などを展開し、包括的でグローバルな物流サービスを提供しています。また、オフィスビルの開発・賃貸を中心とした不動産事業も手掛けています。倉庫事業部、港運事業部、国際輸送事業部、不動産事業部という4つの事業部を中心に組織を構成しており、全国6カ所に支店を置いています。
導入のきっかけは社員の声
木村様 Sansanを導入する以前は、社員個人が名刺をそれぞれ管理していました。各事業部や支店が持っている顧客情報についても共有されておらず、人脈を会社の資産として活用できていなかった状況は、大きな課題になっていました。
細谷様 そのしわ寄せを受けていたのが、営業部門でした。新規営業で実施するコールドコールを行う際に、別の部署と取引がある企業や、すでに失注している企業に対して連絡をしてしまうといったことも発生していました。部門間で解決策を考えたところ、部門を横断した名刺のデータベース化が急務だという結論に至り、企画部門である企画業務部にSansanを導入できないか相談しました。
清水様 顧客情報の一元管理が目的である以上、Sansanを導入するのであれば全社で利用する必要があると考えていましたが、当時は社内でSFAの導入を検討していたこともあり、社内の一部には反対の声もありました。しかし、SFAを最大限活用するためには、その前段階として顧客情報を整理しておくことが欠かせません。
そこで、まずはSansanを導入して顧客情報を全社で共有し、次にCRM、最後にSFAを導入するという段階的なプランを立てました。Sansanの営業担当の方の力も借りながら、経営会議などで何度もプレゼンを重ねた結果、社内の方針が少しずつ転換し、Sansanを全社で導入することが決定しました。
ターゲット企業のキーパーソンの名刺を
管理部門の社員が持っていたケースもありました
倉庫事業部海外ロジスティクスチーム
細谷洋樹様
アポイント獲得数が2倍以上に
清水様 Sansanを導入した成果は、すぐに現れました。ある部署では、導入前の2019年4~6月のアポイント獲得数は月間で8件前後。それに対して、導入後の同年7月のアポイント獲得数は20件に上り、2倍以上にジャンプアップしました。
この成果をもたらした要因は、二つありました。一つは、誰がどの会社のどの部署、どの役職の人と関わっているのかが、一目瞭然になったこと。これにより営業のバッティングが激減し、無駄の解消につながりました。もう一つは、過去に接点を持った企業であれば、Sansanに登録された名刺情報を確認してアポイントを取りたい担当者に連絡できること。担当者の交代などで連絡先が分からず、やむなく代表電話番号に連絡して門前払いされるようなこともなくなりました。
細谷様 Sansanの活用は、営業現場の業務効率化にもつながっています。外部の企業と関わる機会が少ない管理部門の社員が、実はターゲット企業のキーパーソンの名刺を持っていたというケースもありました。このような「隠れ資産」から案件化する事例も出てきました。
オンライン名刺で人脈を蓄積
清水様 引き継ぎも楽になりましたね。これまでは前任者が持っている全ての名刺を後任者に渡して引き継ぎをしていましたが、現在はSansanで過去の履歴を見てもらうだけで引き継ぎが可能になり、前任者、後任者ともに負担が大きく減りました。また、前任者の手元に名刺が残らず、異動後に人脈を活用できなくなってしまうということもなくなりました。
オンライン名刺も重宝しています。リモートでの会議やセミナーが普及し、対面したことのない方と商談をすることが多くなりました。オンラインで名刺交換ができなかったとしたら、商談相手の情報を残せるものはメールくらいしかありません。オンラインであっても名刺交換ができることでコミュニケーションが取りやすくなり、過去の履歴も追いやすくなります。また、名刺交換をしていることで相手を思い出しやすくなり、人脈を活用できる機会も増えていくと考えています。
長年課題となっていたクロスセルを実現できる可能性が
高まっていることを感じています
企画業務部業務開発チームマネジャー代理
清水康史様
メール配信機能で案件を創出
清水様 2019年9月には、営業部門が発案して、Sansanのメール配信機能を使ったメールマーケティングを試験的に実施しました。その結果、ターゲット業界の約200社に送ったメールから案件化するものが出てきました。これに手応えを感じ、他の業界にもメールを配信したところ、約5.5%からリアクションがあり、このうち複数が具体的な案件につながりました。このような結果に加えて、営業会議では「Sansanを活用したセールスメールに効果が見込まれる」ということが報告され、全社で一丸となってSansanを活用していく流れができました。
現在は、自社サービスの紹介はもちろんのこと、オンライン展示会の案内などでもSansanのメール配信機能を活用しています。メールの開封率やコンバージョン率を高めるために試行錯誤を繰り返している状況ですが、メールマーケティングによる効果が高い業界の洗い出しにも成功しています。
成約率や案件化率が向上
清水様 試験的に実施したメールマーケティングでは、倉庫事業部からメールを配信しましたが、国際輸送事業部で取引のあるお客様から問い合わせをいただいたケースもありました。Sansanのメール配信機能を用いたマーケティングにより、長年の課題となっていたクロスセルを実現できる可能性が高まっていることを感じています。
Sansanを活用したメール配信によって、営業の成約率アップに貢献した事例もあります。ある営業課長が、Sansanに登録された名刺情報を基にターゲットリストを作成し、インサイドセールスを実施したところ、従来よりも訪問率・案件化率がかなり高くなりました。その背景には、メール配信の影響があり、顧客が当社のサービスをあらかじめ認知していたことで商談がスムーズになったと聞いています。
Sansanの導入は部門間の連携を強め、
部門横断型の組織へと進化するために貴重な役割を果たしています
執行役員 企画業務部長
木村宗徳様
名刺のデータ化が社内文化に
清水様 Sansanの活用を通して、社員のマインドも変化しています。以前は「名刺は個人で管理するもの」という考えが強かったのですが、今は「全社で活用すべき資産」という共通認識が生まれています。
名刺交換をする機会が少ない業務を担当する社員にもアカウントを付与し、社内で名刺を収集する段階はクリアできたと思います。
Sansanを普及させる上で心掛けたことは、細かいルールを作らないこと。Sansanを使いさえすれば、その便利さにはすぐに気付いてもらえる。「とにかく試してほしい」という一点を強調しました。それが奏功し、現在は名刺をデータ化することが社内文化の一つとして根付いているように思います。
縦割り型から部門横断型の組織へ
木村様 今後は、顧客情報をデータとして整理し、分析・活用するフェーズに移行したいと考えています。その動きを加速させるために、2021年4月にマーケティング組織を発足させました。Sansanでターゲット企業を絞り込み、メールマガジンを配信する施策がすでに始まっています。
三菱倉庫は縦割り型の組織で、部門間の密な連携が課題といえます。Sansanの導入から始まった取り組みによって、部門間の連携が徐々に強まっていると感じています。Sansanの導入は、三菱倉庫が部門横断型の組織へと進化するために貴重な役割を果たしていると考えています。
- 「オンライン名刺」は「デジタル名刺」に名称を変更しました。
- ページ上の内容は2022年1月時点の情報です。